翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


オン茶会をしましょう

以前、Twitter上で呼び掛けた「オンラインお茶会」、略して「オン茶会」。

そのオン茶会のグループをFacebookに作り、今月より少しづつですが、オン茶会を始めました。

この「オン茶会」は、Google Hangout を使って、オフ会をバーチャルにオンラインでやろう!と言うのがコンセプトです。

オフ会の良いところは、お互いの顔を見ながら、深い色々な話ができるところ。普段、オンラインでは聞けない、言えない話が話題に出る。例えばレートの話、ブラックなエージェント話、仕事のちょっと困った事の相談、そして恋バナ?(笑)

そんなコミュニケーションの場をGoogle Hangout のオンライン上に作るのが「オン茶会」です。

この「オン茶会」の良いところは、時間と距離を超越できるところ。先日のオン茶会では、関西地方、中国地方、そしてカナダ在住の方とお話をしました。

海外の方もそうですが、地方在住の方達とも手軽にあたかもお会いして話をしてるような深いコミュニケーションを取れるのは、とても素敵な事です。
なかなか都市部で行われるイベントには出掛けていけないとか、小さなお子さんを抱えていて出掛けられないと言った方達にも、インターネットとPC(スマホでもOK)があれば通訳者や翻訳者の仲間達と会って話ができる。

そんな場が作れればと思って立ち上げたのが「オン茶会」です。

会の目的から実名主義です。グループをFacebookに作ったのも、それが理由です。

貴方も参加しませんか?

Facebookからグループへの参加申請して下さいね。

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オン茶会でお話しさせて頂いた方達から、色々な刺激を頂いています。あまり考えた事もない考え方を教えて頂いたり、新しい世界を垣間見せて頂いたり、自分も頑張らねばと言う思いにさせて頂いたり。

人と接する事は自分にないものを知る良い機会になりますね。お話をさせて頂いている方々には、本当に感謝です。


レートのお話

翻訳者が得る報酬(レート)は、皆さんの興味が高いトピックであるにも関わらず、その実態はなかなか見えてきません。お金に関する事を公の場で言及する事は憚れるイメージがあるからだと思います。

業界誌が時々、レートに関する特集記事を掲載していたり業界団体が調査した結果を公開していたり、そういった情報を拠り所にしているわけですが、中にはそれらの情報や実態とはかけ離れた情報を公開しているサイトも見かけます。

私の脳内にある基準は、コーディネータとして自分が設定した(翻訳者さんへの)レートにあるわけですが、これも、あれこれ調べたり翻訳者さんに問合せたりして、最終的に経営的制限レンジから翻訳者さんの実力に応じて決定したレートです。幅の広い「世間水準」の何処かに位置している筈ですが、それが果たして翻訳者さんにとっての本当の適正水準であるかは、正直わかりません。

何をもって適正と言うのか?

いろいろと議論がされている話ですが、私はその解を持ち合わせていません。以前行った翻訳者インタビューの中で、翻訳者さんと翻訳会社/クライアントの間で、どういう経緯を経てレートが決定されているかを伺ってきました。

  • 自分から提示(自分から積極的に言う場合と、エージェントから問われて言う場合を含む)
  • エージェントから提示

当り前ですが、具体的額面が提示されるのはこの2通りしかありません。皆さん、どちらのケースも経験されていました。では、翻訳者側から提示する場合のそのレートは、何に基づいて決定されているのでしょうか?

実績値と目標値

そのように感じました。概ね実績値を基準としてレート提示しているようです。(その実績値も遡っていくと、エージェントからの提示レートと、自分が算出して提示したレートに行き着くようです。)

一方、家族を養う立場にある方の考え方は少し違っており、生活を守る上で必要な収入はいくらか算出し、それに基づいて自分の能力・こなせる翻訳分量などを考慮した上で必要なレートを決定し、それを目標として交渉されているという方が複数名いました。

この考え方は「自分の適正レート」を認識するという意味では、正しいと感じました。無闇にエージェントの提示額に翻弄されるより、このような方法で自分の目標値を自分なりに定めて交渉する。こういうアプローチが大切だと思います。

  • 貴方の適正な翻訳レートはお幾らですか?
  • そして、その根拠は何ですか?

