翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


【過去ログ】日本語の出来ない日本人

私の過去のブログから:

2009/2/6

翻訳者の方々の日本語読解能力には頭の下がる思いです。

そもそもが原稿の日本語文章が、とても理解できる代物でない事が多いですね。

自己の責任回避を意識して、直接的表現は避け回りくどい言い方になっていたり、文字間や行間を想像力と知識を駆使しながら補完して理解を試みても、意図が明確にならないものだったり…。意味を理解したつもりで意訳すれば、間違ったときのブレが大きくなり痛手が大きい。そうすると直訳的な訳に終始する事になり、日本語と同じ分けのわからぬ訳文になってしまう。

最近、前任者から引き継ぎ、私が英訳を担当している案件の日本語には毎回悩まされる。海外企業とやりとりする電子メールの本文の英訳なのだが、本当にわけわかめ…なのだ。

「現在、弊社ではAAAという製品を製造しています。…かくかくしかじか…よって、現在、弊社ではAAAという製品を製造していません。」

Σ( ̄□ ̄;)えっ?

どっちなのよ?

「現在」は製造してんの?してないの?

ε=( ̄。 ̄ )

ヘ(´Д`)ヘ ヤレヤレ

きっと最初の「現在」が不要なんでしょうね。それに「製品を製造しています」は、「製品を持っています」の意味なのでしょう。真逆な情報を「現在」という同じ時間軸で言っている…書いた人は日本人?と疑いたくなります(笑)。経験的に、論理性の低い文章を書く人に営業畑の人が多いと思っていますが、この方も営業の方。ある意味、くち八丁で切り抜ける事を要求される仕事なのかもしれないので、前後関係の論理的繋がりよりも、空間を埋める為の言葉の羅列が大切で、その感覚から、意味不明な文章が多くなってしまうのかもしれませんね。

難解な日本語に対するアプローチも、翻訳者でまちまちです。文章の論理的間違いをズバリと指摘して下さる方や、コンテキストの理解の為に質問してくる方、はたまた、やっつけで直訳してくる方(笑)。納期までの時間的余裕度にもよりますが、当然、質としては前者の方がいいですし、訳者に対する信頼感が上がります。

原稿の日本語の質も永遠のテーマですねぇ


【過去ログ】エセ翻訳者

私の昔のブログから:

2009/1/20

最近手掛けた仕事で、本当に

<(;^ -^) マイッタ…

と感じてしまった案件があった。

いつも仕事を戴くお得意先の課長さんから、「ある技術マニュアルの英訳を内製していたのだけど、納期に間に合わなさそうなので、日本語で残っているところの英訳をお願いしたい」…と依頼を受けた。

それに加えて…「既に英訳されているところのチェックもして欲しい」と…

ほぇ!?ネイティブチェック?

…と勇んだものの、話をよーく聞いてみれば…

決してネイティブチェックなんて重いものではなく、ちょいと英語の出来を見てくれる?ってノリのようす。

今までそんな事を頼まれた事がなかったので、どこまでチェックすればいいのか?と悩んだのだけど、日頃お世話になっている課長さんからの依頼なので、結局、引き受ける事にした。

つまりは、私がいつもやってるチェッカーとしての仕事をそのままやれば良い様子。

でね…

納期が非常に短かったので、取り敢えず、英訳が必要な箇所を「既に英訳されてるところを参考にしてね」と翻訳者に依頼を掛けてから、英訳済の部分をチェックし始めたわけ…

ん!?なに言ってんだかわかんない…
(日本語原文を見る)
あぁ…そういう意味か…これ、解釈間違ってるし、冗長な英語だなあ…
げ…これ、口語だよ…
うわぁ…これ、完全な誤訳だっ!…
ふぅ…直訳だわ

2頁程チェックしたところで文面は赤、赤、赤…

( -o-)=з はぁ…

こりゃ、偉いものをしょい込んでしまったかも…と考えているところに、英訳を依頼した翻訳者の方からメールが入り、既に英訳された部分の英語が酷く、「参考にするのは危険」と連絡が入る。

うちの長老に見せると「なんじゃ?こりゃ…断ったら?」…と冷たい言葉を頂戴する。翻訳者さんと電話連絡を取って対処を決め、今度は依頼元の課長さんと相談。修正まで入れると時間がかなり掛かりそうなので、納期の延長と費用負担を了解戴く。

