翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


1件のコメント

翻訳者よ、実名でブログろう!

SNSを題材とした物書きをしながら、色々と考えを巡らしているのですが、翻訳者にとってネット上で実名を晒す事は、果たしてマイナスなのでしょうか?

SNSをパーソナルブランディングのために積極的に使う通訳者・翻訳者さんは、当然実名を使っています。自らの名前をブランドとして前面に打ち出しているのですから当然ですよね。

では、そうではない通訳者・翻訳者さん達はどうでしょうか?

同業者とコミュニケーションできる程度でいい…と考えている人には、ネットで実名を晒すなんて飛んでもないと考える方が多い事でしょう。

遡る事二年前、翻訳者募集をした事があります。その時の事を思い出してみたのですが、募集戴いた翻訳者さんの情報を見て、一番最初に行った事は、Googleの検索窓に応募者のフルネームを入力し、検索する事でした。

目的は、ネット上にその方の情報が存在しているか?を確認し、その情報を読むためです。

最近は企業の人事が、新卒者採用時にネットで人物検索しているというあれと同じです。

私とネットで繋がっている方であれば、その方を多少なりでも知っている訳ですから、人物理解の参考になります。また、ネット上で実名を使っている方だった場合、例えば、ブログを持っていて、実名で記事を書いている方だった場合には、その記事からどのような方かが分かります。もし、翻訳に関するブログであれば、履歴書・経歴書では表現されない「プロ意識」を理解する助けになり、また、翻訳の実力を類推する事が出来ます。少なくとも実名で勝負している点は、信用できる人物かも?と言う評価に繋がるでしょう。

つまり、ありきたりで能面のような履歴書や職務経歴書では汲み取れない「どんな人なのか?」「信頼できそうか?」「どんな意識を持った人なのか?」と言う人物像を、ネットの情報から得ようとしています。

そういった情報がネット上に見られる応募者を他の応募者より優先するのは、考えて頂ければ分かると思います。

インターネットがここまで普及し、携帯電話やスマートフォンで誰でも検索できる今の時代に、昔ながらの履歴書・職務経歴書だけに依存する従来のやり方を踏襲しているのはナンセンスでしょう。

「ネット検索で見つからなければ、存在していないのと同じ」

良く聞く言葉ですね。今の時代、翻訳者も同じ事が言えるのかもしれません。仕事を得る上で、エージェントやソースクライアントとの接触が不可欠な翻訳者や通訳者にとって、ネット上で実名を使って活動する事のメリットは大きいと思います。

こんな実例があります。ある応募者は、自己アピールにご自身のブログのURLを書いておられました。勿論、アクセスして読ませて頂いたのですが、しっかりと実名でブログを書いておられました。ブログ記事から読み取れたのは、ある分野の知識にとても明る事。翻訳品質を確保するための仕掛けを色々と生み出し、実践されている事。勉強に余念が無いと言う事。そして、TRADOSに精通している事でした。

他の応募者は後回しにして、この方に即座に連絡をつけたのは想像できると思います。

逆にマイナス評価になる場合があるのでは??と心配になりますか?
そんな方には逆に質問したくなります。「マイナス評価になるような事をネット上でやっているのですか?」

少なくとも実名を使うとしたならば、自分にマイナスとなるような間違ったことはやらないでしょう?

プライバシーに関する情報を出す時には注意が必要になりますが、通訳者・翻訳者さんは実名でのネット利用が意外なところで有利に働くのだと言うことを知って欲しいと思います。

皆さんも、実名でブログを書きましょう。


名刺って役に立っているの?

