翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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【報告】福岡翻訳勉強会、無事に終了

一昨日の9月24日に、ももちパレスで開催された福岡翻訳勉強会の「博多で翻訳勉強会」が無事に終了しました。

関係者のTwitter発言がきっかけになって、あれよあれよと講師陣が決定し、福岡翻訳勉強会メンバーの意気込みによって一気に今回のような大きなイベント開催へと繋がりました。本当に素晴らしいイベントに関わらせていただいたことに感謝いたします。(その辺りのいきさつは、こちらの記事を参照してください)

企画段階では、福岡、山口、大阪、東京に点在する関係者をFacebookのグループを使って繋ぎ、イベントについてあれこれと検討しました。SNSが発達した「いま」だからこそ出来たイベントかもしれません。私の中では、エポックメイキング的なイベントだったと感じています。

参加いただいた方は四十数名。途中からは質問が活発に出るなど、皆さんの意気込みを感じることができました。懇親会でお話した方々の勉強会評価は、とても良かったようです。「この3セッションでこの参加費は安い」と仰っていた方もいました。

私を含めた講師陣3名は、特に事前打ち合わせをしたわけでもなく、お互いにタイトル程度の理解でセミナーに臨んだわけですが、トップバッターの小林さんのセミナーを聞くに従い、深井さんも私もそれぞれのセミナー内容が相互に符合していることに気づきました。3つのセッションとも根底に流れる考え方は同じで、あたかも1つのテーマを3つの切口でセミナーにしたような、なんだか3つのセミナーが1つの組曲を成しているような、そんな感じでした。聴講者の方々にも同じ印象を持たれた方がいたようです。今回はいろいろな意味で、本当に奇跡的な勉強会だったと言えるかもしれません。(東京で開催されている勉強会でも、こんなことはあまり経験ないです)

私自身にとって、福岡は初めて。街並みも素敵で食べ物も美味しく、時間が許されるならもっと滞在したかったですね。機会があれば、また来たいと思います。私のセミナーに関しては、懇親会でいろいろな方から感想をいただき、とても勉強になりました。私の自己評価以上に、お役に立っているようだと言うことが分かりました。11月29日のJTF翻訳祭に向け、自信をいただいたような気持ちです。内容をブラッシュアップする方向性が見えましたので、この気づきを上手くJTF翻訳祭の私のセッションへ反映したいと考えています。(セミナー途中、マシントラブルで泡を吹きましたが(笑))

今回のイベントは、福岡翻訳勉強会メンバーの周到な準備のお陰で、とても楽しい勉強会と懇親会になったと思います。今後もこの勉強会が地元に根付いて継続されていくことを祈っております。この場を借りまして、今回のイベントを企画/運営されました福岡翻訳勉強会メンバーの皆さん、そして会へ参加されたすべての方にお礼を申し上げます。
ありがとうございました。


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JTF翻訳祭 詳細プログラム決まる

2016年11月29日(火)にアルカディア市ヶ谷で開催される日本翻訳連盟主催「JTF翻訳祭」の詳細プログラムが発表になりました。

今年は、企画実行委員として参画させていただいていますが、クライアントや翻訳会社、それに翻訳者にとっても興味深いセッションばかりだと自負しています。また、今年から通訳に関するセッションも登場し、多くの方の参加をお待ちしています。

さて、私事ではありますが、今回の翻訳祭では5年ぶりに単独で登壇させていただきます。

誰も教えてくれない翻訳チェック
~翻訳者にとっての翻訳チェックを考える~

というタイトルでお話をさせていただきます。

是非、JTF翻訳祭への参加をご検討ください。 


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翻訳にTOEICは関係ない

翻訳関係者の方は「何をいまさら当たり前のことを」と仰ることでしょう。過去記事を探してみたら書いていないようなので、記事にしておきます。

「TOEIC XXX以上の翻訳者を…云々」を翻訳品質の高さの代名詞に使っている翻訳サービスを見掛けるたびに、「それ?相関取ってないだろ?」とツッコミを入れています。ただ、一般の人には「TOEIC=語学力=翻訳の質の良さ」という大きな誤解があるので、そう捉えられるのを狙っての宣伝文句ですよね。

昔、社内翻訳者を束ねていた頃、新規採用に応募してくる翻訳者のTOEICスコアとトライアル翻訳評価の相関データを採ったことがあります。サンプル数は25名程度だったと思いますが、それでも相関関係は充分に判断できるデータでした。そのデータから(当時)判断したことは以下の通り。

  • TOEIC 760以上は、TOEICスコアと翻訳の質に相関関係は無い。

散布図にするとはっきりと分かるのですが、全く相関が見えません。それ以降、TOEICスコアはまったく重要視しなくなりました。

翻訳を発注するクライアント企業の方は、この点を知っておいて欲しいものです。


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逃げるから追いかけられる

今日は、ちょっと翻訳とは関係ない話を書きます。

仕事に限らない話ですが、「やらねばならないこと」「やるべきだと分かっていること」と理解しているのに、あれこれと頭の中でやらない理由を付けて、物事をずるずると先延ばしにしたり、やらなかったりすることがありますよね。やれば、きっと大した手間でもないのに、先延ばしにする。

もちろん「やらない理由」が、リスクマネジメントに基づいた論理的な理由であれば問題ないですが、感情的な理由であったり、好き嫌いの問題であったりと、どこか自分で避けて通ろうという意識が働いて「やらない」場合は、後になっていろいろと問題が起こってしまうものです。以前も書いたかもしれませんが、私は元来チキンな性格で、若い頃はとにかく逃げたり避けたりが多かった。それが理由で、自分が損をしたり、多くの人を巻き込んだ大問題に発展したりと決して良い結果に結びつかなかった経験に照らし合わせても、それは正しいと思っています。

経験的に見ても、逃げると必ず追いかけられます。何から逃げているのかを突き詰めると、それは「自分自身」なんですよね。怠慢やらズルをすると、物理的だったり感情的だったり、何かしらの跳ね返りがあり、それにずっと追いかけられる。事が表面化すると、その帳尻合せに頭を悩ませる。相手のある話なら、他人を巻き込んだ大問題になって、体裁を整えようとさらにズルをする。そして、もっと状況が悪化するという負のスパイラルに堕ちていく。仮に表面化しなくとも、そのことが自分の心を追いかける。明るい気持ちになれるわけもなく、毎日どんよりとした暗い気持ちで過ごすようになる。運悪く、それに慣れてしまって何も感じなくなったら、その時は自分の心を破壊してしまったことになるんでしょう。

自分を欺いて、いったい何を守っているんでしょうね。保身のために取った行動で、最終的には自分を傷つけてしまう。「こうすべき」と判断した自分を「避ける」という「自分への甘え」が元凶なんでしょう。「自分への嘘」ですよね。

仕事においていえば、(追いかけられることなく)元気に明るく毎日を過ごすためには、自分の役務に期待される行動を、個人的な感情に左右されずに取ることでしょう。やるべきと判断されたことは躊躇することなくやり、主張すべき事は隠すことなく主張する。プロであるということを意識すれば、当然とられるべき行動でしょう。

今日は、当たり前のことを書いてみました。