外部委託する翻訳者の採用において、履歴書/職務経歴書/CVの提出を受けて書類審査をすると思いますが、それらの書類に記載される「翻訳実績」に関し、複数の翻訳者が同じ内容の翻訳案件を複数件記載しているという状況が見られるそうです。
これは、翻訳実績があるかの如く見せかけるために、実績ではないものを実績として記載している可能性があります。
投稿者: Terry Saito 2件のコメント
外部委託する翻訳者の採用において、履歴書/職務経歴書/CVの提出を受けて書類審査をすると思いますが、それらの書類に記載される「翻訳実績」に関し、複数の翻訳者が同じ内容の翻訳案件を複数件記載しているという状況が見られるそうです。
これは、翻訳実績があるかの如く見せかけるために、実績ではないものを実績として記載している可能性があります。
投稿者: Terry Saito
5月19日(土)に渋谷フォーラム8にて、日本翻訳者協会(JAT)主催のセミナー「翻訳でメシは食えるか」があり、聴講してまいりました。
講師は、特許翻訳の時國滋夫さんと金融翻訳の石川正志さん。
お二人の経歴やプログラムの詳細は、JATのホームページをご参照ください。
今回のセミナーテーマが、果たして翻訳で生計を立てられるのか?…という、職業として基盤となる部分の話であることから、かなり興味を持って参加しました。また、1か月前の前回セミナーの懇談会で、講師をされた石川さんと、このテーマに関して意見交換を行ったこともあり、どのような話をされるのかがとても気になっていました。
セミナーは石川さんと時國さんが交互に話をしていくと言う形で進められました。お二方ともお話が上手で、終始集中して話を伺うことができました。
お二人とも違うアプローチで、「翻訳者がメシを食う」ための策を、翻訳者の視点に立ってお話になりましたが、私は概ね以下のように解釈しました。
高い翻訳品質と深い分野別専門性を構築する努力を日々継続し、それを維持し、自らの翻訳者としての揺るぎない市場価値を確立する。また、その絶え間ない努力と高次元な実力に基づいた理性的な自信をもって、自らの職業価値を高く意識し、その価値に見合った価格で仕事を請ける。一方では謙虚な姿勢で地道な営業活動を行い、自らの価値を正当に理解し、それに見合った報酬で仕事を依頼してくれるお客様を継続的に探す。
そして、徐々に高いレートの仕事へシフトしていき、高い年収を得られる翻訳者となる。
こんな感じではないかと思います。
懇談会で色々な方とお話しする中で、低レート案件を断りつつ、高レート案件にシフトすることに成功した方がいたのを耳にしました。最初はやはりキツかったようです。
私はUstream放送でも何度か言及していますが、市場に存在する顧客には、幾つかのセグメントが存在していると思います。
低レートを要求する顧客と、高いレートで仕事を依頼する顧客の決定的な差は、翻訳の価値に対する理解度や、取扱文書の種類や質への要求度の差からきていると、私は考えています。
低レートな仕事には、そういう意識の顧客しかいないのです。そういう顧客と仕事を継続している限り、低レートに留まり続けるしかないでしょう。
何処かで路線変更し、自分達の仕事を正当に評価する顧客の仕事へシフトしていく、それが大切だと私も思います。
(*) 低レートな顧客セグメントは、いずれ、機械翻訳や安売り飜訳会社で埋め尽くされる筈です。そこに留まる事のリスクは意識しておく必要があると思います。
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以下、セミナーの中でお二人がお話になった内容で、私の記録と記憶に残っているものを羅列致します。一部、配布資料の引用もあります。私の解釈不足で正しく理解されていない部分もあるかもしれませんので、予めご了承ください。(特に、時國さんのお話を資料とメモから脳内で内容を正確に再生できなかったので、かなり割愛しています。)
来場者はどんな人たちか?
最初、会場に問い掛けてアンケートを採られた。(100名以上の来場者あり)
翻訳業界の現状
低価格化、低品質化から、翻訳者の年収が下がっているのではないか?と推測される。
翻訳者の年収はどれくらいなのだろうか?
そう考えると、「これからの人に翻訳を勧められるか?」という点では、言い辛い状況になりつつある。
推定される原因
何故、低価格化、低品質化が起きているんだろう?
景気の低迷、デフレなどが原因で、価格下げを要求されている。しかし、我々(翻訳者・翻訳会社)にも原因があるのではないか?
他の業種の年収は?(士業)…賃金構造基本統計調査(厚生労働省)平成17年~23年の7年間の平均
翻訳と言う仕事は、士業に匹敵するとの考えでの比較。以下は一般的仕事。翻訳者に女性が多いことを考慮して他業種の年収を調査:
(Web情報&求人誌)
*翻訳者は1日8時間、月22日働く前提で計算
これらの仕事と比較して、翻訳者の年収は妥当なのか?
現状に対する対策