JTF翻訳祭@京都が無事に終わったようですね。実行委員会の皆さま、お疲れさまでした。
今年は参加できなかったので、SNSで流れてくるであろう実況を楽しみにしていたのですが、あらあら、ほとんど情報が流れてこない。SNSを比較的利用しているであろう個人翻訳者にとって、面白いセッションが少なかったのかな?などと思いつつ、ツイートを遡っていたら、機械翻訳の話題が目に飛び込んできました。
カンサンのこのツイートを読んで「はて?これはポストエディットを表現しているのか? 誰の発言なんだろう? 言い方を間違えているなぁ」と思いましたね。
この件、カンサンが御自身のブログに記事を書かれています。
これ、完全に順序を間違えています。クライアントが必要とする翻訳が「とんこつラーメン」なのであれば、翻訳仕様で定義される要求品質は「とんこつラーメン」であり、最初から「とんこつラーメン」を作るはずです。なのに、機械翻訳はそのような能力がなく「醤油ラーメン」を作ってしまうので、仕方ないから人間の手であれこれ細工をして「とんこつラーメン」(風?)に作り直すのです。それをポストエディットだと考えているのです~というのが、発言者の発言意図の表現としては正しいのかもしれませんね。
でももし、機械翻訳の出力が「醤油ラーメン」と「とんこつラーメン」ほど大きな隔たりを生むと考えているなら、品質保証的観点で考えれば、私は機械翻訳を翻訳手段として絶対に選択しないでしょう。きっと、発言者はPEでなんとかなると考えているのでしょうから、もはや違う商品と言っていいこの2種類のラーメンで例えたのは、適切では無かったのではないでしょうか。むしろ、カンサンがブログに書かれているように、味が合ってないから胡椒を足しました、メンマを入れました、チャーシューを抜きました、なるとを抜きました、といったような例えの方が、まだ分かりやすかったかもしれません。(それでもまだ表現し切れていないですが)
もうひとつ引っ掛かったのは、この一文。
チェッカーはこれから仕事なくなるから、ポストエディットやったらいい発言もあり。
効率追求の間違った形がこれです。他の仕事も同じですが、言い方を変えると、それぞれの目的と機能をちゃんと理解していない(定義づけていない)と、こんな発想が生まれてしまうのです。一体、ポストエディットした結果をどう品質保証するつもりなのか?と疑問が残ります。
なかなか突っ込みどころ満載な楽しいセッションだったようで、現場で参加できなかった自分を残念に思います。