翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.

JTFセミナー「翻訳の原点を見つめる」

ブログの下書きに入れたまま放置していた記事ですが、内容がそれなりに役立ちそうなので、そのまま公開します。

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12月17日に開催されたJTFセミナーに参加してきましたので、簡単にご報告します。

講演テーマ:「翻訳の原点を見つめる」
講演者:ウレマン・ブレッドさん

What we do
作者と読者をつなぐもの。それが翻訳者である。
好きな分野の文章を好きなだけ読める。それを他言語へ翻訳することでお金を貰えるなんて、ありがたいこと。

What it takes
スイスアーミーナイフは、ジェネラリスト
バターナイフや中華包丁のようなものはスペシャリスト
翻訳者も専門知識を持ち、専門性を持ってやらなくてはならない。
それぞれのナイフには、それぞれ特有の使い方がある。分野や文書内容により書き方があるのと同じ。

単語より複語
翻訳は単なる言葉の置き換えではない。

「八方美人」…そのまま訳しては「Beautiful person in eight directions」のような事になる。言葉が何を表現しようとしているかを考えて翻訳しないといけない。

“Dear John”…レターの書き出して良く使われるが、これには、お別れのレターの意味もある。言葉の本当の意味を理解して訳さなくてはならない

IADOTC : It all depends on the context

punch below/above its weight

佐高 信「この人たちの日本国憲法」
光文社

〜が、〜
この「が」を意味も考えず、but と訳したがる。原文のコンテキストを考える。それは文章の時代的な背景なども正しく考慮して訳出する必要がある。

英訳時、わからない単語がある時は、そのまま残して、まずは全体の流れを掴む。1つの単語を調べるのに時間を掛けていると全体の流れを忘れてしまう。

業として
専門性を持ってやった方がいい

品質:
翻訳者として、どこの品質を目指すのか。どの品質に自分を位置付けるか?
自分の品質のレベルを決めなくてはならない。誰かコンペティターなのか?

母国語へ訳す方が質の良い翻訳ができる。

最終読者までを考えた品質

エージェントに使われているという発想は逆転して欲しい。翻訳者がエージェントを使っているという発想にして欲しい。どのエージェントが良い仕事を持ってくるか、そういう良いエージェントにマージンを払っているという考え方にして欲しい。エージェントを雇っているという発想にして欲しい。

日本人の日英翻訳者へのアドバイス
日本語原文の本当の意図と意味を考えて欲しい。
英語の面白い表現を見つけたら、本当の日本語と脳内で繋げる。正しい日本語の表現と、正しい英語の表現を頭の中で繋げていく。

Q:ネイティブ言語への翻訳が質のいい翻訳ができるという話の一方で、日本では日本人による日英翻訳がある程度の需要を持っている。その理由として聞かれるのが、英語ネイティブでは日本語の読み込みが足らないからだという話もよく聞くが、どう思うか?
A:英語ネイティブでないと正しく表現できないという一面もある。どっちもどっち。
レートが安いから、ネイティブの和英翻訳者が少ない。そこが原因しているのではないか。正しく和文原文を読みこなし、正しく英語表現されるネイティブによる日英翻訳は、十分な価格が払われれば、なされる筈である。

一般人が認識する翻訳は、「書籍翻訳」

自分の専門分野の文書は両国語で読むべし。
目指しているものを読んで、真似をする。

作成者: Terry Saito

某社翻訳部門の中の人です。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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