6月18日(土)にサンフレア・アカデミーで開催された遠田和子先生の英訳セミナー「翻訳の付加価値を高める」に参加してきました。
事前の翻訳課題が4問出されるのですが、それぞれの課題に対して「翻訳する時に工夫したこと」を記入して提出します。それらを題材に1問づつ、出席者を巻き込みながらポイントを説明しつつ解説されました。問題ごとに席の近い2〜4名で議論するのが面白かったし、結構ためになりました。自分の考えたこと、他の方が考えたこと、先生の考えること、そこから自分に足らなかったことや新しい気づきが得られます。個人的に思ったのは、これ、トライアル翻訳の問題みたい(笑)ということ。
講演の中身は詳しく書けないですが、事前課題には「機械翻訳と差別化するために何をなすべきか?」に類する設問もあった点から考えると、このセミナーの背景には、機械翻訳の進化が進む中で、人間が翻訳することの意味と価値を問いかけ、人間だからこそできる翻訳を目指すためには何を考えて何をしなくてはならないか?を伝えようという思いがあるのだと思いました。
思い返せば、昨年の翻訳祭では「MT Live ~機械翻訳の担うべき役割~」というパネルディスカッションに遠田先生はパネリストとして登壇されて孤軍奮闘されていた(概略は上記リンクを参照)。懇親会で遠田先生が仰っていたが、この時の経験が今回のセミナーを行うきっかけになったそうです。
今回、あれこれと他のイベントも目白押しの中、このセミナーへ出席して本当に良かったと思う。投資したリソース以上の学びと気づきがあった。今まで、どちらのアプローチが正しいだろうかと悩んでいたところがスッキリしたし、少しブレのあった自分の指針がカッチリ定まった気がします。
何か行き詰まりを自分の翻訳に感じている方、このセミナーを受講されると良いと思いますよ。