翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


【アップデート】 GlossaryMatch 用語置換ワードマクロ

今回、ワード版のGlossaryMatchの置換方法を変え、若干の機能追加をしましたので、公開します。

GlossaryMatch

今回の変更は以下の通りです。

  • ワイルドカードを使った置換が出来るように変更しました。
    辞書ファイルにワイルドカードによる記述を入れておくことで、色々な検索と置換が可能になりました。但し、細かな記述のチェックを行っていないので、記述内容によってはエラーを吐き出すかもしれません。
  • 「アドイン」メニューにGlossaryMatchのメニューを追加。
  • 大きな辞書や文書を処理する場合、反応なしとなって、ワードが死んだような状態になる(但し、処理はバックグラウンドで行われている)のを回避するため、プログレスバーを表示し、処理残時間を表示するように変更しました。
  • また、処理中に「中止」ボタンにて、中止できるようにしました。
  • モードを、1) 蛍光ペン付け、2) 完全置換、3) 併記置換、4) コメント挿入、の4モードに変更。
  1. 蛍光ペン付け
    辞書に登録された用語が本文に見つかれば、蛍光ペンを付けます。
    このモードは、チェック作業に使用する事を目的に作りました。チェック用の辞書を作っておくと便利です。この記事の後に、いくつか自分用に作ったテキスト辞書を紹介します。
  2. 完全置換
    辞書に登録された用語(置換元用語、置換する用語)に従って、完全に用語を置き換えます。置き換えた用語は蛍光ペン付けされます。
    置換する用語が登録されていない場合は、置換せず、蛍光ペン付けだけ行います。
    (蛍光ペンは、メニューの「蛍光ペンを解除する」を選択すると、解除できます。)
  3. 併記置換
    辞書に登録された用語(置換元用語、置換する用語)に従って、用語を置き換えます。その際、「置換元用語(置換する用語)」で置き換えられます。
    置換する用語が登録されていない場合は、置換せず、蛍光ペン付けだけ行います。
  4. コメント挿入
    辞書に登録された用語(置換元用語)が本文に見つかれば、コメント機能を使って「置換する用語+備考」でコメント付します。

訳文チェック用の辞書を幾つか紹介します。自分の為に作ったもののため、記述間違いなどあって正常に動作しない場合があるかもしれませんが、ご了承ください。あとは、ご自身で改造・追加して頂ければと思います。

  • GMDIC_CHK_数字チェック.txt
    [対象:和英訳、英和訳] 原稿と訳文の数値を蛍光ペン付けします。半角全角数字、月、漢数字、丸付数字などが対象です。詳細は辞書ファイルを見て下さい。
    私の使い方は、原稿と訳文に「蛍光ペン付け」機能を使ってこのチェック辞書を適用し、横に並べて比較してチェックするという流れです。機械的に照合チェックする手段を持たないので、苦肉の策です(笑)
  • GMDIC_CHK_間違い易い英単語.txt
    [対象:英文] ネイティブが間違いやすい英単語や、タイプミスしてスペルチェッカーで見つからない英単語を登録してチェックしています。単に蛍光ペンが付くだけですが、意識してチェックするようになるので検出力が上がります。
  • GMDIC_CHK_JTF日本語標準スタイルガイド.txt
    [対象:日本文] 言わずと知れたJTFの日本語標準スタイルガイドに沿ったチェックをする為のチェック辞書です。全てを網羅している訳ではありませんし、記述ミスもあるかもしれませんので「参考」として見て下さい。

これらの辞書は、いずれ少しづつ更新していこうと思います。また、みなさんもお作りになった辞書を公開してくれると嬉しいですね。

なお、ワードのワイルドカードの記述については、水野麻子さんの「Wordワイルドカード徹底活用ガイド」が役立ちます。(登録不要版がこちらにもあります)

以上、お役に立つようでしたら、ご利用下さい。

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JTFセミナー「2秒×1000回=30分のなぞ」を聴講してきました。

5月25日に行われた日本翻訳連盟(JTF)主催の翻訳セミナー「2秒×1000回=30分のなぞ ~翻訳業務でのWordマクロ活用とWordのチューニング方法~」を聴講してきました。少し遅くなりましたが、感想を書きたいと思います。

