翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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翻訳したら勝手に対訳表

翻訳チェックに関するセミナーやWildLightセミナーでお伝えしていますが、私は必ず「対訳表」を作成して翻訳チェックを行っています。翻訳チェックでは、原稿文書と翻訳文書への視野を変化させてチェックを行いますが、対訳表のように原文と訳文を表にすることで細部のミスが認識しやすくなるからです。ただ、その効果を理解しながらも、対訳表作成は時間の掛かる作業という認識が強く、敬遠される方も多いようです。

以前、とあるセミナーの休憩時間に高橋聡さんと雑談をしていて、翻訳作業後に簡単に対訳表作成できてしまうワザを教えてもらったことがあります。既に記憶の彼方にあったこのワザですが、昨日、大阪ほんまかいのWildLight中級セミナーの休憩時間に、ある参加者の方と立ち話をしていて対訳表作成の話になり、ふとこのワザのことを思い出してお話ししたら非常に興味を示されたので、ブログ記事にしておくことにしました。

この方法は、どんな翻訳スタイルでも使えるものではなく、ワード上で原文パラグラフの下に訳文を打ち込んでいくような翻訳スタイルでのみ使えます。

方法は至極簡単で、原文パラグラフのお尻に何かマーク(セパレーター)になるものを入力し、それに続いて訳文を入力します(原文と訳文の間で改行してはいけない)。つまり、[原文]マーク[訳文]という組合せのパラグラフをどんどん作っていき、翻訳が完了したところでセパレーターをTABに置換して、最後にワードの表作成の「文字列を表にする」機能を使って対訳表にします。作業フロー例を書くと、以下のようになります。

  1. 原文パラグラフの最後の文字の後(改行の前)に「●●●●●」を入力し、続いて訳文を入力する。
    • こんな感じ…原文原文原文原文原文原文原文原文原文原文原文原文原文原文●●●●●訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文訳文
  2. すべての翻訳が完了したら、ワードの置換機能を使い「検索する文字列」に「●●●●●」を入力、「置換後の文字列」に「^t」を入力して、「すべて置換」を押す。すると「●●●●●」がTABに置換される。
  3. Ctrl+Aを押して文書全体を範囲指定し、[挿入]→[表]→[文字列を表にする]を選択する。(もしくは、WildLightの機能を使用する。その場合は、[アドイン]→[WildLight]→[辞書管理]→[TAB区切りテキストを表にする]を選択すると一発で対訳表になります。次のステップを行う必要はありません。)
  4. 列数を2、文字列区切りにタブを選択して、[OK]を押す。文字列を表にする

以上の手順で、原文と訳文が左右に並んだ対訳表が作成できます。

ほんまかいで質問された方は、原文と訳文の間に改行がないから見辛くなると仰ってましたが、そういう方は、上記手順1で「●●●●●」を入れた後、Shift + Enter を押してソフトリターンしてください。そして手順2の置換では、「あいまい検索(日)」のレ点を外し、「検索する文字列」には「●●●●●^l」を指定してください。

※この記事を公開後、Twitterで翻訳茶さんから以下の指摘を頂きました。

ソフトリターンではなく、通常の改行(ハードリターン)でも良いのでは?

その通りですね。その場合はこうなります。上記手順1で「●●●●●」を入れて改行してください。そして手順2の置換では、「あいまい検索(日)」のレ点を外し、「検索する文字列」には「●●●●●^p」を指定してください。

対訳表作成で一番時間の掛かるアライメントが省けることと、作成の手間も然程掛からないので、翻訳スタイルが合うなら試してみる価値はありますよ。


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今更のSDL XLIFF Converter for MS Office

Trados 案件は以前から取扱っているのですが、最近、WildLight を使って処理できないかなぁとググったのがきっかけで、SDL XLIFF Converter が手放せないツールになってしまいました。(そもそも WildLight を持ち出す事自体がナンセンスなのですが(笑))

SDL XLIFF Converter for MS Office

これは、Tradosのバイリンガルファイルをワードやエクセルに変換してくれるありがたいツール。簡単に言えば、対訳表みたいなものができる訳です。一旦、ワードになってしまえば、あれこれと WildLight で処理できるので重宝しているんですね。そして、未だやった事はないですが、変換したワードファイルからバイリンガルファイルへ戻せるらしいのです。そうなると、色々と便利な事が出てきますよね。

先日お会いした Trados使いの方がご存知なかったので、ブログ記事にしておきました。

 


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初級ワードセミナー開催報告

ワードセミナー風景

2014年3月29日(土)に㈱翻訳センター会議室をお借りして、「翻訳者のための初級ワードセミナー」を開催しました。当日のセミナービデオを公開いたします。

講師に、テンフェイス 古屋俊三氏(プロフィール: http://lecturer.tenface.jp/?page_id=49)をお招きして行いました。
(セミナー資料: http://lecturer.tenface.jp/?p=281

参加された翻訳者19名で、基本的なワードの使い方を教わりました。レポートは、講師 古屋氏のブログ記事をご参照ください。
情報と教育とインターネットとデザインを語る 出張講師のウェブサイト

今回のセミナーを開催するきっかけとなったのは、「普通のワードの使い方セミナーやったら、興味ある?」という翻訳クラスターへの投げ掛けからきまりました。翻訳案件の中で比較的取扱の多いマイクロソフトワードですが、その使い方は自己流であったり、自分の知っている機能を使う程度で留まっている事が多いように思います。今回のセミナーは、もう少し機能を知って、自分達の仕事を効率的なものにできたらという考えから開催しました。

私自身、知りたかった機能を学ぶ事ができましたし、あれ?こんな機能あったのかと新しい学びもありました。

今後、要望があれば、エクセルやパワーポイントのセミナーも開催していきたいですね。

 


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