翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.

数字は翻訳しないのか?

Com2Blogのブログ主 Komatsuさんが「数字でも翻訳不要の用語でも、全部カウントしますよ」という記事を公開されました。

よくぞ、言ってくれたと心の中でガッツポーズ。

これに関連して、いくつかツイートしたので、以下に加筆修正して貼り付けておきます。

翻訳プロセス上、数字も英単語と全く取扱いが一緒です。数字に報酬を払わないと言われたら、数字抜きでは文章解釈不可能で翻訳できないため、仕事をお断りしています。

数字やUIなどを「翻訳不要」なものという表現を我々翻訳関係者がしてはダメです。翻訳は絶対必要で「言語間で文字の置換が不要な場合が多い」だけです。翻訳は文字の置換行為ではありません。

翻訳はまず原文の解釈から始まるわけだけど、その翻訳の過程は誰でも理解してくれる。そこで日本語原文から数字を抜いて読んで貰い、解釈できるかを聞いてみる。概ね正確な解釈なんて無理だよね。おまけに数字は重要な情報で欠かせないケースが多い。これで「数字抜きはダメ」だと大体理解して貰える。

数字に報酬を払わないという意味は、数字を翻訳対象から除外するという意味と解釈できる。そうすると、前述の通り「原文解釈不可能」となるので、普通の翻訳者なら仕事が受けられないって事になる。だから断るべきなのよね。

以前から何人かの翻訳者さんより「数字をカウントしない翻訳会社があるのですが…」とタレコミ情報を頂いていて、この件をことあるごとに考えているのですが、現状の私の考え方は以下の通り:

  • 報酬カウントしないということは、数字を翻訳対象から除外するということ。(パッチワーク翻訳の類と同じ)
  • 即ち、翻訳で重要な原文解釈の段階から数字は除外して原文を読むということ。
  • それで解釈できないならば、翻訳できないのであるから、仕事は受けられないことになる。(原文不備と同じこと)
  • そのような要求をする翻訳会社には、数字を削除した原稿を読んで貰い、理解できるかを確認すると良い。理解できないなら翻訳は出来ないということ。

「翻訳は文字の置換である」という大きな誤解から、このような要求が出るのだと思うのです。実際は違いますよね。例え、文字の置換が発生せずとも翻訳を行っているのです。

「翻訳は文字の置換ではない。また、文字の置換の有無は翻訳のプロセスと関係ない。」

これは翻訳に携わっている人は理解していることだと思います。だからこそ、以前から言及しているとおり、翻訳のプロである翻訳会社が数字をカウントしない等と言うこと自体が恥べきことなのではないか?と思うのです。

(注) ここでいう数字とは文章中にある数字のことです。表内の数値など、翻訳が発生しないものは対象としていません。

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作成者: Terry Saito

某社翻訳部門の中の人です。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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