翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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イベント参加に先駆けてSNS名刺を持とう

先日のテリラジで話題にした「SNS名刺」。
折角ですので、ブログに記事としてまとめておきたいと思います。

私が推奨しているのは、お仕事用の名刺とは別に、SNS繋がりでお会いする方々と交換する「SNS名刺」を持つことです。これから、JTFの翻訳祭や来年のIJET-25などイベントが続々と開催されます。そしてそれらイベントで大切なのがネットワーキング。交流会とか懇親会とか、SNSで繋がりのある翻訳業界の人々と出会うチャンスが非常に多くなります。そんなときに「SNS名刺」は実際の貴方とSNSの貴方を繋げる大切な情報ツールになります。

名刺に関する記事は、過去に2度程書いていますので、こちらも参考にしてください。

私が「SNS名刺」に入れた方が良いと考える情報には以下のようなものがあります。

SNS名刺に載せたい情報

  1. 名前(本名と、あればSNS名)
  2. 本人の写真 or SNSのアイコン
  3. SNSのIDやアカウント名
  4. 携帯電話番号
  5. メールアドレス
  6. 翻訳の分野、言語

写真入り名刺の話しをすると「え〜」という反応が多いのですが、イベント後、数日経ってから名刺を見返して本人を思い出せる確率は3割(当社比)とかなり低いので、できるならば顔写真入りにした方が効果的です。もし、顔写真が無理ならば、SNSのアイコンを入れておくと SNS上の貴方との繋がりを保てるので、是非入れましょう。
電話番号については、それぞれの考えで家電話でも携帯電話でも選択されれば良いと思いますが、家電話の場合、イエローページ等に登録されている場合は検索の対象になってしまうので、ならば携帯電話の方が比較的安全ではないかと思うのです。私が家電話番号ではなく携帯電話番号を載せている理由は、これです。

あれ?住所は?…と思う方もいるでしょうね。

インターネットやGoogle Map等の発展で、住所という情報は、昔とその意味がかなり変わってきています。昔ならば、相当詳細な地図がないと場所が特定できなかったですし、そういった地図を利用できる人は限られていました。でも、現在はスマートフォンでGoogle Mapに住所情報を入力すれば、詳細な地図は出るし、どの建物かも判断できます。極めつけは Street view でどんな家に住んでいるか、更にはどんな車に乗っているかまで写真でわかってしまうのです。

こんな環境下で住所をホイホイと載せて、ホイホイと配布するのは如何なものでしょうか?

実際、名刺の住所がもとで、ストーカーみたいなことをされた女性翻訳者の話しを聞いたことがあります。なので、住所の取扱いは慎重にされた方がいいと思います。

仕事名刺の場合は住所を記載した方が良さそうですが、SNS名刺は住所無しでも良いと思います。地域がわかるようにしたいのであれば、都道府県に郡区程度の住所で良いのではないかと思います。SNS名刺は、渡した相手が貴方にコンタクトできる情報が含まれていれば十分です。それに該当する情報がSNSのアカウント情報ですし、電話番号とメールアドレスです。

さぁ、イベントに向けて名刺を準備しておきましょう!


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情報格差

先日、SNSの繋がりとはまったく関係のない特許翻訳者の集りに参加させて貰った。SNSを使っていない翻訳者の方達と接触する機会を、以前から欲しいと思っていたので、思わぬところでその機会を持つことができて、とてもラッキーだった。

その集まりに出て、SNSで繋がった方達ばかりとの交流を続けてきた私には、一種のカルチャーショックのようなものがあった。

お話ができたのは数名の翻訳者さん達で、皆さんとはまったく面識なし。名刺を頂けたのは一人だけで、他の皆さんは名刺を持っていなかった。翻訳者同士の交流を目的とした会ではなかったことと、相互に知っている翻訳者が多かった(と推測される)ので、止むを得ないところもあるのかもしれない。ただ、この部分だけを捉えても、「同業者と繋がる」という点において意識希薄なのではないか? という疑問を持った。

帰り道にお話しした翻訳者さんを含め、数名の方と話をしたが、翻訳の情報収集やコミュニケーションのための横の繋がりを持っていない方が、とても多かった。一体、その辺り、どうしているのだろう? と、私の視点から見れば疑問に感じる訳だが、知り合いの翻訳者が(余り)いないことが当たり前という感じだった。翻訳の情報や学習は、ネット経由で翻訳学校の情報を得て、セミナーに参加されるなどしてる様子。

業界誌を知らない方がいたり、JTFやJATを知らない人が多かった。TMとMTの差を理解されておらず、すべてが「機械翻訳」として理解されている方がいたり、「マクロって、それ美味しいの?」と翻訳周辺の技術にとても疎い方も多く、この辺りの話をしていると、SNSで情報収集している翻訳者さん達とは明らかな「情報格差」が生まれていると感じずにはいられなかった。

お話した翻訳者さんに、ネットの翻訳者コミュニティでは色んなグループが出来ていて、その中で勉強会が盛んに行われている話をしたら、とても興味を持たれていた。すかさず、SNSの世界を紹介しておいた。