イベントやオフ会で、多くの翻訳者や翻訳関係者とお目に掛かり名刺交換をしていますが、時々、いただいた名刺を眺めながら「う〜ん、どんな方だったっけ?」と思い出すのが難しいことが多いです。

まぁ、私個人の記憶力の無さの成せる技なんですが、一体、名刺を見て、何人の方を思い出せるのか?を調べてみました。

  • 名刺を見て、顔を思い出せる: 30.9%
  • 思い出せないけどSNSで繋がっている: 3.6%
  • 写真付きの名刺: 5.1%
  • ツイッター名刺: 1.4%

以前、「Twitter名刺は必需品」という記事を書きましたが、Twitter利用者が限られた数なのか、もしくは、まだまだTwitter名刺が普及していないのか、思ったより少ないですね。

ざっくりと大まかに見ると、名刺からご本人を思い出せる比率は1/3程度という事になります。先日、業界の大御所(笑)にお会いした時、名刺からどれくらいの方を思い出せるか?という質問をしたところ、1/3より遥かに少ないと仰っていました。もっとも、私のような数百程度の名刺の数と、数千という名刺の数を比較するのが間違いかもしれません。

私のデータではありますが、この数値から考えても、名刺から本人を認識できる確率はとても低いという事です。では、何故、本人を思い出せないのか?なのですが、逆に「何故、覚えているか?」の理由を羅列してみます。

[全く繋がりが無かった方の場合]

  • 初めて名刺交換した時に、かなり深い話をした。もしくは、とても興味深い話をした。
  • その後、イベントやオフ会で何度かお目に掛かった。お話をした。
  • 名刺にSNSアカウント名が書かれていて、その後、SNSで良く絡むようになった。
  • 名刺に写真が入っていた。

[SNSで繋がっていて、初めてお会いした場合]

  • 名刺にSNSのアカウント名やIDが書かれていた。もしくはアイコンが入っていた。
  • ツイッター名刺も貰った。

どちらのケースでも共通していることとして、以下の2つがあります。

  1. 名刺交換前、もしくは以後に、SNSでのコミュニケーションやFace to faceのコミュニケーションがある。
  2. コミュニケーションをしている世界(例えば TwitterやSNS)に存在する本人と、現実のご本人を繋げる情報が名刺に記載されている。

やはり、コミュニケーションがないとまったく記憶に残りません。コミュニケーションを通して、本人と名前のリンク付けがされていくことがポイントだと思います。しかし、実際にお目に掛かってコミュニケーションするという機会を、そんなに簡単に持てるものではありません。ましてや居住地域が違えば、実際に会う機会は皆無かもしれません。そこで、積極的に使いたいのがSNSです。オンラインとはいえ、コミュニケーションする機会が簡単に持てます。ポイントとなるのは、SNSに存在する本人と、実際の本人とのリンク付けだと思います。情報のリンク付けを考えた場合、こんなことを工夫すると良いかもしれません。

名刺の情報リンク

まず、名刺と本人のリンク①は、記憶とともに薄くなり、いずれ、名刺から本人がイメージできないようになるでしょう。そこで、そのリンクを少しでも保てるように、本人の写真(②)を名刺に入れるなどの対応が考えられると思います。つまり、何か名刺に「細工」をするしかなさそうです。ある講演会で、三つ折りの名刺を渡すことでインパクトを与え、覚えて貰うという方法が紹介されていたようですが、それも1つの手でしょうね。次に、先に挙げたSNSとのリンク③です。相手の頭の中では、SNS上に存在する本人2を認識しているので、その本人2と実際の本人へのリンク(情報の橋渡し)が必要となります。そのリンク付けの1つの手が、前述のツイッター名刺ですが、他の方法として通常使用している名刺にSNSアカウント名を入れたり、アイコンを入れたりすることが考えられるでしょう。

とにもかくにも、思い出せない名刺のトップは、企業系の名刺。どの名刺も同じ顔をしていて、本人と繋がる情報リンクが少な過ぎるので記憶に留まりません。また、そういう企業系名刺のスタイルが一般的であるという印象が強いのか、同様のスタイルで名刺を作成されるフリーランス翻訳者さん達を見掛けますが、同様に記憶に残りません。やはり、名刺も営業ツールの1つと捉えるならば、自分を売り込み、記憶にとどめてもらえる名刺にする方が好ましいですよね。勿論、名刺を渡す相手によってはビジネス慣習を逸脱しない名刺を使用することも大切ですので、TPOに合わせて名刺を使い分けるなどの工夫が必要かもしれません。


