翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.

のらりくらり力

話をしていて、どうも要領を得ない人っていますよね?

色々と質問しても、話が要領を得ず、のらりくらりと話をされ、だらだらと時間ばかり浪費させられる。自分の仕事の相手がそうだと、かなりイライラさせられるものです。

概ね、企業の中で仕事をしていると、目的や意図を明確にした会話を求められ、訓練させられる筈です。話の筋の読めない会話をしていると、無能呼ばわりされるのが落ちです。

私が以前持った職場の部下で、意図的にそういう「のらりくらり」とした話し方、対応の仕方に切り替えられる人間がいて、凄く感心した事があります。それ以来、私も交渉術の一つとして取り入れています。

単純に言えば、意図的に無能を演じる訳です。ただ、単純にボケる訳ではなく、主題を話の枝葉に沿って縦横無尽に逸らしまくる訳です。

交渉を敢えて遅らせるとか、決裂させるとか、腹の内を晒さないとか、色々と目的があっての対応な訳ですが、当たり前の事として、時間的制約のある交渉事に有効なわけです。

「交渉事は馬鹿正直ではダメ」と言う事ですね。

実は伝えたいメッセージは、そんな事じゃなくて…

ちょっと思い返して欲しいのです。

日頃、余りにも正攻法で攻めていないか?と言う事。
誠意を持って事に当たるのは、相手次第ではないか?と言う事。
自分がスマートである事を演出する必要のない相手ではないか?と言う事。
継続的な付き合いを望む相手なのか?と言う事。

意外と「当たり前」の意識は細分化して見ると当たり前でなかったりします。

何事も思考を巡らせている対象(相手)をよく見て、目的を考えた対応をするのは、大切だと思いますね。

作成者: Terry Saito

二足の草鞋を履く実務翻訳者です。某社で翻訳コーディネーター、社内翻訳者をやっていました。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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