翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.

2017年を振り返る

早いもので2017年も暮れようとしていますね。思い返してみると、今年は自己コントロールが思うにならない年だったような気がします。追い立てられるように走らされた、そんな年でした。さて、今年を振り返ってみましょう。

翻訳品質保証体系と翻訳チェック、そしてWildLight

私の一年を1文でまとめると、こんな感じになるかな。本業では、昨年より明らかに翻訳に関わる機会が増え、翻訳、翻訳チェックなどの実務に携わることができました。また、以前から考えていた翻訳品質保証体系を構築する上でのひとつの方法をまとめることができたのは大きな成果です(翻訳祭のミニ講演でお話ししたものが、その断片です。)

一方、業界活動はかなり慌ただしかったというのが正直な感想です。勤めをしながらですから自由になる時間には限りがあります。有給休暇を取得して対応するなど、自己リソースの負担がかなり必要になりますが、なんとかやり繰りしながら一年を駆け抜けてきました。

まず、JTFでは広報委員、業界調査委員、翻訳祭企画実行委員を担当していますが、今年、業界調査を実施しました。前回より多くの皆さんにご協力いただきました。ありがとうございました。来年「翻訳白書」として公開される予定です。そして年に一度の一大イベント「翻訳祭」では、昨年に引き続き企画運営を担当いたしました。昨年とあまり変わらない参加者数だったようで、会場の制限の中で、昨年の反省を踏まえた運営を行ったことで混雑がある程度緩和できたのではないかと思います。来年は京都開催ということで、会場も変わり、余裕ある運営がされることでしょう。

さて、セミナー関連ですが、記録を見返して驚きました。なんと、11回?内訳は翻訳チェック6回、WildLight関連4回、ワイルドカード1回という結果でした。なるほど、これでは「追い立てられる感じ」は嘘ではなかったですね。翻訳チェックについては昨年の翻訳祭以降、これほど反響があるとは想像していませんでした。来年も継続して取り扱っていくテーマになりそうです。また、WildLightについても、じわじわとユーザーが増えているようで、セミナーの要望が増えていますので、来年も可能な限りセミナーの機会を増やしたいところです。

今年はNeural MTの登場で、翻訳業界のあちこちで機械翻訳の話題を耳にしました。ビジネスとしての立ち位置、翻訳としての立ち位置、それぞれの立ち位置と思惑でさまざまな情報が氾濫していて、それがさらに悩みを深めている感じを受けています。来年はその辺りの情報整理などを含め、情報発信が必要になってくるのだろうと想像しています。

最後に今年のまとめとして、今年の翻訳祭テーマについて少しお話ししておきます。今年の翻訳祭テーマは「きわめよう、それぞれの道~つなげよう、言葉の世界」でしたね。このテーマを決定するまでの議論の中で、前半部分の「きわめよう、それぞれの道」は、私の提案を採用してくれました。この部分は、私が日頃から考えている次のような思いから提案しました。

業界団体の行うイベントなので、少し俯瞰的に物事を見たいのですが、クライアント企業、翻訳会社、翻訳者、翻訳学校、企業内翻訳者、いろんな立場があり、それぞれが翻訳・通訳をプロの矜恃を持ってそれぞれの仕事を「きわめた」とき、例えば日頃翻訳者が不満を口にしているような取引の問題などなくなるのではないかと思っています。よく言う話に、お互いがプロとして、言うべきことを言って仕事をすれば、高い信頼関係を築ける。そしてWin-Winの関係を築ける。「きわめた」先にはそういうものがあると考えています。業界、それぞれの立場で右往左往している感じに見えています。そういうものを整流する・・・そんな思いも含まれています。(原文まま)

何事も理念は大切です。私の思い描く理想的業界は、このようなイメージなのです。これに近づけられるよう、来年も頑張っていきたいと思います。

今年一年いろいろとお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

作成者: Terry Saito

某社翻訳部門の中の人です。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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