翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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あなたの頼んでる翻訳会社は大丈夫か?

昨日、とんでもないニュースがネットニュースやSNSを流れてきた。

規制委の内部資料、ネット流出…翻訳会社が公開 (引用元:読売オンライン)

一部を引用すると以下のような内容だった。

規制委によると、資料の英訳を委託した東京都内の翻訳会社が、ネットの掲示板で第三者に英訳を依頼し、資料をネット上に公開してしまったという。

つまり、翻訳原稿だった資料が、インターネット上に誰でも閲覧できる形で公開されてしまった。

ここでいうネットの掲示板とは、最近テレビCMでも目にすることのあるクラウド系のお仕事マッチングサイト。記事から読み取れるのは、翻訳の委託を受けた翻訳会社が、このマッチングサイトを利用して翻訳者に再委託したようで、その際に翻訳原稿をそのサイト上に公開してしまったようだ。

問題となる情報はなかったらしいが、それでも機密扱いの情報だったらしい。また、規制委からは再委託の許可を貰っていなかったようだ。(ソース:朝日新聞デジタル

この事件からいろいろなものが見えてくる。

ずさんな情報セキュリティ管理の翻訳会社 

通常、翻訳会社は自社内の翻訳者、もしくはちゃんとした守秘義務契約や業務委託契約を交わした個人翻訳者や外部翻訳会社に依頼して翻訳を行う。しかし、このケースだと再委託が認められていなかったようだから、社内翻訳者で翻訳しなければならなかった筈。

でも、この翻訳会社は直接的契約関係にないクラウド系サイトの翻訳者に仕事を委託しているということになる。このクラウド系マッチングサイトの利用規約を読むと、このサイトは、会員の機密保持意思の確認を行うだけで、責任能力や機密保持能力、それに機密保持契約の履行可能性を一切保証しないと書かれている。つまり、当事者間で機密保持などの確認を取らない限りは安心して依頼できないってことだろう。

そんな確認をしたのかしなかったのか、あろうことか、翻訳会社自ら、顧客から預かった原稿をネット上に公開してしまった。これは、ほんと、ありえないこと。それが例え機密性が低い情報だとしてもだ。翻訳を生業にする会社や人間が絶対にしてはいけないことだ。

何を見て依頼する翻訳会社を決めてるの?

翻訳を依頼する側は、一体、どのようにして、こういった情報セキュリティのダメな翻訳会社を判断しているのだろう。

こういうクラウド系の翻訳サービスは安価であることが売りであるが、そういうサービスを使う翻訳会社(が存在すること自体が驚きなのだが)は、当然、売価も相場より安いことが予測できる。つまり、依頼する側は「コスト」だけを見て、発注しただろうことは簡単に想像できる。

翻訳を依頼する側も、少し意識改革をして貰いたい。翻訳とは言葉の変換作業ではない。単にファイルを右から左に流しているわけでもない。その翻訳エージェントの管理体制が信頼に足るものかどうか、そこを判断し、それに相応しいコストであるかどうかで判断して欲しい。

また、このケースはクラウド系翻訳サービスの使い方も間違っていると思う。道具もサービスも、その特性を理解して正しく利用してこそ、価値がある。この翻訳会社の対応を見て分かる通り、この会社は翻訳会社ではない。翻訳を理解していないと思われるので、単なる仲介業者だと思う。

発注側が翻訳に関する知識を多少なりとも持っていれば、こういった業者は、会話ややりとりの中である程度は判断できると思う。(お役所の丸投げ体質が見え隠れするが)

コストには翻訳作業のみならず、そういった情報管理費なども含まれているのだから、コストばかりを確認せず、いろいろな視点で確認をして総合的に翻訳業者の選定をして貰いたいものだ。


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構え過ぎずに付加価値

毎朝立ち寄るセブンイレブンで、熱い缶コーヒーに冷えたヨーグルトドリンク、そして菓子パンをひとつ買うのが習慣になっている。

概ね店員から「お袋をおわけしますか?」と聞かれるのだが、もったいないので最初から「袋は一緒でいいです」と聞かれる前に申し伝えている。

さて、あなたならこれらの三品をどう袋詰めしますか?

そのセブンイレブンには、その時間帯、三名の店員がいて、二人はアラサーと思わしき男性二人、そして四〜五十代の女性がひとり。この三人の対応の違いが接客業における「気遣い」の大切さを感じさせられる。

ひょっとすると店長?なのかもしれないその女性の詰め方は、温かい飲み物と冷たい飲み物をくっつけて並べて入れ、その横に菓子パンを入れる。いつもそうで、今朝もそうだった。

一方、茶髪でいちばん若そうな男性は、日頃から見ていても動きに無駄がなく、計算された動作をしているのが伝わってくる。何しろ動作が美しい。その男性の詰め方は「ふたつのドリンクの間に菓子パンを挟み込む」形だった。お分かりの通り、温かい飲み物と冷たい飲み物がお互い影響して冷めたり温まったりしないように菓子パンを断熱材のように使ったのだ。

このふたりの違いは、個人の意識の差から生まれたものだが、サービスという意味で大きな違いを生み出している。掛かる工数に全く差はなく、サービスとして大きな差を生み出している。

こういう些細な気遣いで付加価値を高められることは、意外と多いかもしれないと感じた。自分の身の周りを少し気を配って見直してみたい。


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JTF翻訳ジャーナル No.276 2015年 3月/4月号公開

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JTF翻訳ジャーナルWeb  日本翻訳連盟の「JTF翻訳ジャーナル」3/4月号が公開されました。

私のコーナー「翻訳横丁の表通り」

今号は年度最終号。昨年12月に行った拙者のJTFセミナー報告が同号に掲載されていますが、その内容を補完すべく、WildLightの内容で執筆させていただきました。

今号のお勧め記事

もちろん、私のJTFセミナーレポートです(笑)。

無料でお読み頂けますので、皆さん、是非、お気軽にアクセスしてお読み下さい。


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アメリアのブログで紹介いただきました

昨年12月に開催された拙者のJTFセミナーに関して、アメリア・ネットワークの「アメリア事務局公式ブログ」に紹介記事が載りました。

是非、お読みください。

アメリア事務局公式ブログ「JTF翻訳セミナーに事務局スタッフが参加しました」


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翻訳会社とは希望レート提示から始めよう

最近、SNSでトライアルと単価提示のタイミングについて話題になっていた。過去にも似たような記事を書いたかもしれないが、改めて記事にしてみたいと思う。

私の結論は「トライアルを受ける前に自分の希望単価を伝え、その単価で相手が発注できるかを確認する」ことである。それにより無用なトライアル翻訳を回避する。

翻訳会社には翻訳者へ支払えるレートの許容レンジを必ず持っている。翻訳単価については、日本翻訳連盟の翻訳白書や、業界誌がたまに掲載する業界動向に市場の平均レート情報を見ることができるが、翻訳会社がすべてこのレートレンジで仕事を依頼しているわけではない。翻訳会社はそれぞれに取扱分野を持ち、相手にするセグメントが違うため、ビジネスモデルも違う。つまり、翻訳者へ支払えるレートレンジも翻訳会社によってまちまちとなる。これはビジネスモデルからくる翻訳会社の体力であるため、仕方がない。

つまり、自分の希望単価が既に翻訳会社の支払可能最高額を超えている場合があるわけだ。したがって、取引をしたいと考える翻訳会社にどれほどの体力があるのかを先ず確認しないと、たとえトライアルを受けても、条件が合わず仕事に繋がらない事態になってしまう。

お互いの幸せのために、希望単価提示をお勧めしたい。