無記名のアンケートです。
フリーランス翻訳者さんと言っても、その立ち位置で力の入れ方が違うもの。それが年収へも繋がっている筈ですので、一概に比較しても意味をなさないかもしれませんが、一般的に翻訳者という職業は、どれくらいの年収を稼ぐのか、知ってみたいと思いませんか?
投稿者: Terry Saito 1件のコメント
投稿者: Terry Saito
翻訳会社・エージェントからの問合せ(特に案件打診)に対して、すぐに返信をする翻訳者が好ましい…とするツイートや、セミナーでの発言があったらしい事を最近耳にした。
これを翻訳者さんが仰っているのなら、私も反応しなかったのですが、仕事を依頼する側の翻訳会社・エージェント側の発言らしいことを知って、少々危険な発言ではないのか?と感じたのです。以下に私の考えをまとめてみます。
少なくとも私は、翻訳会社の立場として考えた時に「すぐに返信をする翻訳者が好ましい」とは微塵も考えていません(そうしてくれるとありがたいとは思うが)。業務上のやりとりは電話やメールを使用する訳ですが、その際に翻訳者さんたちに期待していることは、以下のようなものです。(基本的な前提条件として、社会人として相応しくない言動/行動だとか、返信に数日を要するような方は、最初から仕事の依頼先として入っていない。)
連絡や返信、一連のコミュニケーションは電話や電子メールでやりとりされる訳ですが、フリーランス翻訳者さんにもいろいろな事情を抱えた上で、翻訳の仕事をやって下さっている方がいる訳で、その連絡できる時間帯や状況も人さまざまです。従って、「すぐに返信」ができない翻訳者さんも(うちには)います。例えば、二足の草鞋を穿いた翻訳者さんや、育児の合間に仕事をしている翻訳者さん、介護の合間に翻訳をされている翻訳者さんなどなど、何かしらの事情で時間の制約を受けながらも、翻訳者さんとして活躍されている方ですね。こういう方達に「すぐ」の返信を求めるのは酷なことです。じゃ、彼ら彼女達が翻訳者としてのプロ意識に欠けているのか?というと、全くそんなことはありません。
コンタクト出来る手段と時間帯は、あくまでも翻訳者が抱える1つの特性です。翻訳の取扱分野や翻訳の質、訳の傾向、スピード等々と同様に、翻訳者の特性として捉え、翻訳コーディネーションの中で管理して運用すべき要素の1つでしかないと考えています。
私が言いたいのは、エージェント、翻訳会社の類の立場で、「すぐに返信する翻訳者が好ましい」というスポット的な発言は、暗に「すぐに返信することが当たり前」とか、「そういう人は意識が高い」といった間違った認識を一般に植え付けはしまいか?ということです。業界の優秀な翻訳者さん達のすそ野を広げたい我々エージェントがそのような発言をすれば、直ぐに返信できる環境にない翻訳者さん達はどう考えるのか?そういう方達が業界に入ってこなくならないのか?翻訳会社は自分で自分の首を絞める発言になっていないのか?…と色んな懸念とリスクを感じてしまいます。
少々いやらしい言い方をすれば、上述した通り、レスポンスタイムも翻訳者さんの特性のひとつ。ならば、エージェント自ら、マネージメントが出来ていないことを認めた発言のように捉えられる危険性も秘めていると思うのです。「すぐの返信」が欲しければ、そういう対応が可能な翻訳者をアサインし、即返信していただけるような問合せの仕方と内容で連絡すべきです。私たちのようなエージェント側がこんな発言すると、あたかも自らの怠慢を翻訳者さんに責任転嫁して押しつけているような感じがして、とても気持ちが悪いのです。
さて………実際のところ、この発言の意図は違うところにあるのだと想像します。前提条件をもう少し具体的にハッキリさせた方がよいでしょう。
至急案件への対応で、それを上手く乗り切る為には「すぐに返信をする翻訳者が」ありがたいのだ…と。そういう翻訳者さん[も]欲しいのだ…と。
ここからは翻訳者としての考え方です。
このことから分かると思いますが、翻訳者の立場からものを考えた場合、より多くの仕事をとる上で「すぐに返信をする翻訳者さん」が重宝がられるということを情報として理解し、営業の戦略にすると良いだろう…ということですね。
それから、レスポンスタイムは翻訳者の特性のひとつと捉えていると申し上げました。実際に案件を依頼しようとしたときに、依頼先選定にどう影響してくるのかは、良く想像して考えてみてほしいのです。以前、過去記事の「95%より85%の速い翻訳!?」でも述べましたが、昨今の翻訳案件は日程的に厳しいものが多いのです。そうです。つまり、翻訳者としてレスポンスタイムも1つの付加価値となり得るということです。
オリジナルの発言は、多分、これを意識して発せられたものだと思います。「レスポンスタイムを短くされると、仕事が増える可能性がありますよ~」という意図を持った発言だと解釈します。(決して「短くしろ」といっている訳ではない)
投稿者: Terry Saito
2012年第三弾のUSTREAM放送が、決定しました!
