6月21日から二日間、東京ビックサイトで開催されたIJET25。初日の基調講演だけ聴講してきましたので、簡単にご報告します。
基調講演は「村岡花子〜『赤毛のアン』翻訳に託した未来への希望」で、講演者は村岡花子さんのお孫さんである村岡恵理さん。ご存知の通り、NHK連続テレビ小説「花子とアン」の原案となった「アンのゆりかご〜村岡花子の生涯」の著者でもあります。
この日はなんと、村岡花子さんの121回目の生誕日と言うことでとても意味深い講演になったと思います。語り口柔らかく、とてもお話しが上手で、NHK連続ドラマの話題、そして著書の流れに沿って村岡花子さんの翻訳家としての人生をお話しされました。
「アンのゆりかご」を読まれた方には、話の内容がより良く分かって面白かったと思います。本にないエピソードも聴けて少し得をした気分でした。
以下に、私の記憶に残った話を羅列致します(いつもの通り(笑))
ドラマのお話し
・東洋英和女学校の出身者の方から「ドラマの花子さんの実家が貧し過ぎる。顔が黒過ぎる。恵理さんはOKしたのかしら?」との連絡を貰ったそう。
・この先のドラマの縦の線を強調する為の「ここ」なんだと思って「ま、いっか」と思ってるとお話しされていました。
・辞書を漬物石に使っている場面があったが「そんな事は絶対にありません」と否定されていました。
・花子さんはとても本を大切にする方で「本はとても大事だから、跨いではいけない、本を開いたまま伏せてはいけない」と娘さんに躾をされていたそうで、恵理さんも同じ教育を母親から受けたそうです。
・ドラマでは花子さんがとても酒癖が悪く描かれているが、花子さんは全くお酒を飲まない方だったそうです。
・多分、これは甲州ワインのPRなのかな?、甲府のPRかな?と仰っていました。
質疑応答
Q:ドラマの中で、ともさかりえさんが演じる富山先生が「My hair is turning gray. That is a long story.」の訳を「私の髪は灰色に変わってきました。それは長い物語です。」と話した後、花子さんが自分の訳を「私は白髪が増えてきました。話せば長いのよ。」と発表されましたが、私は翻訳者として花子さんの訳の方が良い、流石だなと思ったのですが、あれは実話に基づいたものですか?
A:あれはNHKの制作の方にはよるものですので、NHKの制作の方を褒めてあげて下さい(笑)