JTF翻訳ジャーナル No.264 2013年3月/4月号

日本翻訳連盟の日本翻訳ジャーナルNo.264 2013年3月/4月号が公開になりました。

今号は、本年度最終号。早いもので、翻訳ジャーナルの編集委員を務めさせて頂いて1年になります。その1年の締めくくりとして、今号は私自身で記事を執筆致しました。タイトルは「何かを変えてくれるSNS」。

是非、ダウンロードしてお読み下さい(無料でダウンロードできます)

日本翻訳ジャーナルNo.264 2013年3月/4月号

iPhone 等のスマホでも読む事ができます。以前のこちらの記事をご覧下さい。


1件のコメント

第22回JTF翻訳祭に行って来た

毎年恒例の日本翻訳連盟主催「第22回JTF翻訳祭」が、昨日11月28日に、アルカディア市ヶ谷で開催されました。

以前の記事でも書きましたが、今年は必ず見たいと思っていた講演の内容から業務として参加するのは難しいだろうと判断して、休暇を取得して個人出席で参加して来ました。

私が聴講したセッションは、以下の通り。

1)セッション1:トラック4:「翻訳者としてのワークフロー」リチャード・ウォーカーさん、ポール・フリントさん
2)セッション2:トラック4:「これだけ知っとけ行動経済学 〜ブラック翻訳会社に騙されないヒント〜」関根マイクさん
3)セッション3:トラック4:「Translation Quality Control – An Irreducible Process」デイビット・ストーマーさん
4)セッション4:トラック1:「機械翻訳を組み込んだ翻訳工程の最適化」CA Technologies 菊池邦昭さん、古田京子さん、株式会社東芝 鈴木博和さん、モデレータは株式会社翻訳センター 河野弘毅さん

私が聞きたかったトラック4のセッション2の感想に、かなりスペースを取られるので、まずは感想を記しておきたいセッション1とセッション4について書きます。

セッション1:トラック4:「翻訳者としてのワークフロー」リチャード・ウォーカーさん、ポール・フリントさん

セッション1は Translation flow が話されたが、私にとって目新しい情報は、フロー全体とそのファイル等の一連の流れをウェブベースのシステムで管理しているという話くらいだった。Projetex というProject Management Software も紹介された。http://www.translation3000.com/ で入手出来るようだ。

このセッションでポール・フリントさんが紹介された「The ideal translator」と「The ideal agency」がとても面白かったです。フリントさんから了解を頂きましたので、以下に引用しておきます。(フリントさんの「翻訳+」のサイト:http://honyaku-plus.com)

The ideal translator

  • Is available by phone or email during business hours (even if to say “I’m busy”)
  • Accepts our work almost always, if not always possible
  • Provides a good quality translation (check, edit) on time
  • Points out problems with the job (errors in the documents or problems with our processes) and offer solutions whenever possible
  • Is courteous
  • Works with us to solve the customer’s problems (short deadlines, special request, that kind of thing)
  • Is not too expensive (works within the economic constraints)

We give these people the most work.

The ideal agency

  • Pays a fair rate (and as high as possible)
  • Has constant work
  • Has long deadlines
  • Gives clear instructions how the work should be done (gives clear, formal workorder (PO))
  • Provides feedback about work quality so that the translator improves (not always needed)
  • Negotiates on behalf of the translator
  • Does not require invoicing (sometimes it’s a good PR point to send one anyway)
  • Flexibility in deadlines (can I have another day (hours)?)
  • Human touch (PM include’s their name, provide opportunities to socialize [valuable to freelancers])
  • Responds promptly to translator questions
  • Acknowledges the receipt of work
  • Communicates in the translator’s native language

セッション4:トラック1:「機械翻訳を組み込んだ翻訳工程の最適化」CA Technologies 菊池邦昭さん、古田京子さん、株式会社東芝 鈴木博和さん、モデレータは株式会社翻訳センター 河野弘毅さん

