翻訳横丁の裏路地

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【ワードマクロ】WildLight アップデート

ワードマクロの WildLight を少しバージョンアップしました。主な内容は以下の通り。

  • 最後に開いた辞書フォルダーを記録し、次回使用時にそのフォルダを開くようにした。
  • 以下の3つのコマンドを追加した。

HCLR : 蛍光ペンを解除
Zen2Han,[変換文字] :変換文字に指定されたものを全角から半角に変換。 例)Zen2Han,[0-9] (全角数字半角変換)
Han2Zen,[変換文字] :変換文字に指定されたものを半角から全角に変換。 例)Han2Zen,[a-zA-Z] (半角英文字を全角変換)
※Zen2Han, Han2Zen は変換後の文字列に蛍光ペンは付きません。

何と言っても、全角半角変換、半角全角変換が出来るように変更した点が一番大きいと思います。ダウンロードは、WildLight のページからお願いします。

お試し用の辞書をいくつか公開しますので参考にして下さい。


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【ワードマクロ】WildLight 公開

GlossaryMatchの簡易機能版を作成しましたので公開します。

詳しくはトップページのタブにある「WildLight」をご参照ください。

ワード正規表現の記事にある「お題3」を記述したWildLight用辞書ファイルを、以下にサンプルとして置いておきます。

どうぞ、ご参考にされてください。


GlossaryMatch 実用例その1

Word版GlossaryMatchをちょっとだけ修正して、Ver. 1.01 にしました。

修正内容は、辞書の置換元用語の先頭に半桁の「~」(チルダ)を入れておくと、蛍光ペン付けしないようにしました。

ここでは、この機能を使った使用例を示します。

原稿

 

このような部署名を企業の中で見掛けないでしょうか?
色々な文書に、作成者や改訂者情報、検討チームリストなど、部署名が良く書かれています。こういう部署名などは間違いをなくすために、置換作業で処理したいところです。しかし、困るのが、漢数字に全角半角数字の混在ですね。

これを解決する為に作った辞書ファイルのサンプルが次のものです。(漢数字へ対応するためのサンプルです)

辞書

 

GlossaryMatchでは、蛍光ペンのない文字列に対して、置換元用語の検索を行い、該当するものがあれば置換先用語に置換し、最後に蛍光ペンを付けます。
但し、置換元用語の先頭に、半角「~」(チルダ)が入っている場合は、置換後に蛍光ペンが付きません。例えば上の辞書の第一行目の記述に従うと、「一課」が「1課」と置換されますが、蛍光ペンは付かず、その後の処理でも、この「1課」は置換対象となります。

この辞書ですと、漢数字の一課~五課までを半角数字の1課~5課に置換するものの、蛍光ペンは付けない為、その後の行の処理では置換対象となります。つまり、六行目の「経理([0-9]{1,})課」以降の行で置換の対象となります。

モード選択

 

モードの選択で「2. 完全置換」を選択すると、以下のようなプログレスバーが現れ、置換が終了すると終了画面が出ます。

ProgressBar

 

完成

 

上記のサンプル辞書には、全角数字を半角にするための処理を入れていなかったため、経理1課~経理5課までが置換されずに残っていますが、漢数字だった部署名は全て置換されています。

このように、辞書ファイルに処理の順番で正規表現を記述しておく事で、色々な処理を行う事ができます。

なお、辞書の置換元用語にある「([0-9]{1,})」は、半角数字で1桁以上連続した数字を意味します。1課でも12課でも、123課でも対象となります。そして置換先用語にある「\1」は、置換元用語のカッコ内「()」で該当した数字が代入されます。
つまり、「経理900課」があると、900 が \1 の位置に代入され、Accounting Dept. 900 と置換されます。

 

 


