翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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道具に溺れるクライアント

およそ一年前、あるソースクライアントが翻訳支援ソフトを導入し、それに追従して(せざるを得ず)、弊社も同じソフトを導入した。

以来、このクライアントから依頼される多くの案件が、翻訳支援ソフトによるものとなった。

しかし、彼らの依頼案件を見ていて、私は常に大きな疑問を感じている。

盲目に使い過ぎてはいまいか?

概ねマニュアル類への適用は私も納得するのだが、同じ翻訳メモリを使ってプレゼン資料まで依頼してくる。何もかも同じ翻訳メモリ??

もう、絶望的に気に入らない訳文がプレゼン資料に並ぶ訳だが、本当にこんなものでいいのか?と心配になる。

タイトルがだらだら長い文章。全てがだらだら長い文章。プレゼン資料として有り得ない。

中には意味が不明な訳文も出るので、申し送りと推奨訳をつけて納めても、「弊社のxx会議で決めた用語なので」とそのままにされる。

翻訳支援ソフトの使い方を間違えてる例。

道具を盲目に信じてはいけない。目的と特性を良く理解して使うべき。

そう言う強い信念なくして使う事は、色々なリスクを生む事になる。

自戒の念を込めて。


4件のコメント

100%マッチはマッチしてない

翻訳支援ソフトを使っていると、マッチ率100%のものが、自動でどんどんと訳文に置き換えられて行く様は、壮観で一種、気持ち良ささえ感じる。

そう思います?

取り扱う文書の種類によるのは勿論ですが、私は怖くて仕方ありません。

言葉をデータとして照合してマッチしてる…だけであって、コンテキストがマッチしてるかどうかは分からない。
(なので100%マッチでも確定させない設定などを意識的にしてみる)

意識面で言えば、盲目的に信じるのではなく、常に疑いを持つと言う事が大切。

得てしてツールと言うものは、使っているうちに目的を見失い、ツールを使う事を目的にしてしまいがち。

「100%だからノーチェックでOK」なんて間違っても考えてはいけないと思います。(勿論扱う文書によります)

今一度、自分の意識を正す意味で書いてみました。


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初心者は翻訳支援ソフトに手を出すな

道具は使い方を間違えれば凶器になる…これは翻訳支援ソフトにも当てはまると最近つくづく思う。

翻訳支援ソフトを使った翻訳は、各文章にブツ切りにされ、表の中で翻訳を進めて行くようなイメージになる。

この時の人間の脳内のイメージは、文書ではなく文章が強く意識される。

文節単位と言う見通しの悪さが、そういう意識に落とし込む。まさに、「木を見て森を見ず」の状態。

百戦錬磨の翻訳者であれば、既に翻訳品質に対する考え方もしっかりとしており、色々な策を講じて、文書としての翻訳品質を確保する工程を追加するだろうが、初心者の方だと、いとも簡単にこの「一行翻訳屋」スパイラルに落ち込んでしまう傾向があるようだ。

前後関係を考えていない。文書全体の流れを把握していない。

そんな状態で翻訳された完成品が、誤訳の山を築くのは目に見えている。翻訳者としての信頼性を大きく傷付け、次の仕事を失うかもしれない。

翻訳支援ソフトを使う意図と目的と方法を明確にし、自分の翻訳作業の一部分に使用するのだと言う明確な意識と、それを自分自身で制御出来る強い意志がない限り、翻訳支援ソフトには手を出さない方がいいと、最近した経験から考えている。

よって、翻訳の

「初心者は翻訳支援ソフトに手を出すな!」

と言っておきたい。