セッション4の機械翻訳ネタは昨年も聴講したのですが、他のセッションに比べ、聴講者の層に違いを感じました(なんか、雰囲気が違う(笑))。聞きたかったMT+ポストエディットと新規翻訳でのレート差に関して、モデレータの河野さんが突っ込んで下さったのはありがたかったです。半分くらい…という回答をされていたと思います。機械翻訳導入で15〜20%のスループット向上が見られたとも言っていました。また、MT+ポストエディットで、速い人で時速500ワード程度だと言っていましたが、翻訳で見れば決して速くないと思いますね。

私の勝手な印象を言えば、成果・効果を示す事を前提とした検討結果と情報(所謂、後付けの理由)がお披露目されているんではないのか?と言う疑いを持ちました。

このセッションで一番印象的だったのは、東芝の鈴木さんのプレゼンで、機械翻訳をハサミで例えられていた点です。何をするのか、何を切るのかを理解した上で、その目的に適したハサミを使用する。機械翻訳の使い方もまさしく、それだ!と仰りたいのだと思います。昨今、メディアを賑わせている機械翻訳の誤訳問題。アインシュタイン本にせよ、東北博HPにせよ、目的に合わない機械翻訳の使用が原因であり、機械翻訳が悪い訳ではなく、使った人間がダメなだけです。それがメディアにより「機械翻訳は使えない」的な一般認識になってしまっているところは、日々、機械翻訳の技術向上に努力されている方達にとっては悲しい話だなぁと思います。開発に従事されている方の、そういう心の叫びのようなものを感じました。我々も少し考え方を変える必要があるのだと思います。機械翻訳は翻訳者の脅威になる…というような話とは別で、少なくとも機械翻訳の技術は、将来、人々の生活を豊かにする技術である事には間違いがないと思うので、そういう技術開発にはエールを送りたいものだと思うのです。

セッション2:トラック4:「これだけ知っとけ行動経済学 〜ブラック翻訳会社に騙されないヒント〜」関根マイクさん

最後に、セッション2の関根マイクさんの講演について、自分の理解の範囲で箇条書きにしますので感じ取って下さい(笑)。
そもそも、私が Twitter, Facebook, Ustream, Blog の使い方や使い分けは、関根さんの考えを私なりに咀嚼してやってきているという経緯があり、今回の講演内容はかなり刺激的で勉強になりました。(今回の講演内容には昨年9月にIJETのプレイベントで講演された内容も一部かぶっています)

