翻訳横丁の裏路地

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【報告】インバウンドマーケットEXPO

2月21日に東京ビッグサイトにて開催されたインバウンドマーケットEXPOで、「翻訳で失敗しないために〜翻訳発注の手引き〜」というテーマで講演してきました。

このタイトル、覚えがないでしょうか?

そう、日本翻訳連盟(JTF)や日本翻訳者協会(JAT)のウェブサイトで公開されている冊子(PDF)タイトルと同じです。(無料でダウンロードできます)

今回、この冊子の考え方をベースに、翻訳を翻訳会社や翻訳者へ依頼するときの注意点をお話ししました。

ただ、今回の講演が過去に経験したものと大きく違う点は、オーディエンスが翻訳業界の方々ではないということだと思います。いきなり、翻訳発注時の注意点を話してみても、きっと伝わらない。ならば、翻訳を知らない前提に立って伝える必要があると考えて、最初に「翻訳を日本語だけで感じる」というパートを設けました。

オーディエンスには法人の方が圧倒的に多いはずですので、勤め人なら必ず共感されるだろうと思われる例をひとつと、こんな例を持ち出して話をしました。ここで伝えたかったのは、日本語ネイティブが書いても、まともな文章にならないことが多いこと。つまり翻訳も同様で、言葉を知っていればできるものではないこと。読者の持つ背景情報の違いにより同じ文章でも解釈が変わること。翻訳では、原文を正しく理解するために背景情報を調べたり、翻訳文の読者が正しく解釈できるかの背景情報のリサーチや裏付け取りなど膨大な調べものをして翻訳文が成り立っていること、そしてそこにはプロの領域があることなどを伝えたつもりです。「翻訳はプロの仕事であり、翻訳を依頼するなら、まずはプロに相談すべし」と結びました。

こういった説明をしてからでないと、翻訳依頼時に必要な事項や、翻訳に時間が掛かる理由、翻訳にお金が掛かる理由などに納得感が生まれないですからね。

講演後、ある企業の方がこられて「XXXというプロジェクトに関わっているのだが、話を聞いて、翻訳はやはりプロに依頼すべきと思った。どこか紹介してくれないか」と相談を受けました。日本語を題材にして翻訳を感じてもらう作戦は上手く行ったようです。

作成者: Terry Saito

某社翻訳部門の中の人です。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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