丸腰で交渉のテーブルに着くような意識は、フリーランスにあってはならないと思います。ですので、少なくとも自分自身の中で、これらの問い掛けに答えられる自分なりの解を準備しておく必要があるでしょう。

「最初が肝心」

概ね、翻訳者自身もエージェント自身も、実績値を拠り所にする傾向が強いことから、将来的なレートアップを考えると「最初が肝心」と思います。

翻訳者側から提示する場合、実績値、もしくは実績値に幾ばくか上乗せしたレートで提示するのだと思いますが、すんなり受け入れられる場合もあるようですし、その後に交渉が入るケースもあるようです。一方では、エージェント側からレートの提示がされ、期待値通りかそれ以上であれば受け入れ、そうでない場合はやはり交渉になるという流れでしょう。

そこにはいろいろな思惑と交渉があって、決定に至るプロセスは一概にいえないのは勿論ですが、相手との将来的継続性の考慮やレートの2段階提示(最初いくらで品質確認後いくらと言うようなスタイル)による妥協点模索とか工夫が見られます。ただ、概ねいえるのは、条件によって交渉決裂にするレートを翻訳者さん自身が決めていて、それを基準として判断されているということです。

自分自身の中に「最低レート、最低条件」をちゃんと定義付けておくことが大切です。

さて、レートって上がるものでしょうか?

フリーランス翻訳者さんとの会話で分かるのは、上がらないと考えている方が多い。さらに、上げようと交渉されている方が少ないという印象を持っています。

先に言及した家族を養う立場にある翻訳者さんは、その辺りの意識がまったく違います。定期的に、例えば年に一回はレート交渉をされている方もいました。実力、貢献度が上がってくる訳ですから、恥ずることは何もないと思います。

エージェントは、翻訳者を入れ替えつつ、良質で安価な翻訳を仕入れる動きをしています。ビジネスとして当然の流れです。

翻訳者も同じ動きをするべきだと思います。エージェントを変えながら、自分の翻訳の価値を理解し、適正レートで買い取ってくれるエージェントに変えて行く。そう言う意識を持つ事も大切だと思いますし、実際にそういう動きを取って行く事も大切だと思います。

レートは、自らの翻訳という仕事の価値を表現する具体的なもの。もう少し「意識」して、自分なりの考えを持って価値を高める事に力を注いでも良いのではないでしょうか?


翻訳勉強会「十人十色」YouTubeビデオ:Felix Hands-onセミナー

3月20日に翻訳勉強会「十人十色」主催の「Felix Hands-on Seminar」がありました。その時のセミナー動画をYouTubeに公開致しましたので、ご覧ください。なお、録画漏れがあり、継ぎ接ぎなビデオになっていますが、概略は把握出来ると思います。また、音声・画質が余り良くないので予めご了承ください。

翻訳勉強会「十人十色」:Felix hands-on セミナー

Felix とは、翻訳支援ツールです。TradosやTransitなどが有名ですが、Felix は軽快な動作とサポートの厚さが素晴らしいと思います。このセミナービデオを見て、どういうものか、大枠を把握出来ると思います。ちなみに、Felix のURLは以下の通りです。

http://jp.felix-cat.com/


GlossaryMatch 実用例その1

Word版GlossaryMatchをちょっとだけ修正して、Ver. 1.01 にしました。

修正内容は、辞書の置換元用語の先頭に半桁の「~」(チルダ)を入れておくと、蛍光ペン付けしないようにしました。

ここでは、この機能を使った使用例を示します。

原稿

 

このような部署名を企業の中で見掛けないでしょうか?
色々な文書に、作成者や改訂者情報、検討チームリストなど、部署名が良く書かれています。こういう部署名などは間違いをなくすために、置換作業で処理したいところです。しかし、困るのが、漢数字に全角半角数字の混在ですね。

これを解決する為に作った辞書ファイルのサンプルが次のものです。(漢数字へ対応するためのサンプルです)

辞書

 

GlossaryMatchでは、蛍光ペンのない文字列に対して、置換元用語の検索を行い、該当するものがあれば置換先用語に置換し、最後に蛍光ペンを付けます。
但し、置換元用語の先頭に、半角「~」(チルダ)が入っている場合は、置換後に蛍光ペンが付きません。例えば上の辞書の第一行目の記述に従うと、「一課」が「1課」と置換されますが、蛍光ペンは付かず、その後の処理でも、この「1課」は置換対象となります。

この辞書ですと、漢数字の一課~五課までを半角数字の1課~5課に置換するものの、蛍光ペンは付けない為、その後の行の処理では置換対象となります。つまり、六行目の「経理([0-9]{1,})課」以降の行で置換の対象となります。

モード選択

 

モードの選択で「2. 完全置換」を選択すると、以下のようなプログレスバーが現れ、置換が終了すると終了画面が出ます。

ProgressBar

 

完成

 