行動経済学を主軸にお話をされました。翻訳者や翻訳会社の行動に照らし合わせて、翻訳者がどのように応用出来るかを話されたと思います。

  • 翻訳会社に依存している翻訳者が圧倒的に多い → 行動経済学的に見て、とても危険
  • 商売の基本は「安く買って、高く売る」。翻訳会社もそういう商売の基本を踏襲しているだけ。
  • レートが低いのは貴方の実力 → 翻訳能力が低い・・だけでなく、翻訳能力はあってもビジネスセンスがないだけかもしれない。そういうのをひっくるめて「実力」
  • 「翻訳業界は実力主義」という考えと、翻訳購買者への「適正な単価を払うべき」という啓蒙は矛盾している。実力主義ならば正当な単価が支払われる筈である。
  • アンカーリング:無意識のうちにインプットされた情報(固定観念)で、知らず知らずに意思決定に影響を与える。(最初に残った印象がその後の判断に影響する)
  • レートを上げるのは難しい。それはレートの上がり幅は最初のレートで決まってしまうからである。
  • 例えば、レート5円で始まれば、その数字が残像として残ってしまう。それで貴方の価値が決まってしまう。(アンカーリング)
  • コーディネーターは入れ替わる。新しいコーディネータが見るのは数字。その数値の印象で決まってしまう。
  • 最初に残った印象がその後の判断に影響するのだから、最初のレートは高めに設定して交渉すべし
  • 「これからお世話になって長い付き合いになるのだから、最初は低めレートでもいいや…」等と言う情け心を持つようではダメ
  • 自分の思ったレートより、高めに設定する事
  • 顧客は翻訳の質を評価できない。だから、価値に見合った適正価格なんて分かる筈もない。
  • 黒真珠の価値の話。世に出た時は価値がはっきりしていなかった。高価格を設定して販売し、その価格がその後の価格のベースになっている。
  • 顧客は、翻訳の価格を知らない(実感として知らない)
  • そういう顧客を狙ってマーケティングすべし。
  • 本当にレートが上がらない理由は、翻訳会社ではなく、自分たち翻訳者の問題であり、自分たちに小さな物語を作れていないからだ。
  • 顧客は相対評価をする。顧客は、一番高いものより、1つ2つランク下の商品を買う傾向がある。これを翻訳者も活用できる。
  • フレーミング効果:全く同じものを出されても、判断に人の主観が入ってしまう
  • プロスペクト理論:人間は儲かった時の喜びよりも、損した時の悲しみの方が大きく感じる
  • 情報収集の時代から、情報を解析する時代になってきている。フリーランス翻訳者はそれができる能力がなくてはならない。
  • Google Adwords がブログアクセスの解析ツールとして使える。そういうツールを使って解析をするなど、考えるべき
  • ブランディングが大切:あなたがプロとして信頼されているか?顧客にプロとして凄いという印象が与えられればいい。
  • 評価経済:Amazon や食べログの評価や、Facebook の「いいね!」のように評価が可視化されるようになった。これは、昔は見えなかった。
  • 評価を見て、顧客は商品を選択するようになった。
  • さて、翻訳者はどうだろうか?
  • 仮に翻訳者から10円で仕入れ、翻訳会社が20円で販売しているとする。直取引と比較すると単純10円の損…という考えは間違い。実際はもっと損をしている。それは「信頼」である。
  • 翻訳者がどんなに良い仕事をしても、その評価は全て翻訳会社のものとなる。つまり、翻訳者の「評価」が翻訳会社の「評価」となっている。長期的に見れば、翻訳者には全く「信頼」が残らない。
  • 現状維持バイアス:色々な勉強会やセミナーで、翻訳単価をあげるにはこうしたらいいとか、クライアント直取引がいい…という話がされているが、現状維持バイアスが働いて実際に行動に移す人は殆どいない。それは、人は将来より今が大切だと考えるから。
  • 名前が一番のブランドになる。翻訳会社と仕事をしている限り、翻訳会社のブランドに吸収されている。
  • では、個人翻訳者はどうやってブランディングするのか?→メディアを持つしかない。→ Twitter や Facebook, Blog
  • 紹介されたブログの例。その1その2その3その4
  • 依頼する側から見ると、専門分野に長けていて、専門知識を持っている等の情報を得る事ができる。「なんか、出来そうな奴だ」と思われる。
  • フローからストックに誘導する。Twitterで公開して、ブログへ誘導する…というスタイル。
  • 情報を発信する場所に、人と情報が集まる。情報を発信すれば、そこに人の目や顧客の目が集まる。
  • 何を発信する?→自分の歴史の蓄積。
  • 皆と同じ事をやっていてはダメ。自分にしかできない情報を発信する。
  • 翻訳者は、翻訳会社以外の可能性を理解しているのか?…。他の選択肢もあるのだと言う事も考えるべし。
  • 情報を出すにも内容を吟味する必要がある。正しい情報を発信して行かないといけない。馬鹿な情報を出せば、自分のブランドを傷つける事になる。
  • 今まで、翻訳会社がないと繋がらなかったソースクライアントが、インターネットやSNSの発展で、翻訳者とソースクライアントの距離が近くなってきている。直接つながれるようになってきている。
  • いまや、翻訳会社と付き合う事が最善の選択ではない…という事を知っておくべき。
  • コンテンツは宝。それにコンテンツには賞味期限がある。賞味期限がなくなった情報は一般公開したり、イベントの起爆剤として活用するなどを考えるべき(業界団体の話)
  • 知名度は信頼
  • 評価経済の限界:カリスマは何人もいらない
  • 全員が情報発信を始めると、情報の価値が下がって行く。
  • これからのフリーランス翻訳者に必要な事。それは・・・お客との距離を可能な限り縮める事。信頼を得る。プロとして認めてもらう。長期の信頼を獲得する事。自分の物語を語る。差別化。
  • プロとしての情報発信
  • なお、これらの話の大前提は、翻訳者として必要な技術を持っている事である。

