あるデザイン会社の代表の方が「価格が安ければ安い仕事ほどクライアントは口うるさくなる」という趣旨のツイートをされていました。
凄く共感をもってそのツイートを読んだのですが、価格というのは購買層を決定する大きなファクターですから、客層の違いが大きな違いを生んでいるのではないかと思います。いろいろな顧客属性、例えば経済・社会的地位(世帯年収/可処分所得/学齢・職業階層)、経験・知識レベル(利用経験・情報収集能力)、心理特性(自己効力感/権利意識・公平性感度・ハロー効果/損失回避バイアス、購買動機(必需/嗜好/投資)、文化的背景(国・地域・業界慣習)などが複雑に関係しているのでしょう。
「安価なサービスだと口煩い顧客が増える」現象は、私も実体験として感じていますが、一番大きい要因は、低価格サービスでも顧客の「期待水準の下限は下がらない」ことではないかと考えています。「安いから、そこそこの品質」という企業側の理屈は通用しないということなんでしょう。加えて、低価格帯は購入初心者が多く、どこまで期待して良いのかが理解できておらず、主観的価値観や周囲の情報から判断することでクレームにつながることもあるようです。
翻訳のように「期待される質」を明確に数値化・文面化できないサービスですと、顧客側の認識はきっと、価格の高低があっても「期待水準」は変わらないのではないかと想像します。
単純には、面倒な顧客対応を回避したければ、価格を上げると良さそうですが、価格とクレームの関係はU字型になると言われているので、「そこそこの価格帯設定」が一番無難なのかもしれません。