SNSの利用に抵抗感を持つ翻訳者さんが存在することは理解しているが、その理由の多くはコミュニケーションの面倒さにあるのだろうと思う。SNSを単純にコミュニケーションツールと理解しているところが問題なのだと思う。SNSは生きたナレッジデーターベース。そこのところを強調してSNSを勧めた方がいいのだろう。

SNSの使用の有無で大きな情報格差を生み、それによって翻訳に差が出てる可能性がある。翻訳者とて、新しい流れには敏感に反応し、取り入れて行く姿勢は大切だと思う。

ガラパゴス翻訳者にならないためにも…。


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【報告】広島・大阪 十人十色勉強会

5月21日・22日に翻訳勉強会「十人十色」広島・大阪へ遠征して参りました。 広島と大阪の通翻クラスタの皆さんには大変お世話になりました。 会場確保や準備、その後の打ち上げ会の手配まで色々と手を尽くして下さり、本当にありがとうございました。 各地の通翻クラスタの連携の素晴らしさに感動した二日間でした。 各地で発表された内容は、私のYouTubeチャンネルに順次アップロードされていきますので、ご覧下さい。

YouTube Channel : Terry Saito

ここでは、私が一番印象に残った発表、即ち「私のひと押し」ビデオを以下に張り付けておきます。
@SHINHAM3さんによる「そこそこのIT翻訳者が過去、現在、未来についてそこそこ語ってみる」です。

@SHINHAM3さんとはオン茶会(オンラインお茶会)で色々とお話させて頂いた事があります。その時の話もSNS等で流れている考えとは少し違った、バランスのある話が聞け、故に何とか表に出てその話をして下さいよ?と@SHINHAM3さんに言っていたのです。今回、念願かなって十人十色でプレゼンをして頂く事になって、とても楽しみにしていました。内容的にオン茶会の時のお話を更に一歩進めたものだった事もあり、私にはとても感動的でした。IT翻訳をメインに仕事を展開されているようで、時に自虐的に、でも将来を意識して何をすべきなのかを問いかけてくれます。妙な偏りを持っている訳でもなくバランスのいい内容だと私は感じました。そして、「がんばらなくちゃ」という気持ちを持たせてくれます。

もうひとつ、印象に残ったプレゼンがあります。それは、広島でプレゼンされた @akoron1 さんの時間管理に関するプレゼンです。私も仕事柄、時間管理は厳しくやっている方ですが、@akoron1 さんの時間管理はもっと徹底していて、どういう事に時間が掛かっているか、その内容にも優先順位づけをして、もっとこのカテゴリーの時間を増やしたい…という方向性を判断できる管理をされています。

放送されなかった講演、まだビデオ化されていない講演については、Twitter ログが残っていますので、そこから内容をくみ取って下さい。

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さて、今回の十人十色の出張で感じたのは、広島も大阪も通翻クラスタは熱い!という事です。連携がとても良くて、みんなで十人十色の勉強会を作り上げてる感が強く、とても心地よいものでした。各地で十人十色のような通翻クラスタのグループができて交流や勉強会が深まっていくといいなぁと思います。いつも思う事ですが、ひとりで学ぶ事も確かにできるけれども限りがある。外的刺激による学びは、その速度も深さもモチベーションも大きくしてくれます。それに何かと引き籠りがちなフリーランス翻訳者ですから、こういった勉強会を機会に出掛けてみましょう。人と接してみましょう。良い気分転換にもなりますよね。

最後に、今回のイベントは今まで経験したイベントとは何かが違う感じを持っています。 @baldhatter さんが仰っていましたが、まさに「エポックメイキング」的なイベントだったと思います。これがひとつのきっかけとなり、ネットワークで繋がった通訳者・翻訳者のコミュニティがどんどん広がり、更にはネットワークにいない通翻関係者も巻き込んだ大きなうねりのようなものが生まれてくれればいいなぁと思います。

また機会があれば、出張十人十色勉強会を実現したいですね。


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通訳翻訳ジャーナル 2013年 7月号

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明日発売の通訳翻訳ジャーナル 2013年 7月号にて、「SNSを仕事に生かす」で記事を執筆させて頂きました。

私の拙い文章で誌面を汚しておりますが、興味がありましたら、是非お買い求めの上、ご覧下さい。知り合いの通訳者さんも執筆されたようです。SNSの使い方の参考になるでしょう。


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JTF翻訳ジャーナル No.265 2013年5月/6月号

日本翻訳連盟の「日本翻訳ジャーナル」5/6月号が公開されました。

日本翻訳ジャーナル

ダウンロードしてお読み下さい。

今号から新年度版となり、私のコーナー「翻訳横丁の表通り」もテーマを一新して一年間進めて行きます。

今年のテーマは…「あなたの翻訳へのこだわり」です。

ミッションステートメント:

「翻訳横丁の表通り」には色々な人々が往来するようになりました。

このコーナーでは、翻訳者さん達に「翻訳横丁の表通り」に出店して頂き、自身が持つ翻訳への「こだわり」を記事にして頂きます。「想い」であったり「ツール」であったり、「翻訳方法」であったり「将来の夢」であったり、何が飛び出るかは執筆者の翻訳への「こだわり」次第。ちょっと立ち寄って、覗いていきませんか?

初号である今月号は、井口 富美子さんに「勉強、品質、自己管理」と言うタイトルでご寄稿頂きました。

役立つ情報満載ですので、是非お読み下さい。