翻訳横丁の裏路地

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翻訳単価と消費税の取り扱いはどうなったのか? [アンケート結果]

消費税増税のタイミングで開始したアンケート「4月から貴方の翻訳単価と消費税の取り扱いはどうなった?」ですが、投票を先週末に終了し、結果が出ましたのでご報告いたします。

アンケート結果:

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注意事項)

  • IPアドレスチェックによる複数投票の禁止機能を使いました。
  • ひとりで複数選択可能としてアンケートしました。
  • 投票した人が、本当に翻訳者かどうかの確認はできません。
  • 数字は「投票数」であって「翻訳会社数」ではありません。

上記のようなデータになりました。

イメージとして、この消費増税後に「外税」に移行したエージェントが多いようです。「連絡なし」を除外し、かつ「その他」を内容から判断して加算した数字で見ると、4月時点で外税と回答された投票数は全体の 61.4% と高い比率を示しています。そのうち7割が今回の消費税増税のタイミングで外税へ移行している事になります。内税継続、もしくは内税移行で消費税増税分を正しく転嫁されたケースが 21.6%。つまり、83.0% が消費税増税の転嫁を正しく受けられるケースのようです。

一方で、以下のような法律違反を疑われる発言がされているようです。

  1.  「内税のままで、内税単価はそのままだった。」→消費税増税分の転嫁がされない「買い叩き」のケース(当ブログ記事「消費税増税:大丈夫か?こんな翻訳会社」を参照にされたし)
  2. 「消費税の支払いは不明だったが、内税へ移行し、単価は変更なかった。」→同上
  3.  「消費税は支払えないと言われた。」→消費税支払拒否(当ブログ記事「消費税価格転嫁等総合相談センターへ相談した」を参照にされたし)
  4. 「内税から外税へ移行したが、そのついでに本体価格が引き下げられた。」(その他にあった内容)→これも「買い叩き」です。

まだ連絡がない翻訳会社があるものの、増税分を適正に転嫁する形で連絡をしている翻訳会社が多いようで、少し安心する一方で、上記のような転嫁・支払いを拒む翻訳会社も少なからずあるようです。こういう悪質な翻訳会社との取引関係を見直す良いタイミングだと思います。少なくとも、今回のアンケートデータをご覧頂いて分かる通り、適正対応する翻訳会社が圧倒的に多く存在するという事です。つまり、上記のような悪質な対応をする会社とは取引を止め、正しく対応する翻訳会社との取引にシフトしていくのが良いと思います。

どうか、このデータをお役立て下さい。

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「できたのか?」「終わらせたのか?」

最近、あるコーヒーの宣伝文句で「それは『できたのか?』『終わらせたのか?』」という台詞を耳にした。そのCMの登場人物が、概ね誰もいないと思われる真っ暗になったオフィスで、独り黙々と仕事をして、やっと終わらせたところに、天の声?が発した言葉がそれだった。

このセリフを聞いて、同時にふたつの事を頭の中で考えました。それは、勤め人としてどう考えるのよ?という事、そして翻訳者として捉えたら、どう考えるのよ?という事。

最初は当然、勤め人として脳内は反応したのですが、このCMを見た瞬間に「気持ち悪い」と思いました。時と場合によっては、深夜にまで掛かって仕事を終わらせる事も確かに過去はあったけれども、それがあたかも「正しい」が如く雰囲気を醸し出したCMに、凄く気持ちの悪いものを感じたのだと思います。全然、当たり前の事ではないですからね、こういう状態。個人の仕事の管理がマズイのか、上司の管理監督能力が低いのか、そういう性格の話にしか感じとれない。

まぁ、どんな仕事の内容かは分からないけれども、付け焼刃的な仕事発生によるものならば、完成度よりもスピードが概ね求められる訳でしょうから、「終わらせる」事の方が断然大切なのだと思います。このブログへ引っ越す前のブログで一度記事にした事がありますが、組織の中で仕事を効率的に片付け回していくには、仕事の完成度を「75%」くらいを良しとして終わらせるのが良いと考えています。昔、完璧性の部下にも頻繁に言っていた言葉です。仕事は結局、ひとりで完結する事がなく、取り巻く上司や同僚、前後工程の人間など関わる人間が非常に多いので、停滞させるよりはある程度の形にして回した方が問題点が早期に顕在化され、対応も早くとられ、結果的にスムースに仕事が回転していくのです。要求される質も、その過程で是正されて完成されるのですから、独り善がりな完璧品より、素早く提供される叩き台の方が良いのです。CMの中身は何だかわからないですが、漠然とCMを見ていて、「何を言いたいんだ?『終わらせた』程度で多分概ね問題ない筈なんだけどな」と思ったのです。

さて…

これを翻訳者の仕事と捉えてみると、全く逆の考え方になりますよね。そもそも翻訳者の仕事は一人完結。職人の仕事と同じです。当然、「終わらせた」という意識で翻訳されるなどと言う事はあってはならない筈です。自分の仕事に納得ができた時点で「終わった」「できた」という事になるのでしょう。

自分の仕事、完成品の先に何があるのか、誰がいるのか、どう使われるのか。そこを考えると、なすべき事とその要求レベルが分かってくるはずです。