もう、一年以上も前の記事が未完成のまま下書きに眠っていました(笑)
手を加えず、そのまま公開します。
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さて、すっかり古くなってしまった話題ですが、3月2日のサンフレアアカデミーのオープンスクールで、Baldhatterさんこと高橋聡さんが「今、あえて、IT翻訳に挑戦してみる」と言うテーマでクラスを持たれたので、参加しました。また、同じく高橋さんが講演された、その拡大版とも言える3月23日のJAT主催のセミナー「IT翻訳のIとT、スタイルガイドのインとアウト」も聴講してきました、
「翻訳者は、高付加価値、高単価な市場を目指そう」と言う議論が生まれるたびに、その対極にあるかの如く扱われるIT翻訳。でも、実際のところはどうなのよ?…と言うのが、私の疑問でした。
これらのクラスとセミナーを受けた後の私なりの結論は、IT系と言うカテゴリー自体が、もはや意味を持たないのではないか?と思いました。
ITと言いながら、広い守備範囲
サンフレアのオープンハウスのクラスでは、事前課題がありました。その課題を見た時に私は、「え?…」と思ったのです。最初の三問は、IT系に見られるだろうと想像していたものですが、他の問題は「なにこれ、文芸?」と思わせるような内容。
実のところ、IT翻訳者の看板を掲げていても、関連した多種多様な案件が舞い込んでくると言う事です。
UIや作業手順的な文書、マニュアル、製品や商品の使い方や機能説明しているような文書ばかりをイメージしてしまいますが、そんな世界だけではないのです。確かに、それらの翻訳は単価が安いものの、色々なツールを駆使して、半ば「作業的」にバリバリとスピードを持ってこなして行くというアプローチを取り、単位時間当たりの売上を一定水準に保っているのでしょう。
但し、クラスの説明の中で、これらマニュアル翻訳などは、将来的に機械翻訳に取って替わられるリスクがあると言う話がされました。一方で、まだまだ人間でなくては翻訳できないものが多く残っていると言う話もされました。そういう翻訳への対応を進めて行こうと言うメッセージとして受け取りました。
人間しか出来ない翻訳へのシフト
印象として、IT翻訳が業界全体の状況を表しているかのようであり、人間でなければ出来ない翻訳を積極的に取り込み、単純作業的翻訳(置換?)から、そこへシフトして行く…と言う、いつも議論に出てくる流れが、ここで再現されていると思いました。
製品、商品を販売する上での広告や販促材、それを題材とした記事の翻訳や、ニュース翻訳など、人間であるからこそできる翻訳へのシフトです。
(中途)