だらだらとキーワードに加筆して並び連ねました。講演者さんの言葉通りでないかもしれませんので、額面半分で読んで下さい。

どちらにせよ、業界を取り巻いている環境は、インターネットやSNSの普及で大きく変化しており、その変化によって翻訳者とソースクライアントの距離が近くなってきています。そういう環境変化の中で、翻訳者として何が得意なのか?を改めて自分で分析して位置付けして、ネットと言うツールを積極的に使ってブランディングしてマーケティングする。そういうビジネスセンスも求められる時代になってきているのだと思います。自分の翻訳の価値に見合った収入を得る事は、誰しもが望む事だと思います。それを実現するひとつの手法だと思います。

 

 

※取り敢えず記事にしました。加筆・修正の可能性があります。


SNS依存症【加筆】

iPhoneアプリの問題なのか、書いた記事が消えて下書き記事がアップされていたので、改めて加筆して更新します。

~~~~~~~~

昨日、通訳クラスタの方々との会食で少し話題に上がったので、下書き記事に加筆して公開いたします。

通訳翻訳業界でも、FacebookやTwitterなどのSNSがどんどんと浸透してきており、盛んに利用されるようになりました。

私は、通翻クラスタの人々が横の繋がりを深めたり、ネットワークの幅を拡げたり、更には翻訳者さん自身のブランディングのツールとしてSNS使用を勧めている訳ですが、やはり、何事にも副作用と言うものがあって、時として好ましくない依存症を産んでしまっているように思います。

かつて、携帯電話が普及し始めた頃、メールでのお喋りに没頭し、いつしか携帯電話に依存して片時も手放せない方が多く見られました。もっと古いところでは、パソコン通信時代にチャットに入り浸ってしまい、そこから抜け出せない方達も見られました。

SNSでも同じ事が起こるのではないか?と思います。常に誰かと繋がっていないと不安を覚える、そんな感覚を持ったら依存し始めている危険信号と思った方がいいのかもしれません。

SNSを閲覧したり書き込みしたりする時間は、細切れ故に大した時間ではないと錯覚しそうですが、それらの時間をまとめると、かなりのまとまった時間になる筈です。ダラダラとSNSしていれば、ダラダラと自分の時間を垂れ流しているのと同じです。

翻訳という仕事をしていると、PCの前に座り続けて作業をする訳で、ついついSNSを覗いてしまい、そこに一定時間留まってしまうという事を経験している方は少なくない筈です。

ちょっとだから…と言う使い方がとても良くないと私は思うのです。仕事の効率を下げ、集中力を下げ、それは翻訳の品質を下げる事にも繋がりかねない。プロとして、あってはならない事だと思います。

そう言うSNSの依存性、中毒性に気付いて、自ら対策をとっている方の声も多く聞かれるようになりました。
仕事をしている間はPCをネットワークから切り離すと言う「強制執行派」。SNSはスマホでしか使用しない事に決めている「機器分離派」。SNS利用の時間を決めて自己管理を強化する「時間管理派」。

私は少し前から「時間管理派」にシフトしています。と言っても、何時から何時までという使用時間帯を決めると言うスタイルではなく、その時間にSNSを利用するか否かをその都度決めるスタイルです。
例えば、今朝の通勤時間はSNSを使わない…とか、使うとか、その場で決めるのです。大切なのはダラダラと「ながら使い」をしない事。ONとOFFを明確にする…それだと思います。お陰で、私の場合は、本を読む時間が増えたり、考え事をする時間が増えたりと良い効果を生んでいます。

勿論、積極的にダラダラと、ながら使いする事もあります。但し、積極的に…です。つまり、何をするにも意志を持つ事が大切だと思うのです。

今一度、皆さんもご自身のSNSの使い方を分析してみては如何でしょうか? 仕事中にSNSは使用しない。使う「時」をハッキリさせる。そんな事を意識して見直して見るのも良いと思います。