講師は、Microsoft MVP for Word を受賞された新田順也さんです。

私の今年のテーマの一つが「マクロ」による翻訳業務、および翻訳完成品のチェック作業の効率アップ/精度アップで、独学ながら Excel VBAや Word VBA を勉強しているところなのですが、まさしく、その目的にピッタリなセミナーがJTFのホームページでアナウンスされたので、即座に申し込みをしました。

今回、セミナーを受講して思ったのは、マクロは実際のデモを見る事が一番大切。特にその効能を理解していない相手を説得するには、物凄く効果的な方法です。

セミナーではマクロのデモンストレーションが主で、話されたマクロの話は、新田さんのブログ「みんなのワードマクロ」を読むと、セミナーの内容に加え、更に深い情報を得る事が出来るので、そちらをご参照頂ければと思います。

セミナーを通じて感じたのは、新田さんのマクロに対する思い入れ、仕事に対する思い入れ、マクロを道具としてどう使いこなし、翻訳という仕事に活用しているのか…そういった想いを強く感じる事ができました。

心に残った言葉は以下のもの:
・Wordを支配する。
・ワードマクロは翻訳はしない。
・マクロは業務支援のツールである。
・使い方次第では翻訳者の能力を引き出してくれる。

全くの同感だ…と思いながら話を聞いていました。翻訳者が仕事をする上で、その原稿や翻訳物はほとんどの場合、Microsoft Office を使って作られているのが現状です。

仕事の玄人であるなら、道具を使いこなす事が職人への道だと言うのは、世界が違っても言える事ではないか?と思うので、Microsoft Office製品を使いこなす事は、意識して努める事なのだと思います。

そして職人は、道具を自分の使い易いように改善する…それがまさしくマクロなのだと感じました。

新田さんの言葉の端々に感じたのは、一貫して「マクロは道具である」と言うメッセージです。「手段を目的にする」「道具に使われる」と言った言葉がありますが、そうなってはいけないぞ!と言う警告だと思います。

マクロの設計思想にも、その考えは反映されているようで「主導権をWordに渡さない」と言う考え方には、とても新鮮さを感じました。

マクロはエクセル、ワード、パワーポイントに実装されているので、使い方によっては、我々の翻訳作業を強力に支援し、周辺作業を大幅に簡素化してくれる可能性があります。

新田さんが仰っていた通り「繰り返し作業、面倒な作業」をマクロに肩代りさせる事で、小さい無駄な時間の改善が、結果的に大きな時間的余裕を生み出す事になります。

翻訳者の付加価値は、「翻訳」する事です。それに付随する周辺作業時間は極論言えば無駄な時間ですから、それらを自動化により、極限まで減らす事によって、本来、費やすべき翻訳の時間を増やし、翻訳者としての付加価値を上げる…と言うアプローチは、とても正しい事だと思います。

マクロは「作業を自動化」してくれる訳ですが、それは作業を「スピードアップ」してくれるだけではなく、毎回「正確に」行ってくれる所がポイントで、品質改善にも繋がるという認識も持って、マクロ利用に積極的になるべきだと思います。

マクロがよく分からないと言う方は、一度、新田さんのマクロ講座を受講されて、そのさり気ない便利さに触れ、幸せな翻訳ライフに踏み込まれると良いと思います。

最後に、当セミナー開催前に採ったアンケート結果を話されていましたので、そのデータを以下に記述しておきます。

アンケート数 59
Q:ワードマクロ使った事あるか?
未経験 27
利用 1/4
作成 1/4

Q:TRADOSなどの翻訳支援ツールを使っているか?
1/3

セミナー参加者に無償で、マクロ(アドイン)が提供された。マクロが50点ばかり入ってる。

ずらずらとデモンストレーションして下さった機能は以下のもの:
テキスト貼り付け
ワードから英辞郎検索
1ページの行数調整
ページの余白調整
全角半角置換
半角全角置換
上付き変換
コメントの書き出し機能
フォルダー内のファイル名一覧
JTFスタイルガイドの適用


JTF日本語標準スタイルガイドが公開されています

少し古い情報になりますが、昨年の日本翻訳連盟(JTF)翻訳祭の出席記事で紹介した「日本語標準スタイルガイド」が、JTFのホームページで公開されています。

 

JTF日本語標準スタイルガイド(翻訳用)

 

ダウンロードして利用されると良いでしょう。