今回は、某翻訳会社で翻訳コーディネーターをされています青木さん(@tksh115119)をゲストに迎え、私を含めた翻訳コーディネーター二人で、「フリーランス翻訳者に求めるもの」についてトークセッションを行いたいと思います。
このトークセッションを企画した背景には、2月11日のIJET23プレイベントの大阪セミナー「第二部:まずは年収500万!~いま、エージェントとの付き合い方を考える~」パネルディスカッション、及び、翌2月12日の高松セミナーの内容に刺激を受けた事にあります。
いつもは私一人の視点による情報発信ですが、今回は別の翻訳会社にお勤めの翻訳コーディネータさんの視点でお話が聞けます。一体、翻訳会社はどういう視点でフリーランス翻訳者さんを見ているか?…役立つ情報が得られるのではないかと思います。
日時:3月25日(日) 21:00~22:00 (1時間を予定)
1時間予定としていますが、いつもの通り、延長ありで放送します。
Twitter を使っての質問、コメントには以下のハッシュタグをお使い下さい。
ハッシュタグ: #usterry
URL: http://j.mp/vEu3jh
投稿者: Terry Saito
トークショー「映画と字幕とあの頃」
2月23日 18:30-20:00
三省堂書店神保町本店にて。
字幕翻訳の世界の重鎮、戸田奈津子さん、石田泰子さん、菊地浩司さんの三名のトークショーを聞いてきました。
正直言って、翻訳の話より映画の話が主になってしまうのだろうと、あまり期待せずに参加したのですが、字幕翻訳の話を深くしてくれたお陰で、なかなか楽しめるトークショーでした。
初めに石田さんの方から、映画翻訳家協会について説明がありました。私は、そういう協会の存在を初めて知りました。1984年に設立されたそうで、会員は20名ほどだそうです。新しい翻訳者を育成する等の活動はされていない。そういう余裕がないと戸田さんが仰っていました。
その後、お三方の「あの頃」の話がされましたが、映画周辺の話だったので割愛します。
以下、記憶に残っている話を羅列します。
この話、結構、刺激的。この行動力は見習うべきだと思う。
なんと、ミニミニ字幕講座をやって下さいました。
ミニミニ字幕講座
(1) Tell Koji-san that I will go to California next week.
米国人なら2秒程度で話してしまう。つまり、1秒4文字の原則に従えば、8文字以内の字幕にする必要がある。
直訳) 私は来週カリフォルニアへ行くとこうじさんへ伝えて(24文字)
これを8文字へ落とし込まないといけない。そこで考えられるのは以下の4つ。
誰に伝えて欲しいのか、何処へ行こうとしているのか、いつ行こうとしているのか、行く事を伝えて欲しいのか・・・。一本の映画の中で、ここで何を伝えようとしているのかを考えて、訳を決める。直訳で全て入れば良いが8文字という制限があるので、一番重要な要素は何かを考えて、その要素を抽出して字幕にはめる。
(2) Toda-san accused her superior of sexual harassment.
米国人なら2秒程度で話す。なので8文字以内
直訳) とださんは 彼女の上司をセクハラで訴えた(19文字)
最初の問題と同じアプローチ。
(3) He knows what he is doing.
