翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


【告知】翻訳勉強会「十人十色」USTREAM放送

翻訳勉強会「十人十色」の勉強会模様をUSTREAM放送致します。

日時:10月26日(金) 13:30頃〜

USTREAMチャンネル:翻訳勉強会「十人十色」


Streaming live video by Ustream

@hinischani さんからの告知:

今回はITを中心とするベテラン翻訳者とワードマクロの達人のコラボとなります。自分の翻訳方法を公開してお互いに学び合う会です。当日はツイッターやfbからご質問等よろしくおねがいします。今回は「IT海千山千編」で@karamora @SusiePiyoko @nittajunya @terrysaito @transcreative @baldhatter @Yoshi09002 @sagtran が参加します。

PC上での操作がメインとなると思われますが、USTREAM放送の性質上、あまり詳細な画面は識別出来ないと思います。それを予めご了承下さい。雰囲気と音声で想像しながら(笑)ご覧下さると嬉しいです。


円切り単価とは縁切り

先日、翻訳業界の長いお二人の重鎮(笑)と夕食がてら雑談をしていて、「翻訳単価に小数点を使ったものを殆ど知らない」という話しを耳にしました。

原稿の文字数・ワード数で翻訳料を支払う「原稿分量式」。業界調査によれば、翻訳会社の半数以上が既に移行し、今後さらに移行が進んで行くだろうと推測されます。この「原稿分量式」へ移行する上で、単価体系にかなり悩み、結果、小数点第一位を持った単価方式にしました。

市場の翻訳会社のレート体系を調査したり、私の知る翻訳会社経営者や翻訳会社関係者、それに個人翻訳者さん達にインタビューして、単価に小数点を持ったものが殆どないという事実を知っていましたが、それでも小数点を持った単価方式を採用するに至った理由を以下に述べたいと思います。

まず、結論からいうと以下の3点が、その判断の主な理由です。

  1. 1円単位の刻みでは、粗利の振れ幅が大きくなり過ぎる。
  2. それにより、計画された粗利を確保するために、翻訳者のレートが大きく切り下げられる可能性が高くなる。
  3. 将来的に消費税率が変化した場合、1円刻みの単価では対応が難しい。(内税の場合)

これらを回避するためには、小数点を持った単価体系が必要なのです。

【設定レートの面から見てみる】

以下に例を挙げてみます。あくまでも「例」ですので、想定した数字や率に目が釘付けにならないで下さい(笑)

仮に翻訳者さんの単価を、日英翻訳で文字単価9円だとしましょう。そしてエージェントの販売価格を18円とします。つまり、エージェントの粗利を50%で想定します。

では、ここで翻訳者さんの単価を、9円から10円にアップする事を検討したとします。

単価を10円にするという意味は…

  • 仕入れが 11%のアップ
  • 粗利率は、50.0%から44.4%へダウン

という事になり、実に粗利率へのインパクトは、5.6%にもなります。

この「1円刻み単価」では、仮にそのエージェントが粗利率45%以下は認めないなんて社内基準があるとすれば、単価10円のところを9円で抑え込まれる事になる訳です(実際はこんなに四角四面な運用ではない筈ですが、理解し易いようにそう仮定します)。この1円の差は、翻訳者さんの受け取る報酬で見ると、10,000文字の案件であれば、10,000円の収入の差になるわけですから無視できません。

私が一番問題だと考えたのは、翻訳者へ利益を正当に還元する事が不可能になるという点で、故に「1円刻み」単価ではダメだと考えました。もっと細かく刻んだ単価設定ならば、経営的に許される最大値まで単価を上げられるのに、1円刻みではバッサリと切るしかなくなってしまう。

仮に小数点単価にした場合、上の例でいえば、単価 9.9円でレート設定される可能性があるという事です。

【消費税率の取扱いの点から見てみる】

世間では内税式の単価が多いように聞きました。この意味はご存知の通り、以下の通りです。前出の例を基に説明します。(消費税等の部分は切り下げで計算しています)

  • 設定されている単価(含む消費税等) = 9円  その内訳は…
  • 税抜き単価 8.6円 + 消費税等分(5%) 0.4円 = 9円

この段階で、既に小数点を持たないと計算が成り立たない点から考えても分かる通り、(特に内税式の場合)小数点を含む単価設定にしないと、システムとして破綻するということが分かると思います。

消費税率は今後、上昇する訳ですが、例えば8%、10%になった場合、現状設定されている単価がどう変化して行くのかを以下のとおり示してみました。

  • 税抜き単価 8.6円 + 消費税等分(8%) 0.6円 = 9.2円
  • 税抜き単価 8.6円 + 消費税等分(10%) 0.8円 = 9.4円

報酬単価が上がらない前提で話をすれば、消費税率が変わる段階で、小数点単価体系に移行しないと対応ができなくなるという事です。ここでのポイントは、消費税率変更に伴って、税金分の支払いが増えるのだという事つまり、内税単価の場合、単価が上がるのだということを理解しておいてください。

