翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.

二度と翻訳をご依頼頂かなくて結構です。

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来週末の準備云々でやる事が山積の今日、TACのセミナーも断念したのに、こんなブログ記事を書いている場合ではないのだが、たまたま Facebook で流れてきたある方のブログ記事を見て、書かずにはいられなくなった。

それは「お客様、もう二度と来ないで下さいね♥  」というタイトルで、帽子山宗(ぼうしやまたかし)さんのブログの記事です。

私の考えている事と全く一緒。これを翻訳業界に落とし込めば、お客様とは、翻訳者から見た翻訳会社、翻訳会社から見たクライアントという事になります。

機会ある毎に私も「お客は選ぶべし」と言っていますが、「お客の選択は、自分の選択と同じ」と考えるからです。

提供する仕事/サービスの価値を正しく評価してくれるお客様を、より多く獲得する手段にもなり、そう言ったお客様には同じ価値観を持った横の繋がりから、自分を選んで頂けるお客様が増える可能性も出てくる。勿論、お客を選ぶ以上、自分の提供する仕事の価値を明確に位置付けする事が大切ですし、その質の向上に日々努力をする必要があります。自惚れだったり、自己満足な価値観では、お客様が付かないのは当り前ですよね。

私の経験から見ても「どうせ、下請け」…そんな意識が世の中には蔓延っています。翻訳者に対しては一部の翻訳会社、翻訳会社に対しては一部のクライアントがそんな意識で対応している。一方的で無理難題。暴言上等。お客様だからとそこを我慢したとしても、提供した翻訳の価値なんて分からず、よって、支払っている報酬が高いと常に感じている。あれこれ理由をつけて支払いは極力抑える。

そういうお客様と継続的に取引したいですか?

お互いがお互いをサポートする事で仕事が成し遂げられる。そういう対等な関係があるべき姿ではないかと思うのです。お金を払う側は、提供されるサービスを受ける対価として費用を支払い、サービスを提供する側は、最高のサービスを提供する対価として報酬を受ける。その双方の評価と価値観がマッチした相手と仕事をする事が、更なる良質なサービス提供へ繋がるでしょうし、単価のアップへと繋がるのだと思います。

私は以前から、顧客要求を手放しで受け容れたり、受け容れる事を当り前とする風潮に疑問を感じています。新人コーディネーターにそういう感覚を見ると「何も考えていない」とさえ思ってしまいます。「お客様は神様です」の言葉の意味を誤解している人が多い。そもそも自分にとっての「お客様」とは何か?というところから考えるべきだと思う。そして、自分の仕事は何か?をよく考える必要がある。自分の提供する仕事が何か。そこにしっかりした考えを持たなければ、本当のお客様が分からない。

翻訳会社を選別すると言う意識」でも書きましたが、相手が我々を仕分けているように、我々も顧客を仕分ける事が必要です。その目を持つことが必要です。つまり、自分の仕事が何かをしっかりと考えることが必要ですね。

作成者: Terry Saito

二足の草鞋を履く実務翻訳者です。某社で翻訳コーディネーター、社内翻訳者をやっていました。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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