米国人は1秒で言ってしまう。なので4文字。
直訳)彼は自分のしていることを分かってる(17文字)
自分のしている事が分かってると言うのは、自分に自信があるという事で、そのニュアンスを伝えたいセリフなので、
戸田さんから出題:
Less is more
直訳)より少ない方がより良い
もっとはっきりした言葉で意訳をしたい。過ぎたるは及ばざるが如し?
会場へ質問を投げかけて、会場から得られた回答。
名訳と言われるが、こういうものが難しい。名セリフは訳すと良い訳になるもので、名訳ではない。「足るを知れ」のような名訳は、どんなに苦労しても誰も理解してくれない。気付いてくれない。
映画業界のこれから
ここの話は、業界を問わずなんだなと痛い思いをしながら話を伺っていました。読み手が分からないからと本来の日本語が使えないという日本語の破壊もしかり、顧客の為にと高い品質を保とうとしている翻訳の質への理解不足とその破壊もしかり。言葉と言うものがコストと効率で破壊されてきている現状は、映像翻訳の世界でも進行しているのだというのが驚きでした。
産業翻訳で置き換えると、どうしても機械翻訳が頭をよぎってしまいます。需要があるのであれば、MT(+PE)でもありだろうと考えていましたが、言葉の破壊という点から考えると、実はとんでもない間違いなのではないかとも思いました。そういう質を許すと言う事は、それを定着させるという事と同じです。この部分のトークは、とても考えさせられる内容で、私はとんでもない勘違いをしているかもしれないと思い始めました。もう少し熟考したいと思っています。
以上、私の記憶に残っているところを、話の筋に関係なく書き連ねました。お役に立てば、幸いです。
投稿者: Terry Saito
今日のネタは、サラリーマン向け。
どんな仕事でも同じだと思うが、サラリーマンたるもの、仕事をしていると、上司や関係者へ仕事の進捗や問題点などを報告したり、説明する機会が多くあるもの。
良く見掛けるのは、その報告のためにわざわざ毎回、資料を作っている人。この資料作成の時間は馬鹿になりません。
この資料作成の時間に、一体、何をやっているのでしょうか?
頭の整理?、情報のとりまとめ?、それって情報の転記作業をやっているだけではないの?、どこから情報を持ってきてる?、メール?ノート?
どちらにしても、報告のために資料準備する作業自体は、とても無駄な作業が多いのです。
どんな仕事をしていても、情報をノートに取ったり、記録すると思いますが、最初から報告できる形でノート/記録を取れば、わざわざ資料を別に準備する時間が節約できる筈ですよね。
ですから、発想を変えて、最初から報告資料を作るつもりでノートをつける、もしくは記録をする癖をつけましょう。そういうやり方をすると、物事をまとめる能力も要求されるので、一石二鳥です。
まだ、ワープロがそれほど普及してない時代は、手書きで報告等を書いていましたが、その当時の上司に言われた方法は、「ノートを取るときに報告書を書くように書いてしまえ」というやり方でした。報告が必要になったら、そのノートをコピーして上司に渡して説明すれば、報告できる訳です。
報告する内容というのは、まとめる作業は既にされているという前提に立つと、実は、その報告のタイミング毎に過去情報からの進捗情報を整理して盛り込むだけという場合が多いですので、そのアップデート情報を上手く古い報告資料に盛り込めれば、そのまま報告書として使える事になります。
現代は、コンピュータを使った記録が主流で、変更も容易です。何か自分なりの報告フォームを作っておき、そこに常にノートを書いたり、記録を取り、情報をアップデートするようにすれば、報告の必要な時はそれをそのまま利用する事が出来ます。
私が実際にやった方法は、報告にプレゼン資料を使う事が多い職場だったので、パワーポイントに必要な項目を羅列して、そこに業務進捗等の情報を逐次メモするようにしていました。勿論、案件ごとにファイルを分けて管理していました。
報告が必要になったら、その資料を印刷してしまえば報告資料になります。
仕事の意識を変えるという意味でも有効な手段ですから、自分なりの方法を編み出して、試してみては如何でしょうか?