翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


CAT使用を翻訳会社に言うべからず

翻訳の効率化や品質向上のツールとして、TRADOSなどの翻訳支援ソフト(CAT)を使用される翻訳者さんも多い事と思います。

CAT使用前提の案件を翻訳会社から積極的に請けるつもりがないのなら、取引先翻訳会社に「TRADOS導入しました〜」なんて、言わないほうが無難です。

ご存知のとおり、市場にはTRADOSレートというものが存在し、マッチ率によって翻訳単価が設定されています。TMの取扱いやファジーマッチの取扱いなど、注意して翻訳会社と交渉しないと、投入するリソースに対して低い報酬になってしまうというケースが生まれてしまいます。

翻訳会社にTRADOS所有を知られると、そういった案件の打診や依頼が増えていく可能性が高くなります(断れば済むことですが、断れない性格の方や、そういうことを煩わしいと思う方は避けるべきでしょう)。エージェントの立場で考えれば、「あの翻訳者、TRADOS持ってるって言ってたから、TRADOS案件を頼んでみよう」と考えるのは自然の流れです。

通常案件とTRADOS案件。その仕事の性格はかなり違ったものになるはずで、翻訳者としてどういう翻訳に携わりたいかを良く考えておきたいものです。


今更のSDL XLIFF Converter for MS Office

Trados 案件は以前から取扱っているのですが、最近、WildLight を使って処理できないかなぁとググったのがきっかけで、SDL XLIFF Converter が手放せないツールになってしまいました。(そもそも WildLight を持ち出す事自体がナンセンスなのですが(笑))

SDL XLIFF Converter for MS Office

これは、Tradosのバイリンガルファイルをワードやエクセルに変換してくれるありがたいツール。簡単に言えば、対訳表みたいなものができる訳です。一旦、ワードになってしまえば、あれこれと WildLight で処理できるので重宝しているんですね。そして、未だやった事はないですが、変換したワードファイルからバイリンガルファイルへ戻せるらしいのです。そうなると、色々と便利な事が出てきますよね。

先日お会いした Trados使いの方がご存知なかったので、ブログ記事にしておきました。

 


悲しい支援ツール

競争力強化、効率向上、品質向上など様々な理由で、翻訳作業を改善するツールを購入、もしくは自作して使用するのは、至極当然なアプローチだと思います。ましてや新興国の翻訳会社や翻訳者が台頭し、競争が激化している現状ではむしろ積極的に活用を考えるべきだと思います。

その使用は使用者の責任において自由であり、生産性と品質を上げた事により得られた余剰リソースを、別の生産行為(翻訳行為)に投入するとか、販売推進に投入するとかして収益アップへ繋げていく。

翻訳支援ツールもそう言った目的において有効なツールで、導入されている翻訳者さんも多いようです。

ところが、そう言う翻訳者さん達の自助努力を、ツール使用をエージェントが知るや否や、コスト下げを要求して搾取してるケースがあるようで、同じエージェントの立場として怒りを覚えました。

これは、エージェントが投資なしにその投資効果を得ようとしている訳で、搾取以外の何物でもないと思います。そのような意識を持ち発言をするエージェントは、ブラックリストに載せても良いくらいではないでしょうか?

ツール使用によって得られる効果をコストと言う形で求めるならば、エージェントがツールを購入(投資)し、翻訳者の同意の元に供給し、使用して貰うのが本来の姿だと思います。

不本意なコスト下げ要求に遭遇しない為にも、ツールの使用は明かさない(笑)。また、使用の痕跡は残さないように注意を払いたいものです。