昨日、日本翻訳連盟の基調講演に行ってきました。
今回の講演内容は、JTFが五年振りに行った業界調査「第4回翻訳業界調査」に基づいた分析結果「翻訳白書」の内容説明で、非常に興味を持って参加しました。
具体的な調査内容は「翻訳白書」として、JTFのホームページから、非会員でも購入できますので、興味のある方は入手してください。
基調講演で、私が一番印象に残ったのは、調査データから独自解析を行い紹介いただいた井口耕二さんのお話です。翻訳白書に載ってない解析データだったので、とても興味深かったです。
翻訳者の労働時間と収入の関係、翻訳単価と収入の関係、翻訳速度と収入の関係、どれも興味深い。(データを欲しいけど頂けないだろうなぁ…)
単価が高ければ、速度が速ければ、やはり、高額所得者層側へシフトしていく傾向が見られる(当たり前と言えば当たり前ですが、データでしっかり裏付けされた)。
印象的だったデータは、単価と年間所得額の相関等高図グラフ(だったと思う)。年間所得額の山が単価の上昇と共に上昇するものの、ある時点から頭打ちとなり、そして、ある単価以上でポンと高くなるようなグラフだった。これは、市場構造として、価格競争帯域の先に、翻訳の品質重視でそれにあった対価を支払うセグメントがあると言う事を示しているようで、とても興味深かった。
データは、分析して初めて価値を生むので、今後もJTFが、法人的視点と個人翻訳者としての視点と両方で、同様なデータ分析を行って公開してくれると嬉しい。