翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


JTFセミナー(村井章子さん)受講報告

8月4日(木)に日本翻訳連盟主催の翻訳セミナーへ参加してきました。登壇されたのは「悪いヤツほど出世する」や「LEAN IN」の翻訳を手掛けられた村井章子さんです。

村井さんがセミナーをされる機会は非常に少ないので、早くから休暇予約し仕事の調整をして万全の体制で受講しました(笑)。事実、村井さんご自身が「今まで3回程しか講演をしたことがない」と仰っていました。今回聴講できて非常にラッキーでした。

講演の内容は、聞きたい話を聞けた!そんな感じで、村井さんのお人柄も手伝って、とても面白く楽しくお話を聞けました。

いつものごとく、私が印象に残ったものを以下に列記しておきます。あくまでも私の解釈であり、村井さんの意図通りでないものを含んでいると思いますので、そのつもりでお読みください。

・翻訳文は、原文を翻訳者が解釈した結果である。故に翻訳者の責任は重大である。

身の引き締まるお言葉です。

・読者の注意力を奪うような訳文にしてはならない。

ストレスなく読めてすんなりと理解ができる、そんな訳文を書かなくてはならないという事ですね。

・原文の解釈を文法に頼ろうとしたときは、概ね解釈を間違っている。

この言葉を聞いたときは「はっ」としました。どうにも原文が理解できずに文法から解釈を試みる場面には、身に覚えがある(笑)。そういう時って、往々にして何かが欠落しているのですよね。深く反省しました。

(8/9日追記) この説明を「文法軽視」と捉える向きもあるようだが、真逆である。翻訳者の常識として「文法は大切である」という前提に立っての発言と私は解釈した。でなければ「はっ!」としようがない。

・辞書は、過去の訳語を集めたもの。自分が相手にしている文章に無条件に合致することを保証するものではない。

「たかが辞書、信じるは馬鹿、引かぬは大馬鹿」を引用されてお話されましたが、まさしくそうですよね。

・基本1500語に形容詞が英語は16%、日本語は4%

つまり英語の形容詞をなんでもかんでも日本語へしてしまえば良いというわけではないということ。日本語として不自然な文章になってしまう。

・電車に乗っていても、中吊り広告や看板などの日本語が気になって飽きないとのこと。

「あれ?」と思う言葉を見つけたら、メモ帳を引っ張りだしてメモをされているそうです。それくらい言葉に敏感であるということが大切なんだと思いました。見習わなくてはいけませんね。

今回のセミナーはDVD化されるのかな?もし、そうなら買っておきたいと思います。