10月24日にパシフィコ横浜で開催されたJTF翻訳祭2019、無事に終了しました。
運営関係者のみなさま、ご登壇されたみなさま、そしてご参加いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
参加者数が史上最高だった模様。その割には会場がゆったりした印象がありましたね(パーティー会場は大混雑だったけど)。来年もパシフィコ横浜で11月11日に開催されるそうです。
私にとって久し振りの(笑)翻訳祭でしたが、登壇セッションが2つとなかなかハードでした。毎回、間近になってドタバタと忙しない事態に陥りますが、それはそれで楽しめたかな?(<嘘つけ)
トラック1セッション1「質を守る翻訳者の工夫~原稿受領の時点から」
サテライト会場も含め、立ち見が出る大盛況でしたね。会場スタッフとの連携が悪く、セッション開始が8分も遅れてしまい、ご迷惑をお掛けしました。ただ終了時間はきっちり守りました(笑)
セッションは、高橋さきのさん、そして私の順でお話をしました。
さきのさんが冒頭で「台風19号『川周辺に避難を』浜松市、防災メール誤訳し配信」の記事を取り上げられました。これは、市の担当者が防災情報を自動翻訳を使って出力し(言語が分からないので)そのまま配信したが、その出力が「川周辺に避難しろ」と解釈できるもの(誤訳)だったという事件です。
この報道記事タイトルを見た一般の方が、翻訳者が誤訳したかのように誤解する事案が発生しているのを受け、「自動翻訳の出力を公の場に使い、それが問題となったときに、われわれ翻訳者が(翻訳を)行ったような誤解をされてしまう、故にこういう事故もちゃんと理解をして、機械翻訳という存在も考えておかなくてはならない」と話しをされました。
私のパートを含め、このセッションの内容は、JTFジャーナルに掲載させる予定ですので、内容にご興味のある方は、そちらを参照してください。
トラック2セッション4「玄人な関係を築くための本音トーク90分」
メディア総研の平野さんと登壇しましたが、予定調和に陥らずライブ感を大切にしようということで、事前の打合せでは、流れとテーマを相談しただけで内容には極力踏み込まないようにして準備を進めてきました。
当日、セッション直前にいろいろと段取りを事前確認していたものの、トークを始めるとふたりともそんなことは忘れて暴走気味で(笑)、しっかりとした時間配分ができませんでした。一部、かなりのぶっちゃけトークもあり、また着地点を見失ったようなところもあり、聴講いただいた方にはやきもきされた方もいたことでしょう。質問を準備されていた聴講者の方には、質問をする機会を設けられず申し訳なかったです。
営業からPM、翻訳者からPMというまったく違った流れで翻訳という仕事を見てきたふたりですし、翻訳経験の有無も相まって、ふたりの意見にコントラストが見られた場面が多くみられたと思います。
特に、MTに関するトークでは、そのコントラストが明確に出たと思います。この話はセッション1冒頭で高橋さんが取り上げられた話につながるところがありますが、機械翻訳の出力は正確性が担保されないということを、一般の方々にはもっと理解していただく必要があると思います。一方で、如何にも正確だという宣伝文句が流布していることも承知していますが、100%と言わない限り正確性は担保されないのですから、機械翻訳の出力をそのまま公の場に使用するという目的には向きません(危険です)。ツールですので、その特性をよく理解し、正しい使い方をする必要があります。
当セッションは、基本的に「クライアント・翻訳会社・翻訳者がちゃんと相互にコミュニケーションしよう。そのためには自らが玄人であらねばならない。また、相手を玄人として尊重しよう。」という考えをベースに、何が足りていないのかをアンケート回答を基にトークしたつもりです。(伝わりづらいって?(笑))
その他いろいろ
- 多くの企業と翻訳者が一堂に会する翻訳祭というイベントは、自分の中のいろいろな認識を確認したり改めたりする良い機会になると再認識しました。
- もっと積極的にネットワーキングすれば良かったと反省。(既にヘロヘロの状態だったため、あまり積極的でなかったのが言い訳)
- 企業ブースを初めて(恥)じっくりと回りました。翻訳者さんにとって、とても良い営業機会になりますね。積極的に挨拶周りされるのが良いと思いました。
- 久し振りにお目にかかる方々との再会が嬉しかった。(やはり「祭」の要素があり、そういう再開の場として考えるのも有りですね)
- 一部業界を騒がしている渦中の人物が、門下生を多数引き連れて参加されていましたね。自分も含め、いろいろな出来事があったようです。あちこちから耳に入っています(笑)。
- パーティー後にいただいたお土産のどら焼き。粋ですね。「ほんの気持ちです」がとてもいい。なんだか達成感を感じながら、ホテルでいただきました。
パーティー参加者に配られたどら焼き
とても素敵なアイデアだと思いました。