翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


参考資料という厄介なもの

昨年の翻訳祭セッションでも少し触れた「参考資料」の取り扱いについて。

クライアントや翻訳会社から、ポンと渡されて、その量も紙一枚のものから、本か?と思うほどの大量のものまで、内容も分量もさまざま。時には翻訳原稿にまったく関係のないものが混ざっていたりすることもあります。

挙げ句には、納品した翻訳物に対して「参考資料に合ってない」と怒られたり、「参考資料なんだから、そのまま写すなよ」とクレームを貰ったり、一体、どうして欲しいの?と憤慨した方も多いのではないでしょうか。

参考資料を受け取った翻訳会社(や翻訳者)が、まずすべきことは、受け取った資料が「翻訳指示」なのか単純なる「参考情報」なのかを明確にすることです。そもそも「参考資料」という言葉、特に「参考」という言葉にみんなが惑わされ、資料の位置付けを定義して合意しないまま翻訳作業に入っているところが問題です。

参考資料には概ね以下の3つの目的を持って提供されていると思います。 続きを読む


2016年を振り返る

仕事納めも済み、昨日から冬休み。お正月を迎える準備を始めたところですが、来年に向けて今年を振り返ってみたいと思います。

今年は、あれこれといろいろなことがありました。絞り込むのが難しいのですが、ざっくりとトップ3にまとめてみました。

  1. 日本翻訳連盟の理事に就任
  2. 福岡翻訳勉強会へ遠征
  3. JTF翻訳祭の企画運営に委員として参加、そして、自分の講演

1. 日本翻訳連盟の理事に就任

こればかりは、自分でも驚きの出来事でした。JTFの理事になるなど、自分の中では予定されていなかったこと。これも人の縁というものでしょう。突拍子もない話をいただいて、自分の中でいろいろな葛藤がありました。分不相応、過去の苦しみの再燃と、あれこれ悩むのが私の悪い癖。高が私。失う物もなかろう。私のポリシーである「悩みが深くなり身動きが取れなくなる前に、まずは行動!」を実践した結果です。多くの方々からサポートをいただいたことを忘れてはなりません。その思いに応えなくてはなりませんね。巡り来るものは、機が熟していると考えてもいいのでしょう、次の機会はないのですから。翻訳者視点を軸に、微力ながら頑張っていくのみです。

2. 福岡翻訳勉強会へ遠征

Twitterの会話から、あれよあれよという間に話が決まった福岡翻訳勉強会でのセミナー開催。

関わった全員が時間を捻出してSNSを介して企画運営していく課程は素晴らしいもので、感動的でした。とにかく初動の速さは凄かった。企業の中でも、これだけのチームワークとフットワークで動けるチームは滅多にありません。勉強会も大成功でしたし、私も初めて福岡に行くことができました。今年の一番印象に残るイベントだったと思います。

3. JTF翻訳祭の企画運営に委員として参加、そして、自分の講演

昨年、法人色の強まった翻訳祭を、今年は個人翻訳者に取り戻すという思いで、企画・運営に関わらせていただきました。その想いは少なからず達成できたと思います。来年も、この流れを失うことのないよう、関わっていけたらと考えています。

全セッション中、参加者数が一番多かった私のセッション。壇上から見た会場の凄さは多分一生忘れられないと思います。そして、いまさらで申し訳ないのですが、人前で話をすることの怖さを改めて感じました。学生集会か?と思わせるほどの会場の入りに怖じ気づいたという意味ではなく、これだけの方々へちゃんと伝えられるものになっているのか、伝えられているのかという点においてです。もっともっと精進が必要です。身を正す良い機会をいただいたと考えています。来年は内容充実にもっと時間を割いて、よりよいものにしていきたいと考えています。

 


ということで、2016年、本業に時間を取られる中、そこそこ精力的に活動ができた一年だったかなと感じています。今年も多くの方々にお世話になり、本当にありがとうございました。

来年は本業の仕事環境も変わり、より翻訳に関われることになるので、ツール開発の再開を含め、業界活動にもっと時間リソースを投入できそうです。また、今年積み残した計画は、来年、実現させるつもりです。

2017年もどうぞ、よろしくお願いします。良い年をお迎えください。


逃げるから追いかけられる

今日は、ちょっと翻訳とは関係ない話を書きます。

仕事に限らない話ですが、「やらねばならないこと」「やるべきだと分かっていること」と理解しているのに、あれこれと頭の中でやらない理由を付けて、物事をずるずると先延ばしにしたり、やらなかったりすることがありますよね。やれば、きっと大した手間でもないのに、先延ばしにする。

