翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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単価上げ交渉マニュアル…なんちゃって

大上段に構えたタイトルをつけてみましたが、これは、ほんの冗談です(笑)

昨今、業界の景気が上向いている感じを受けることと、2020年の東京オリンピックに向けて翻訳需要が高まり、売り手市場になっていく可能性を考えると、単価相場も上昇していくのではないかと期待しています。そんな中、単価上げ交渉を積極的に仕掛けていくチャンスかもしれません。

単価上げ交渉を考える際に考慮すべきこと。

  • 単価ばかりが判断材料ではない。
  • そのエージェントの問合せ開始から納品〜請求処理〜アフターサービスまでに拘束される時間(手間)が少ないこと。
  • 余計な作業時間を必要としない原稿のスタイルであること(煩雑な前処理を必要とするか。取扱いの難しいファイル形式でないか)
  • 簡潔明瞭で付帯業務の発生しない翻訳指示であること(分かり辛く誤解を招くような指示ではないか。文書管理に絡む指示が入ってないか)
  • 仮にそれらの翻訳に付帯する作業が発生する場合、それぞれの作業費が明確であり、事前に提示されること。
  • 打診時、もしくは依頼時に作業内容と報酬額(単価と分量)が提示されること。
  • 依頼時に必ず発注書を送付してくること。
  • 支払いは期日通りに正しくされること。
  • 消費税は正しく支払われていること。
  • 消費税は外税であること。
  • 内税であっても、消費税増税時は増税分を正しく転嫁して単価を上げていること。
  • クライアントのクレームを丸投げしてこないこと。
  • 有益で的確なフィードバックを多く返してくれること。
  • 担当者が信頼できる人であること。
  • ビシネスパートナーとして対等に取り扱っていること。
  • トラブル発生時、クライアントとエージェント側の責任を明確にし、翻訳者へ一方的な押し付けをしてこないこと。
  • 自分がそのエージェントにとって必要とされている翻訳者であるかの自己評価。

つまり、その翻訳会社の取引先評価や報酬以外に得られるもの、そして翻訳案件に費やす時間から算出される時間単価を総合的に判断し、そのエージェントの単価が高いのか安いのかを判断することになるでしょう。単価は高いけれど周辺作業に時間が掛かり、その作業費用を支払ってくれないエージェントだった場合、単位時間当たりの単価を見た場合、とても低いものかもしれません。また、自分が必要とされている翻訳者かどうかの自己判断も大切になってきます。エージェントから見た時、替えがいくらでもいるような翻訳者では、レートを上げる事は難しく、仮に上げても仕事を頼まれないという状況になるでしょう。単価上げ交渉は、仕事量減少(無くなることも含む)のリスクがありますので、取引先をある程度確保できている状態で考えた方がいいでしょう。また、タイミングも仕事の依頼が増加傾向にある時が良いでしょう。

レート上げ交渉における枕詞をいくつか考えておくといいでしょう。

  • 現在取引している翻訳会社の中で一番低レートであるため、お仕事は他社さんを優先させていただいています。
  • XX円以下のレートのお仕事はお請けしないことにしております。

なお、単価交渉は自己責任でお願いいたします(笑)