【アップデート】 GlossaryMatch 用語置換ワードマクロ

今回、ワード版のGlossaryMatchの置換方法を変え、若干の機能追加をしましたので、公開します。

GlossaryMatch

今回の変更は以下の通りです。

  • ワイルドカードを使った置換が出来るように変更しました。
    辞書ファイルにワイルドカードによる記述を入れておくことで、色々な検索と置換が可能になりました。但し、細かな記述のチェックを行っていないので、記述内容によってはエラーを吐き出すかもしれません。
  • 「アドイン」メニューにGlossaryMatchのメニューを追加。
  • 大きな辞書や文書を処理する場合、反応なしとなって、ワードが死んだような状態になる(但し、処理はバックグラウンドで行われている)のを回避するため、プログレスバーを表示し、処理残時間を表示するように変更しました。
  • また、処理中に「中止」ボタンにて、中止できるようにしました。
  • モードを、1) 蛍光ペン付け、2) 完全置換、3) 併記置換、4) コメント挿入、の4モードに変更。
  1. 蛍光ペン付け
    辞書に登録された用語が本文に見つかれば、蛍光ペンを付けます。
    このモードは、チェック作業に使用する事を目的に作りました。チェック用の辞書を作っておくと便利です。この記事の後に、いくつか自分用に作ったテキスト辞書を紹介します。
  2. 完全置換
    辞書に登録された用語(置換元用語、置換する用語)に従って、完全に用語を置き換えます。置き換えた用語は蛍光ペン付けされます。
    置換する用語が登録されていない場合は、置換せず、蛍光ペン付けだけ行います。
    (蛍光ペンは、メニューの「蛍光ペンを解除する」を選択すると、解除できます。)
  3. 併記置換
    辞書に登録された用語(置換元用語、置換する用語)に従って、用語を置き換えます。その際、「置換元用語(置換する用語)」で置き換えられます。
    置換する用語が登録されていない場合は、置換せず、蛍光ペン付けだけ行います。
  4. コメント挿入
    辞書に登録された用語(置換元用語)が本文に見つかれば、コメント機能を使って「置換する用語+備考」でコメント付します。

訳文チェック用の辞書を幾つか紹介します。自分の為に作ったもののため、記述間違いなどあって正常に動作しない場合があるかもしれませんが、ご了承ください。あとは、ご自身で改造・追加して頂ければと思います。

  • GMDIC_CHK_数字チェック.txt
    [対象:和英訳、英和訳] 原稿と訳文の数値を蛍光ペン付けします。半角全角数字、月、漢数字、丸付数字などが対象です。詳細は辞書ファイルを見て下さい。
    私の使い方は、原稿と訳文に「蛍光ペン付け」機能を使ってこのチェック辞書を適用し、横に並べて比較してチェックするという流れです。機械的に照合チェックする手段を持たないので、苦肉の策です(笑)
  • GMDIC_CHK_間違い易い英単語.txt
    [対象:英文] ネイティブが間違いやすい英単語や、タイプミスしてスペルチェッカーで見つからない英単語を登録してチェックしています。単に蛍光ペンが付くだけですが、意識してチェックするようになるので検出力が上がります。
  • GMDIC_CHK_JTF日本語標準スタイルガイド.txt
    [対象:日本文] 言わずと知れたJTFの日本語標準スタイルガイドに沿ったチェックをする為のチェック辞書です。全てを網羅している訳ではありませんし、記述ミスもあるかもしれませんので「参考」として見て下さい。

これらの辞書は、いずれ少しづつ更新していこうと思います。また、みなさんもお作りになった辞書を公開してくれると嬉しいですね。

なお、ワードのワイルドカードの記述については、水野麻子さんの「Wordワイルドカード徹底活用ガイド」が役立ちます。(登録不要版がこちらにもあります)

以上、お役に立つようでしたら、ご利用下さい。


JATセミナー「マクロでWordをチューニング」聴講報告

昨日(2月9日)、日本翻訳者協会(JAT)主催の月例セミナー「マクロでWordをチューニング」を聴講してきました。

講師は Microsoft MVP for Word で、ブログ「みんなのワードマクロ」で有名な新田順也さんです。セミナー内容は以下のような内容でした。

  • Wordのおせっかい機能と賢くつきあう方法
  • ツールバーを自分好みにカスタマイズする
  • WordマクロでWordをチューニングする
  • フリーウェア(無料マクロ)でここまでできる!
  • キーボードからWordマクロを実行
  • Wordマクロの今後の展望

(新田さんのブログ「みんなのワードマクロ」から引用)

セミナーの中で紹介があったマクロ、書籍は以下の通りです。

このセミナーで私が一番印象に残ったのは、「オートコレクト機能を全部オフにする」という点です。セミナーで新田さんは、口頭で明確には言及されませんでしたが、過去の彼のセミナーを聴いた経験から判断して、新田さんが良く仰っている「ワードを自分のコントロール下に置く」という考えに基づくものであると思います。

この考え方は、ワードをツールとして使用する(使用せざるを得ない?)翻訳者にとって、とても重要な考え方だと思います。少なくとも、AutoFormat や AutoCorrect なる「おせっかい機能」が、自分の意志とは全く関係ないところで、自分が行った作業を書き換えている事に、危機感を感じない意識は即刻、正すべきだと思います。

道具(ツール)は、自分が意図した通りの結果を生み出してくれるものが良いツールであり、意図した通りの結果が生まれるようにツールを整備する事が、プロフェッショナルでしょう。Auto機能は機械が「良きに計らって」くれるから〜と鵜呑みにして、その機能の意味も理解しないまま初期設定で使用する事は、あってはならないと思います。「私は正しく入力した筈なのに…」という翻訳事故が発生するかもしれません。決して自動化してくれる機能を否定している訳ではなく、その機能を理解した上で、自分の意志でその機能をオンにしているという意識が大切だと思うのです。

これを機会にワードの AutoFormat, AutoCorrect の機能を見直してみてはどうでしょうか?