翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.

中途半端な職業人意識

たまたま見掛けたある翻訳者さんのブログ記事を読み、腰掛け的職業人意識に違和感を覚えたので、少し記事を書いてみる気になった。

察するに兼業、つまり二足の草鞋で翻訳者をされているようで、いかなる事においても、未だかつてエージェントと交渉と言うものをした事がない様子。特殊な作業の依頼も、その仕事の報酬が不明のまま請け負っているようで、更にはその仕事の報酬が自分の意にそぐわない結果になっても、「生計を立ててる訳ではないので、少なくても良い…」とも取れる記事内容。

要するに依頼される仕事の納期やレートは、エージェントや依頼元の言いなりで請け負っていると言う事でしょう。それに、交渉を嫌がって、理屈の合わない自己完結をしている。

「翻訳」と言う仕事に関わっているだけで満足と言うタイプなのかもしれません。

困ります。こういうのは本当に困ります。

翻訳とその周辺作業を含め、エージェントの言いなりに買い叩かれても文句も言わず、従順にこなしてしまう。

「翻訳」の価値を無闇に下げて貰っては困るのです。ブラックな翻訳エージェントを蔓延らせる原因にもなってるでしょう。

私などから見れば、この方は仕事にプライドを持ってやっているのだろうか?…更には、その先まで思いが及んで、ちゃんとした仕事が出来る人なのだろうか?と勘繰ってしまいます。ある意味、プロ意識の欠如した翻訳者と言う印象を持ちます。

自分が成す仕事の評価は、まずは絶対評価であるべき。そこから相対評価との差を認識して、その穴を埋める為に(一部)交渉すると言う作業が入るのでしょう。加えて、意識と姿勢はビジネスライクであるべきです。

フリーランサーは別にエージェントに雇われてる訳ではありません。個人事業主として、エージェントと相互協力の関係にある訳で、同じ目的に向って協力し合う関係という意識が必要と思います。つまり、ビジネスをする上では(理想的には)対等な立場という意識が必要でしょう。

作成者: Terry Saito

二足の草鞋を履く実務翻訳者です。某社で翻訳コーディネーター、社内翻訳者をやっていました。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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