翻訳横丁の裏路地

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翻訳会社を選別するという意識

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今週、某SNSで久し振りの消費税転嫁の話題を読み、その方の翻訳会社に対するスタンスに軽い疑問を感じつつ生活をしていました。昨夜、通翻クラスタの担々麺倶楽部会合(笑)から帰える電車の中で偶然聞いたトミーラジオ(仮称)で、翻訳会社から翻訳者へのフィードバックの話しがされていて、その話題について考えていたら、先の疑問が再び頭に浮かんだので記事にしておこうと思います。

それは、翻訳者も「翻訳会社を選ぶ」事にもう少し真剣であっていいのではないか?という事です。言い方を変えれば、取引先評価をちゃんとやって、取引する事を決める、取引を停止する、取引を継続するなどの判断と対応を「ビジネス的意識」でちゃんとやるべきだと思うのです。

その評価の対象となるものは色々あるでしょう。例えば、支払いが漏れる事無く期日までに行われるか、翻訳依頼時に単価と納期を明確にして指示しているか、発注書を事前に送付してくるか、振込手数料は翻訳会社が負担しているか、消費税を正しく転嫁しているか、法律や規則に違反していないか、道義的に問題ない経営をしているか、対応するコーディネーターの対応はどうか、翻訳の瑕疵を正しく理解したクレームをしてくるか、必要な情報は問い合わせる事無く提供してくるか、質問をすればタイムリーに返事をくれるか…などなど、挙げればキリがありませんが、そういった指標と基準を自分なりに持った上で、翻訳会社の対応を注意深く見て、判断し、行動すべきだと思います。

昨年、日本翻訳連盟が行った業界調査が「翻訳白書」として発表されていますが、会社規模が年間売上1000万〜3000万のレンジにある翻訳会社が増加していたと記憶しています。これはある意味、業界慣れしていない翻訳会社がぞろぞろと増えているのではないかと想像するのです。つまり、業界のコモンセンスが崩れ、極端に言うと、思いもよらない姿勢/論理で翻訳者さんへ対応しているところが増えているのではないかと懸念しているのです。

それ故に、翻訳者さんの側も、しっかりと考えて、調べて、学んで、そして翻訳会社を見極める目を持って「翻訳会社を選別」して欲しいと思うのです。

トミラジで話題になったフィードバックの話しは、世間的にフィードバックをしてくれる翻訳会社が少ないね、でも、ちゃんとフィードバックしなくちゃいけないよねという話しだったのですが、それを聞いていて私が考えたのは、「フィードバックをする・しない」だけをとっても、その翻訳会社の姿勢が判断できると言う事です。また、フィードバックをしてくれる翻訳会社の場合、そのフィードバックの内容を「翻訳会社の評価」の材料に使えると思うのです。(というか、評価材料に使ってやる!くらいの意識でいて欲しい)

時々聞くのは、頓珍漢なフィードバックで対応に苦慮している翻訳者さんの話しです。「翻訳会社」という看板を掲げている以上、翻訳会社は翻訳のプロであるべきです。そのプロが恥も感じずに上から目線で頓珍漢な翻訳の指摘をしてきたとしたら、あなたならどう考えますか?「この翻訳会社は本当に翻訳の事を理解しているのだろうか?」もっと言えば「この翻訳会社は正しく翻訳の価値を評価できないのでは?」「私の翻訳は正しく評価されているの?」と思いませんか?勿論、判断をするという事は基準があってのことです。ご自身の判断の基準が間違っている可能性もあります。だから、その擦り合わせが大切なのです。そのプロセスの中で「上から目線」とか「基準の押しつけ」はあってはならないと思うのです。

自分の翻訳が正しく評価され、それに見合った適正な単価で支払いがされ、世間的にも業界的にも正義を持った経営がされている、そして共に必要とされるパートナーとして仕事ができる、そんな翻訳会社を取引先としてより多く持つために、翻訳会社を見極める目を育む意識、翻訳会社を選別する意識に少し注意してみて欲しいなぁと思います。

作成者: Terry Saito

某社翻訳部門の中の人です。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

翻訳会社を選別するという意識」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 二度と翻訳をご依頼頂かなくて結構です。 | 翻訳横丁の裏路地