翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


仕事の条件はちゃんと決めておく

翻訳会社とのやりとりの中で、相手の話にほだされて、情け心から無理な案件を引き受けてしまう方の話をよく耳にします。「信頼関係を築くため」とか「関係悪化を心配して」とか、いろいろと後付けの理由を聞きますが、どれも結局は自分に対する甘えにしか私には聞こえません。

打診時に提示された条件が、問い合わせの度にどんどん厳しくなっているのに「お客さんが~」とか「他に頼める翻訳者さんがいなくて~」とか泣き付かれて、情にほだされて仕事を請けてしまう。こんな話を聞いていると、相手は悪徳セールスに似た交渉術を使っているなぁと感じるのですが、その術にしっかりと引っかかっているように見えます。


●仕事を請ける条件を自分なりに決めていますか?●

例えば文書分野、技術分野、分量と納期。そういうパラメーターで自分が仕事を請ける条件を決めているでしょうか?この条件を超えて仕事を請けると、例えば品質を担保できなくなるとか、体調を崩して数日仕事ができなくなるとか、そういう限界点のことです。(もちろん、ある程度のマージンは持つのですが)

仕事を請ける条件を明確に自分の中に決めておけば、相手の話術や交渉術に乗せられて、その場の気分で無理な仕事を請けることは少なくなるはずです。

無理は必ずどこかに現れます。それが翻訳なのか別のものなのかは分かりませんが、それにより顧客の信頼を失う可能性もあるわけです。「相手のため」と思っていることが「仇」になりかねないのです。まさに「情けが仇」です。

プロというものは、自己管理ができなくてはなりません。心理的なものもそうです。また仕事の交渉ができなくてはなりません。自分の最高出力を阻害する要因をしっかりと認識して、それが達成できないならば潔く仕事を断る、そういう意識が必要だと思います。


【報告】大阪ほんまかいセミナー終了


5月14日に神戸大学学友会大阪クラブで開催された大阪ほんまかいの特別勉強会で、「翻訳チェックとWildLight活用」というテーマでお話しさせていただきました。40名近い参加者に会場は熱気ムンムン。私の予想に反して(?)初めてお目に掛かる方が多い印象から、急遽、発表スライドに自己紹介を追加してお話ししました。(久しぶりの大阪だったこともあり、私が忘れているだけかもしれませんが(笑))

WildLightセミナーをするたびにその内容に悩んでしまうのですが、今回はプロの翻訳者ばかりという前提で、WildLightを使う上で私が伝えておきたいこととWildLightの使い方&デモという構成にしました。ざっくり言うと、いつものWildLight初級セミナーに、JTFセミナーの内容をより翻訳チェックに特化してシェイプアップし、バージョンアップしたような内容を追加しました。

懇親会やフェイスブック、それに参加いただいた方のブログ記事などの反応を見る限り、概ね良かったのかな?と感じています。

大阪の参加者は、とても多くの意見や質問、発言をしてくれるので、私自身にとってもとても勉強になる良いセミナーでした。

さて、今回のセミナーのエッセンスとなる冒頭の5つの質問をここに書いておきます。一行ずつゆっくりと読み、脳内で具体的に説明してみてください。

  1. 翻訳物の何をチェックしていますか?
  2. それをどのようにチェックしていますか?
  3. なぜ、その方法なんですか?
  4. 順番は決まっていますか?
  5. なぜ、その順番なんですか?

ちゃんと具体的に自分へ説明できましたか?

「WildLight中級セミナー」を大阪で!という要望もいただきました。日程を調整して、実現させたいと思います。


新しいJTFジャーナルのスタートです

journal20160506

2016年度の日本翻訳ジャーナルがスタートしました。

今年度からコラムコーナーが刷新され、新連載が一挙に9つも開始します。それぞれが非常に中身の濃い記事ばかりで、今後の展開がとても楽しみですね。

そのタイトルと執筆者を以下に引用します。

  • 続・翻訳者のための作戦会議室 第1回 ● 井口 耕二さん
  • メディカル翻訳者のキャリアパス 一流翻訳者になるために ● 石岡 映子さん
  • いまさらながらの…CATツール★超基本 第1回そもそもCATツールって何?● 加藤じゅんこさん
  • 帽子屋の辞典十夜 第1回「Webster辞書のなぞ」● 高橋 聡さん
  • 『何でも教えてキカク』 ISO17100認証取得に必要な準備 ● 田嶌 奈々さん
  • 翻訳品質のランチボックス 翻訳の「品質」とは(1)● 西野 竜太郎さん
  • 翻訳者のためのWord再入門 Wordの初期設定 ● 新田 順也さん
  • 機械翻訳の近未来 ドキュメント翻訳 ● 本間 奨さん
  • 翻訳テクノロジーを学ぶ ~導入編~ ● 山田 優さん

記事タイトルと執筆陣のお名前を見るだけでも、その中身が気になりますよね?
ぜひ、以下のURLからアクセスして、お読みください。

JTFジャーナルWeb: http://journal.jtf.jp/

なお、本年度から私は自分コーナー(連載)を持ちませんが、広報委員として引き続き日本翻訳ジャーナルに関わっていきます。今後も、ジャーナル記事に期待してくださいね。


共同ブログ「小技の森」スタート

logo_s25月より、有志の翻訳者が共同で記事を執筆するブログ「小技の森」をスタートいたします。

 

ブログ「小技の森」

 

日本翻訳ジャーナルの編集委員を続ける中で、「翻訳者さんたちがそれぞれ好きな記事を書く、共同ブログを作りたいなぁ」という想いを持つようになったのですが、最近、ある翻訳者がSNSに書き込まれた「自分の当たり前ワザ」を他の翻訳者さんが参考にされている姿を見て、「これを題材にしてみてはどうだろう?」と思いつきました。早速、FBで執筆に協力していただける方を募集したところ、ありがたいことに20名もの方に手を挙げていただきました。

まずは、翻訳という仕事では避けて通れないMicrosoft Word/ Excel/ PowerPointやTrados, Felix などの翻訳支援ツール、そしてWindows/ Mac のようなOSに関するちょっと便利な技を記事にしていきます。とはいえ、記事ネタは特に制限していませんので、何でもアリです。翻訳全体へ話題を広げていけたらいいなぁと考えています。

皆さんのお役に立てるようでしたら嬉しいです。



小技の森ツイッター: https://twitter.com/TIPS4Translate