もちろん「やらない理由」が、リスクマネジメントに基づいた論理的な理由であれば問題ないですが、感情的な理由であったり、好き嫌いの問題であったりと、どこか自分で避けて通ろうという意識が働いて「やらない」場合は、後になっていろいろと問題が起こってしまうものです。以前も書いたかもしれませんが、私は元来チキンな性格で、若い頃はとにかく逃げたり避けたりが多かった。それが理由で、自分が損をしたり、多くの人を巻き込んだ大問題に発展したりと決して良い結果に結びつかなかった経験に照らし合わせても、それは正しいと思っています。

経験的に見ても、逃げると必ず追いかけられます。何から逃げているのかを突き詰めると、それは「自分自身」なんですよね。怠慢やらズルをすると、物理的だったり感情的だったり、何かしらの跳ね返りがあり、それにずっと追いかけられる。事が表面化すると、その帳尻合せに頭を悩ませる。相手のある話なら、他人を巻き込んだ大問題になって、体裁を整えようとさらにズルをする。そして、もっと状況が悪化するという負のスパイラルに堕ちていく。仮に表面化しなくとも、そのことが自分の心を追いかける。明るい気持ちになれるわけもなく、毎日どんよりとした暗い気持ちで過ごすようになる。運悪く、それに慣れてしまって何も感じなくなったら、その時は自分の心を破壊してしまったことになるんでしょう。

自分を欺いて、いったい何を守っているんでしょうね。保身のために取った行動で、最終的には自分を傷つけてしまう。「こうすべき」と判断した自分を「避ける」という「自分への甘え」が元凶なんでしょう。「自分への嘘」ですよね。

仕事においていえば、(追いかけられることなく)元気に明るく毎日を過ごすためには、自分の役務に期待される行動を、個人的な感情に左右されずに取ることでしょう。やるべきと判断されたことは躊躇することなくやり、主張すべき事は隠すことなく主張する。プロであるということを意識すれば、当然とられるべき行動でしょう。

今日は、当たり前のことを書いてみました。


来るものは拒まず

ここ数年の私のモットーは「来るものは拒まず

もちろん、もともとのことわざは「去る者は追わず来る者は拒まず」(さるものは おわず きたるものは こばまず)で、「もの」は人のことを指していますが、冗談話の中では、自分に訪れるすべての事象を「くるもの」と捉えて「くるものは拒まず」と言ったりしますよね。私のモットーは、そちらの「すべての事象」を指しています。

同じ言葉を「何でもかんでも受け入れてしまえ!」と解釈して実行されている方もいるようですが、私は自分なりにルールを決めています。そのルールとは「自分が今までに経験したことがない全てのこと」を「くるもの」として捉え、拒まず受け入れることにしています。

私は元来、かなりチキンな性格で慎重派。自分に自信が無いことも手伝って、石橋を叩きすぎて壊してしまうタイプなので、何か新しいことが訪れると途端に怖じ気づいてしまい、諦めて手を出さないのです。そんな自分を奮い立たせるためのモットーです。

「機会」というものは、自分の状況に関係なく、それも突然訪れるもの。その機会を生かせるように日頃から精進しておけと良く聞きますよね。例え精進していても、人は概ね自己評価の高い人は少なく、ましてや経験の無いことには自信が持てず慎重になるのは当然だと思うのです。

私の場合、自分の性格も手伝って、その辺りが顕著に現れるので、それを打破するためにある時から考え方を変えました。

  • 訪れた機会に次回はないぞ!
  • 私のような者に機会をいただけること自体が幸せなこと、奇跡的なこと。
  • やる前から何も分かるまい?
  • やってみて得られることの方が遥かに重要。(新しい人との繋がりや自分自身の発見がある。)
  • やってみて初めてその先が見える。(山は登ってみないと、その先の景色は分からない)
  • 自身が抱く不安が膨らむ前に受け入れてしまえ。(自分が気付く前に飛び込んでしまえ)

機会が訪れたら、まず自己評価はやめよう。まずは飛び込んでやってみる。それでダメなら、それでいいぢゃんと考えるようになりました。成功しようが失敗しようが「やった」という経験が大切であって、その経験の先に新しいことが待っているからです。そもそも、もともと持ってなかったのだから、失うものもないですよね。

そう考えて実践してからは、いろいろな変化が私の周りで起こるようになりました。身の丈に合わないこともたくさんありましたが、それはそう認識できたことが貴重だと思っています。

怖じ気づかずに、やっちゃいましょう!
(自分に向かって言っている)


品格

電話の応対やメールの文面、そういったものから相手の品格、ひいてはその個人が所属する組織の品格が判断されてしまう。

自分が電話したり、メールした相手の反応から、そんなことを感じたことはありませんか?

お客様にしろ取引先にしろ、全てが大切なビジネスパートナー。初めての問い合わせ相手だって、将来の潜在的顧客かもしれないのですから、相手の身になった丁寧な対応をするのは大切でしょう。

組織で考えると、対外的な窓口となる人材の選択には特に注意が必要でしょうし、然るべき教育を継続的に行う必要がありますね。

みなさんは大丈夫ですか?(自責の念に駆られつつ・・・)