翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


いきさつ

あまり外に対して書くことではないのだか、個人的な都合(いきさつ)を書いてみようと思います。

JTF理事を2022年に退任した理由は、実は家庭の事情によるものでした。故郷でひとり暮らしをしていた80代半ばの母親が癌を患い、手術をしたもののすべては取りきれず、薬事療法を続けながら共存していくという状況にありました。簡単にいえば、寿命が先か病気が先かという状態でした。症状と状況を見ながら看護・介護などの対応をしていくわけですが、事態によっては私自身が勤めを辞めて故郷に帰り、対応することも視野に入れていました。

そういう状況だったため、今まで業界活動に投入していたリソースをすべて母親に差し向けようと考えていました。例えば、理事会出席のために使っていた有給休暇もすべて帰省のために使い、可能な限り頻繁に母親の様子を見にいこうとしていました。理事継続の意思はあったもののそんな状況であったことと、ちょうど定年を迎えた年でもあったので、区切りが良いと判断し、退任を決断したのでした。

母の症状は思ったほど早くは進行せず、幸運にも施設に入ることができたのですが、寿命尽きて昨年永眠いたしました。

では、業界活動再開を、という頭にはなりませんでした。MTの普及影響で本業の翻訳事業が撤退したこと、同様にMT影響によってフリーランス翻訳者としての稼働率低下が重なり、もはや業界のトレンドを正しく認識できる状況にないと判断したため、ツール開発だけは続けるが、完全に業界活動から離れようと考えていました。

そこにJTF監事のお話が舞い込んできたわけです。上記のような状況なので理事だったら多分断ったと思う。監事は運営の監視役であり、ある意味、マネジメントを知っていれば対応できる。ならば本業の経験が活かせる、理事の経験が活かせる。そして間接的に業界へ貢献できる。そう考えたので、快諾したのでした。

いろいろなことがタイミング良く訪れる。これはひとえに、私に関わってくださっている皆さんのおかげです。本当に感謝いたします。とりあえず、できるところまで続けていきますよ。


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日本翻訳連盟の監事に就任いたしました

本日、6月8日に開催された日本翻訳連盟 社員総会にて選任いただき、監事に就任いたしました。

2022年に理事を退任して以来、4年振りにJTFと関わります。監事は理事とは大きく立場が違い、定款の第22条に記されているとおりで、理事会や会長が適切に法人を運営しているかを、独立した立場で監査する役員になります。

縁の下の力持ち的な立場で、サポートしていけたらと考えています。

今後とも、日本翻訳連盟をよろしくお願いいたします。


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仕事替え

翻訳者仲間と1年以上ぶりに会った。ひとりは5年以上ぶりだった。

近況を聞くと、翻訳をやめた人、やめようとしている人、少し仕事の形が変わったものの続けている人、とさまざまだった。

仕事替えをした人の主たる理由は、単価が下落し(その割に指示が多く)割に合わなくなってきたからというもの(映像翻訳)。もしくは単価が下がり、生活維持が困難になってきたため(ビジネス系翻訳)だった。(それぞれ別業種の勤め人になったそうだ)

また、翻訳の仕事をやめようとしている人は、産業系翻訳をやっていたが、機械翻訳が入り込んで仕事が減ったため、ゲーム翻訳などへ移行。しかし、最近生成AI導入の気配があり、同様に(本来の翻訳という)仕事を失う可能性が高くなってきたため、見切りを付けて翻訳から完全に手を引くという。

継続している人は、生成AIが下訳した訳文をファクトチェックや修正する仕事に変わったとのことである。

これが現実なんだろう。

AIが翻訳という仕事を奪い、形を変え、価値を下げているのは間違いない。

議論の中で意見が出たけども、AIによって(情報伝達型の)「翻訳という仕事の価値が、一般的な仕事と変わらなくなってきている。」というのは嘘ではないと思う。


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雑談と雑感

久し振りに某翻訳関係者と雑談。使うべきはNMTじゃなく生成AIだよねという話で落ち着く。ツールとしての使いみちを考えたら、当然そうなる。

話を聞けば、翻訳会社が集まる某会議で生成AIのデモが行われ、関係者から口々に「我々の仕事が無くなる」というコメントが出たらしい。

まぁ、そうなるよね。

以前は「NMT+言語人材」という組合せで企業内の翻訳業務が奪われていたけど、いまは「生成AI+言語人材」という組合せで、さらに広範囲の文書が対象になってきている。生成AIを手懐けた人材がいれば、多くの翻訳業務が社内処理されることになるでしょう。(つまり外注されることはない)

取扱金額という視点でみると、大きな翻訳市場がAIにどんどん奪われているということなのだと思う。


#JTF業界実態調査 にご協力を

一般社団法人 日本翻訳連盟(JTF)が、第7回の「翻訳・通訳業界の実態調査」を行っています。

前回調査まで業界調査委員会の活動に関わっておりましたが、活動を通じて感じたのは、当業界調査が、翻訳業界・通訳業界で唯一の業界団体による調査であること、そしてその調査結果である「翻訳通訳白書」が業界の実態と変化を知るうえで有益な情報源になっているということです。

(以前からそうですが)アンケートに協力すると、希望者には無料で調査結果がいただけます。私の場合、エージェントの立場で事業戦略を立てるうえで業界の実態を知りたいことがありますし、翻訳者の立場で業界の単価実態や分野傾向を知ることで、この先の仕事の戦略立てに役立てられるので、必ず入手するようにしています。

以下のURLより「翻訳・通訳業界の実態調査アンケート」にご協力いただけますとありがたいです。

翻訳・通訳業界の実態調査アンケート