さて、私がこの記事でお伝えしたかったのはここからのお話。

勝手知ったる他人の台所事情に探りを入れてみれば、この英訳を担当したのは、依頼元の部署で働く「翻訳派遣社員」。少々年齢をお召しの男性で、海外勤務の経験を持っていて、英語にかなりの自信をお持ちの方とか…。何しろ、その職場で開催する国際会議の通訳者の英語を、傍でチクチク指摘して、通訳者を怒らせたというツワモノらしい…。そんな方なので、依頼元の人達は彼の仕事に文句も言えない状況のようで、持て余している様子が垣間見られる。

そういう背景情報を頭に入れた後に、彼の訳文を読むと色々な事が見えてくる

海外駐在員が社内文書で使うにはOKな英語だけど、口語だろうが文語だろうが、どんな文体がいいかなど無視して、とにかく「英語になっていれば良い」という「意識」が見えてくる。まぁ、表現悪く言えば、彼は「英語を知ってるだけで翻訳を知らない」翻訳者だと思われると言うこと。

私の中では、こういう方は「エセ翻訳者」もしくは「なんちゃって翻訳者」と呼んでいる(笑)

世間一般の意識が「英語が出来れば翻訳が出来る」という考えで大勢を占めているところは、致し方ないが、翻訳者を派遣する派遣会社がそういう意識しか持っていないところに大きな問題がある。翻訳会社は人材の職務経歴と英語力で判断して派遣先に「翻訳者」を派遣して来ているようだが、これではハッキリ言って、不十分だと私は思う。

世間的に認められ、客観的に翻訳の実力を計るものが未だないのも問題だが、せめて翻訳の実力を把握した上で、翻訳派遣社員登録すべきだろう。

こういう質の低い翻訳者の供給が、翻訳というものへの世間的な認識を低くしているし、翻訳コストの低迷に繋がっているのではないだろうか?


【過去ログ】翻訳の単価&訳者の選考ポイント

私の昔のブログより:

2008/12/20

フリーランス翻訳者の翻訳単価ってどれくらいなのか?

その世間相場を知りたいと思っていた矢先に、通訳翻訳ジャーナルに記事として掲載されているのを本屋の店頭で見つけ、早速買い込んだ。

かなり昔に、この通訳翻訳ジャーナルを1年間定期購読した事があるが、内容が余り使えるところが無かったので、それっきり購入をやめていた。凄く久しぶりに購入した訳だが、こういう記事は本当に大助かりである(笑)

ざっと読んだが、うちの翻訳者さん達は、一応世間相場なんだと分っただけでも収穫だった。

それにしても、うちの長老に言わせると、翻訳料って何年も変わっていないらしい。物価上昇率並みに上昇してもよさそうだが、実際はずっと据え置きだとか・・・。産業翻訳の分野での一般の認知度はまだまだ低いのもあり、なかなか単価を引き上げられないのもあるのでしょうかね?

●選考ポイント●

さてさて、そんな事よりも、「翻訳者の求職活動 基礎知識」なる記事の方を面白く拝読させてもらった。

記事の中で「トライアルは時間をかけて訳したものなので、あまりあてにならない。むしろ職務経歴や翻訳実績をみれば、だいたいどの程度できるかわかる…という採用担当者もいる」と書かれていたが、私は「そっかぁ?」という感じ。私はトライアルのデキを重視していますね。

訳文を見れば、どういう思考と判断を経てその訳文に帰結したのかが、何となく理解できるのです。経験があるなしで訳出される言葉も変わり、その辺が見るポイントにもなります。

当然、スペルミスや文法ミスなどあれば、即NGなのは当たり前。少し調べれば解が見つかるのに、間違っているのもNGですよね。あとは専門用語を正しく訳出されている事、表現の適切さが見るポイントでしょうか。

