翻訳関係者の方は「何をいまさら当たり前のことを」と仰ることでしょう。過去記事を探してみたら書いていないようなので、記事にしておきます。
「TOEIC XXX以上の翻訳者を…云々」を翻訳品質の高さの代名詞に使っている翻訳サービスを見掛けるたびに、「それ?相関取ってないだろ?」とツッコミを入れています。ただ、一般の人には「TOEIC=語学力=翻訳の質の良さ」という大きな誤解があるので、そう捉えられるのを狙っての宣伝文句ですよね。
昔、社内翻訳者を束ねていた頃、新規採用に応募してくる翻訳者のTOEICスコアとトライアル翻訳評価の相関データを採ったことがあります。サンプル数は25名程度だったと思いますが、それでも相関関係は充分に判断できるデータでした。そのデータから(当時)判断したことは以下の通り。
- TOEIC 760以上は、TOEICスコアと翻訳の質に相関関係は無い。
散布図にするとはっきりと分かるのですが、全く相関が見えません。それ以降、TOEICスコアはまったく重要視しなくなりました。
翻訳を発注するクライアント企業の方は、この点を知っておいて欲しいものです。