【翻訳者として交渉の材料につかうべし】

  • 1円単位での単価上げ交渉は、エージェント側への経営的インパクトが大きいので、コンマ1円単位での交渉を試みてみる。エージェント側のシステムが対応できるようなら、単価上げを獲得出来るかもしれない。
  • 将来予定される消費税率変更に対応して、小数点単価体系に対応できるエージェントが増えくると想像するので、この交渉手段は使える可能性が高くなるかもしれません。

【消費税率引上げ時に注意して欲しいこと】

それは、単価が内税で設定されているのであれば、上記の通り、単価が税率に伴って設定し直されるということです。

もし、そのエージェントが、消費税率が変わったのに同じ単価で支払いをしてくるような事があれば、それは単価を引き下げているのと同じ意味ですので、徹底的に交渉する必要があります。「いやぁ、うちのシステムが対応してなくて、いまのままで…」なんて不条理な言い訳をしてくるエージェントには、「(そういう事態になる事は万人が予測出来たのに)システム対応をしていないのは企業側の不手際であり、翻訳者側の報酬を減額される理由にはなり得ない」という点を、しっかりと理解した上で交渉して欲しいと思います。対応してないなら、円単位で切り上げろ!という事です。上記の例なら9円から10円にしろ!という事です。

「変化」は得てしてマイナスイメージが伴いますが、「変化」こそチャンスです。論理武装をしっかりして単価上げの材料に使うくらいの意志を持って勉強し、取り組みましょう。


ロジカルシンキング入門を受講してきました。


10月7日に開催された翻訳勉強会「十人十色」主催の第一回セミナー「明日から使えるロジカルシンキング入門」を受講してきました。以前から、豊田憲子先生のロジカルシンキングのセミナーを受けたいと思っていたので、ワークショップを含めて楽しめました。

セミナー内容は Ustream 放送で録画公開されていますので、そちらを参考にして下さい。考え方の概略が理解出来ると思います。

【Ustream録画】翻訳勉強会「十人十色」 明日から使えるロジカルシンキング入門

【参考】配布された資料


機密情報をばら撒くエージェント

先日、翻訳者さん達と話をしていて、恐ろしい話を聞いた。

ある翻訳エージェントが翻訳してくれる翻訳者を探すために、全ての登録翻訳者へ一斉メールにて原稿を送りつけてくると言うのだ。しかも、ファイルはパスワードが掛かっている訳でも無く、簡単に内容を閲覧出来てしまうらしい。

基本的に、情報のコピーは極力増やさず、必ずパスワードを掛けるなどの対応をするのが常識的対応だと思うのだが…。

想像してみて欲しい。1つしか存在しなかった情報ファイルが、メール一斉送信により大量のコピーがばら撒かれる事になる。いくら守秘義務契約を取り交わしているとは言え、わざわざ漏洩し易い環境を作っているようなもの。何かの取扱いミスで何処かに流失するかもしれない…そう言うリスクを増大させている。問題になったら訴えればいいとか、そう言う次元の問題とは全然違うと思うのだが。

こういう機密情報の取扱い方を見れば、そのエージェントの情報に対する意識と考え方が垣間見ることができると思う。更には個人情報の取り扱いがどうなっているのかと言う心配が浮上してきても、それは当然だと思う。翻訳者さん達の個人情報が、どう取り扱われているのか? 気軽にメール添付されて、あちこちに配布されているかもしれない。

他の翻訳エージェントに関する話では、メールのCCに打診する翻訳者さん達のメルアドを入れて送信してきたとか。CCに翻訳者さん達のメルアドがタダ漏れ状態になっている訳だ。

こう言うエージェントには、猛烈に抗議した方がいいと思う。

こんな情報セキュリティー意識の低い翻訳会社に、翻訳を依頼している企業は恐ろしくて仕方ないはず。値段ばかりに気を取られていないで、こういう運用面の安心も評価して貰いたいものだ。


[洒落] 翻訳依頼のべからず集

Twitterに洒落で「翻訳依頼のべからず集」を書き込んだので、こちらにまとめておきます。

こんな事をすると翻訳の値段が嵩み、質へ影響する…と言う項目を上げたつもりです。

まぁ、冗談話として流して下さいませ。

1. 不要な部分まで翻訳依頼するべからず
1. 一頁に文字を詰め込み過ぎるべからず
1. エクセルやパワーポイントを極力使うべからず
1. 原稿が最終版でないのに翻訳依頼するべからず
1. 旧版との比較作業を依頼するべからず
1. 細かいスタイルを指示するべからず
1. 自分の語学力で翻訳文を間違いと判断するべからず
1. 原稿渡せば翻訳出来ると思うべからず
1. 翻訳が短時間に簡単に出来ると思うべからず
1. 貴方達の内部用語まで正しく翻訳されると思うべからず
1. 翻訳途中までを分納出来ると思うべからず
1. 翻訳者増やせば納期短縮出来ると思うべからず
1. 料金上乗せすれば納期短縮出来ると思うべからず
1. 原稿原文が間違っているものを正しく翻訳されると思うべからず
1. 原稿を紙で送ってくるべからず
1. 言葉が出来る程度の人間が翻訳していると勘違いするべからず