翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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仕事替え

翻訳者仲間と1年以上ぶりに会った。ひとりは5年以上ぶりだった。

近況を聞くと、翻訳をやめた人、やめようとしている人、少し仕事の形が変わったものの続けている人、とさまざまだった。

仕事替えをした人の主たる理由は、単価が下落し(その割に指示が多く)割に合わなくなってきたからというもの(映像翻訳)。もしくは単価が下がり、生活維持が困難になってきたため(ビジネス系翻訳)だった。(それぞれ別業種の勤め人になったそうだ)

また、翻訳の仕事をやめようとしている人は、産業系翻訳をやっていたが、機械翻訳が入り込んで仕事が減ったため、ゲーム翻訳などへ移行。しかし、最近生成AI導入の気配があり、同様に(本来の翻訳という)仕事を失う可能性が高くなってきたため、見切りを付けて翻訳から完全に手を引くという。

継続している人は、生成AIが下訳した訳文をファクトチェックや修正する仕事に変わったとのことである。

これが現実なんだろう。

AIが翻訳という仕事を奪い、形を変え、価値を下げているのは間違いない。

議論の中で意見が出たけども、AIによって(情報伝達型の)「翻訳という仕事の価値が、一般的な仕事と変わらなくなってきている。」というのは嘘ではないと思う。


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雑談と雑感

久し振りに某翻訳関係者と雑談。使うべきはNMTじゃなく生成AIだよねという話で落ち着く。ツールとしての使いみちを考えたら、当然そうなる。

話を聞けば、翻訳会社が集まる某会議で生成AIのデモが行われ、関係者から口々に「我々の仕事が無くなる」というコメントが出たらしい。

まぁ、そうなるよね。

以前は「NMT+言語人材」という組合せで企業内の翻訳業務が奪われていたけど、いまは「生成AI+言語人材」という組合せで、さらに広範囲の文書が対象になってきている。生成AIを手懐けた人材がいれば、多くの翻訳業務が社内処理されることになるでしょう。(つまり外注されることはない)

取扱金額という視点でみると、大きな翻訳市場がAIにどんどん奪われているということなのだと思う。