履歴書上にどれほどの英語資格や英語経験/翻訳経験、学歴/就学歴を書かれても、訳文に現れなければ意味をなさないので、話し6割程度で頭にいれるようにしています。

企業内でオン・サイトや派遣社員として翻訳経験を持っている方もいますが、この経験をどう判断するかが少々曲者で、私が過去に仕事をさせてもらった翻訳派遣社員の方に聞くと、異口同音に過去に勤めたどの企業でも、自分達が翻訳した成果物にチェックが掛かった事がないとおっしゃる。つまり、ノーチェック。自分で高い意識を持って継続的に勉強している人でない限り、訳しっ放しで仕事を完結するから、自分達の翻訳レベルは上がらない事になります。

経歴上、翻訳の経験は確かにあるが、その翻訳技術のレベルが如何程のものか・・・それを把握するにはトライアルがキーになると考えているのです。それに仕事に対する意識も把握できますからね。


【過去ログ】灯台

昔の私のブログより:

2008/5/16

昨日は通訳を請け負った先の会議見学・・・久しぶりに英語漬けの会議に出席。進行が遅れているようで、通訳を担当する予定時間にはまだ前のアジェンダのプレゼンがされていた。長身でがっちりした体格の眼鏡をした男性が、スゲー訛りの強い英語でプレゼンしている。

飛び アイフルと ~
茶印字~
体育~

なんじゃい!?この訛り?

最初はどの母音が何に訛っているのか混乱して、少し慣れて聞き取れるようになるまで、暫しの時間を要した。

やっと敵国が解る(笑)。有名な「灯台」が会話に登場した(笑)。

なんだ…オージーだ…

しかし、すげぇ聞き取りづらい訛りだよねぇ。でも私にとってはイギリス英語よりは分かり易いが(爆)。

aがエイじゃなくアイになっちゃっうのね?
to be able to : トォ ビィ アイブル トゥ
change : チャィンジ
take : タィク
today : トゥダィ
私の以前いた職場と違い、相手国は全世界なので、韓国、香港、シンガポール、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、そして日本の代表者が出席していて、それぞれに訛りある独特な英語でお話になる。

これが痛く私には刺激的でした。いやぁおもろかった。

通訳者の彼女は流石に以前いた職場で、かつ話されている内容に対する知識を持っている事から良く聞き取れていて、日本語への通訳は全く問題無し。

こういう狭い領域の逐次通訳なら及第点ではないだろうか。

つくづく思ったが、こういうの、なんて言うか、かなり血が騒ぐ。口出したくって仕方ない衝動に駆られる(爆)


【過去ログ】君は日立だろうけど俺なんて松下…

Facebook で久し振りに Wayback machine と言うサイトを見掛けたので、大昔の私のブログを検索したら、色々と面白い記事が残っていたので、こちらに転載したいと思います。

2008/1/25

これは昨日のおじさん部長との会話

これから外出しようとおじさん部長と準備をしていると、おじさんが「君は日立だろうが、俺は松下だからなぁ」とおっしゃる。

私はすかさず「何をおっしゃいます?。私はまだまだペンティアムですよ」と言って二人で大爆笑。

何の事か分かります?。周りにいた人間もきっとちんぷんかんぷんだったでしょう。

実は私が目茶苦茶忙しく仕事をしているとおじさんが側に来て「中国人というのはジョーク等が好きな人種なんだねぇ。言葉を大切にしている。これ、読んでみな」と本をコピーした紙を手渡される。

男人二十歳叫奔騰
男人三十歳叫日立
男人四十歳叫正大
男人五十歳叫松下
男人六十歳叫微軟
男人七十歳叫聡想

奔騰とはペンティアムの事
正大とは中国の大企業の正大集団
微軟とはマイクロソフト
聡想とはレノボ

一体何の事かと読み進めれば…

ペンティアムの奔騰は、奔走の如く勢いよく高騰の如く昇りつめるというイメージである。
日立は毎日立ち…
正大は正しく大きく…
松下はスカスカに緩く下を向き…
マイクロソフトはマイクロでソフト…
レノボの聡想は聡り想うしかないと…
もう何の事か分かりますね?(笑)

面白いと思う反面、よくもまぁ、これだけコンピュータ関連企業の名で表現したものだと感心してしまいます。

中国の方はこういうジョークを思い付くと携帯メールで友人達に配信して楽しむのだそうです。

面白いですね。

ちなみに…

私が好きな「全日空」

「全日」空っぽ…という意味だそうで、スキスキな航空会社…強いては客のいない危ない航空会社…なんてイメージになるらしいです(爆)