翻訳横丁の裏路地

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SimplyTermsセミナー受講報告

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今日、翻訳フォーラム・レッスンシリーズ第5弾「翻訳に活かすSimplyTerms」を受講してきました。

SimplyTermsは、産業翻訳者である井口耕二さんが開発された翻訳支援ツールで、私も本業で利用させていただいていました。なぜ過去形で書いたかというと、現在は拙作WildLight単独、もしくはTradosとWildLightの組合せで運用しているからです。私の場合、翻訳チェックに主眼を置いたツール運用を検討していて、以前はSimplyTermsを利用して、エクセルやパワーポイントファイルからテキストを抜き、ワードへ持ち込んで(当時、まだxlsやpptからテキスト抜きができなかった)WildLightでチェックをするというスタイルを取っていました。

今回、このセミナーを受講したのには3つの理由があります。1)SimplyTermsの主要機能をちゃんと把握したかった(ヘルプをちゃんと読めという話もある)。2)開発者である井口さんが行うSimplyTermsセミナーは、滅多に受講できないこと。3)WildLightへ適用できるアイデアの収集目的。内容は期待通りのセミナーでした。

[共感したこと]

  • 「人が頭を使わない作業は、コンピュータにやらせる。」という考え方は、翻訳に限ったことではなく、間接業務の業務改善に適用すべき考え方で、とても共感しました。
  • 例え1ステップの改善でもマクロを作って省力化されていました。「たった1ステップと捉えるかもしれないが、それが繰り返されれば1000ステップ、1万ステップと大きな違いになる」というお話しは、大いに共感です。
  • SimplyTermsは、井口さんが自分で使うために開発されたツールで、ある程度の形になったので、ならばみんなに使って貰おうと公開されたそうです。本当にありがたいことです。

SimplyTermsというツールの説明でありながら、実際のところは翻訳のフローに従って、どう翻訳という仕事の効率をあげているかをお話しされているように感じました。些細なことでも、必要となる工数とのバランスを考えて、マクロを使って改善をされている。この姿勢がとても大切で、総合的に見るとQCDの面で大きな違いを生むことになっているのだろうと思いました。

[SimplyTermsとWildLightの開発思想の違い]

  • SimplyTermsの使い方とその機能の詳細を聞いている中で気がついたのは、SimplyTermsは、翻訳者が翻訳作業を進める中で発生するいろいろな作業を、如何に効率的に行うかを考えて開発されているということです。まさしく、翻訳をするための支援ツールなわけです。
  • 一方のWildLightは、翻訳チェックをする上で如何に人間の検出力を補助するかをスタートポイントに開発したツールであるため、その考え方の違いが細部に現れていて、とても興味深かったです。

ツールの使い分けは、こういった思想の違いもヒントになるかもしれませんね。

今回、SimplyTermsに盛り込まれた細かな工夫やその考え方を詳しく聞けたのは、とても有益でした。お話しを聞いているうちに、自分のツールへ盛り込む機能のアイデアをいろいろと思いつきました。ノート3頁もメモを取ったのは久し振りです。本業でSimplyTermsを活用するイメージできたので、早速使いたいと思います。また、学んだことや気付いたアイデアを元に、拙作のツールの機能アップと改善を行っていきたいと考えています。

作成者: Terry Saito

二足の草鞋を履く実務翻訳者です。某社で翻訳コーディネーター、社内翻訳者をやっていました。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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