上記のサンプル辞書には、全角数字を半角にするための処理を入れていなかったため、経理1課~経理5課までが置換されずに残っていますが、漢数字だった部署名は全て置換されています。

このように、辞書ファイルに処理の順番で正規表現を記述しておく事で、色々な処理を行う事ができます。

なお、辞書の置換元用語にある「([0-9]{1,})」は、半角数字で1桁以上連続した数字を意味します。1課でも12課でも、123課でも対象となります。そして置換先用語にある「\1」は、置換元用語のカッコ内「()」で該当した数字が代入されます。
つまり、「経理900課」があると、900 が \1 の位置に代入され、Accounting Dept. 900 と置換されます。

 

 


【アップデート】 GlossaryMatch 用語置換ワードマクロ

今回、ワード版のGlossaryMatchの置換方法を変え、若干の機能追加をしましたので、公開します。

GlossaryMatch

今回の変更は以下の通りです。

  • ワイルドカードを使った置換が出来るように変更しました。
    辞書ファイルにワイルドカードによる記述を入れておくことで、色々な検索と置換が可能になりました。但し、細かな記述のチェックを行っていないので、記述内容によってはエラーを吐き出すかもしれません。
  • 「アドイン」メニューにGlossaryMatchのメニューを追加。
  • 大きな辞書や文書を処理する場合、反応なしとなって、ワードが死んだような状態になる(但し、処理はバックグラウンドで行われている)のを回避するため、プログレスバーを表示し、処理残時間を表示するように変更しました。
  • また、処理中に「中止」ボタンにて、中止できるようにしました。
  • モードを、1) 蛍光ペン付け、2) 完全置換、3) 併記置換、4) コメント挿入、の4モードに変更。
  1. 蛍光ペン付け
    辞書に登録された用語が本文に見つかれば、蛍光ペンを付けます。
    このモードは、チェック作業に使用する事を目的に作りました。チェック用の辞書を作っておくと便利です。この記事の後に、いくつか自分用に作ったテキスト辞書を紹介します。
  2. 完全置換
    辞書に登録された用語(置換元用語、置換する用語)に従って、完全に用語を置き換えます。置き換えた用語は蛍光ペン付けされます。
    置換する用語が登録されていない場合は、置換せず、蛍光ペン付けだけ行います。
    (蛍光ペンは、メニューの「蛍光ペンを解除する」を選択すると、解除できます。)
  3. 併記置換
    辞書に登録された用語(置換元用語、置換する用語)に従って、用語を置き換えます。その際、「置換元用語(置換する用語)」で置き換えられます。
    置換する用語が登録されていない場合は、置換せず、蛍光ペン付けだけ行います。
  4. コメント挿入
    辞書に登録された用語(置換元用語)が本文に見つかれば、コメント機能を使って「置換する用語+備考」でコメント付します。

訳文チェック用の辞書を幾つか紹介します。自分の為に作ったもののため、記述間違いなどあって正常に動作しない場合があるかもしれませんが、ご了承ください。あとは、ご自身で改造・追加して頂ければと思います。

  • GMDIC_CHK_数字チェック.txt
    [対象:和英訳、英和訳] 原稿と訳文の数値を蛍光ペン付けします。半角全角数字、月、漢数字、丸付数字などが対象です。詳細は辞書ファイルを見て下さい。
    私の使い方は、原稿と訳文に「蛍光ペン付け」機能を使ってこのチェック辞書を適用し、横に並べて比較してチェックするという流れです。機械的に照合チェックする手段を持たないので、苦肉の策です(笑)
  • GMDIC_CHK_間違い易い英単語.txt
    [対象:英文] ネイティブが間違いやすい英単語や、タイプミスしてスペルチェッカーで見つからない英単語を登録してチェックしています。単に蛍光ペンが付くだけですが、意識してチェックするようになるので検出力が上がります。
  • GMDIC_CHK_JTF日本語標準スタイルガイド.txt
    [対象:日本文] 言わずと知れたJTFの日本語標準スタイルガイドに沿ったチェックをする為のチェック辞書です。全てを網羅している訳ではありませんし、記述ミスもあるかもしれませんので「参考」として見て下さい。

これらの辞書は、いずれ少しづつ更新していこうと思います。また、みなさんもお作りになった辞書を公開してくれると嬉しいですね。

なお、ワードのワイルドカードの記述については、水野麻子さんの「Wordワイルドカード徹底活用ガイド」が役立ちます。(登録不要版がこちらにもあります)

以上、お役に立つようでしたら、ご利用下さい。