翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


コメントする

翻訳の日本回帰

最近、何社かの翻訳会社の方とお話しする機会があり、話題は自然と単価、と言うか業界の状況についての話しになるのだが、その中で感じているのは「日本回帰」。

コスト下げを狙って新興国の翻訳会社と手を組み、例えば中国の翻訳会社や翻訳者が翻訳を行う事で、翻訳コストを抑えようとする動きが業界的に加速しているのだが、最近では「翻訳の質」と「機密情報流出」の問題から、そういった新興国の翻訳会社、もしくは翻訳者へ翻訳を依頼する事を嫌うクライアントが出始めているようだ。

この世界も、多分、最終的には二極化すると思われるが、コスト、コスト…ばかりではないクライアントの存在を知る事ができたのは嬉しい限り。

クライアントは、翻訳を依頼する翻訳会社には、1)新興国の翻訳会社と提携しているのか?、2)依頼する翻訳は、そう言った提携翻訳会社で行うのか?、3)その場合の品質保証はどのようにやっているのか?、4)情報漏洩/情報セキュリティの対策はどのようになっているのか?…程度は、確認しておいた方が良いと思う。


コメントする

二度と翻訳をご依頼頂かなくて結構です。

来週末の準備云々でやる事が山積の今日、TACのセミナーも断念したのに、こんなブログ記事を書いている場合ではないのだが、たまたま Facebook で流れてきたある方のブログ記事を見て、書かずにはいられなくなった。

それは「お客様、もう二度と来ないで下さいね♥  」というタイトルで、帽子山宗(ぼうしやまたかし)さんのブログの記事です。

私の考えている事と全く一緒。これを翻訳業界に落とし込めば、お客様とは、翻訳者から見た翻訳会社、翻訳会社から見たクライアントという事になります。

機会ある毎に私も「お客は選ぶべし」と言っていますが、「お客の選択は、自分の選択と同じ」と考えるからです。

提供する仕事/サービスの価値を正しく評価してくれるお客様を、より多く獲得する手段にもなり、そう言ったお客様には同じ価値観を持った横の繋がりから、自分を選んで頂けるお客様が増える可能性も出てくる。勿論、お客を選ぶ以上、自分の提供する仕事の価値を明確に位置付けする事が大切ですし、その質の向上に日々努力をする必要があります。自惚れだったり、自己満足な価値観では、お客様が付かないのは当り前ですよね。

私の経験から見ても「どうせ、下請け」…そんな意識が世の中には蔓延っています。翻訳者に対しては一部の翻訳会社、翻訳会社に対しては一部のクライアントがそんな意識で対応している。一方的で無理難題。暴言上等。お客様だからとそこを我慢したとしても、提供した翻訳の価値なんて分からず、よって、支払っている報酬が高いと常に感じている。あれこれ理由をつけて支払いは極力抑える。

そういうお客様と継続的に取引したいですか?

お互いがお互いをサポートする事で仕事が成し遂げられる。そういう対等な関係があるべき姿ではないかと思うのです。お金を払う側は、提供されるサービスを受ける対価として費用を支払い、サービスを提供する側は、最高のサービスを提供する対価として報酬を受ける。その双方の評価と価値観がマッチした相手と仕事をする事が、更なる良質なサービス提供へ繋がるでしょうし、単価のアップへと繋がるのだと思います。

私は以前から、顧客要求を手放しで受け容れたり、受け容れる事を当り前とする風潮に疑問を感じています。新人コーディネーターにそういう感覚を見ると「何も考えていない」とさえ思ってしまいます。「お客様は神様です」の言葉の意味を誤解している人が多い。そもそも自分にとっての「お客様」とは何か?というところから考えるべきだと思う。そして、自分の仕事は何か?をよく考える必要がある。自分の提供する仕事が何か。そこにしっかりした考えを持たなければ、本当のお客様が分からない。

翻訳会社を選別すると言う意識」でも書きましたが、相手が我々を仕分けているように、我々も顧客を仕分ける事が必要です。その目を持つことが必要です。つまり、自分の仕事が何かをしっかりと考えることが必要ですね。


コメントする

JTF翻訳ジャーナル No.272 2014年7月/8月号公開

JTFJournal272-s

日本翻訳連盟の「JTF翻訳ジャーナル」7/8月号が公開されました。

私のコーナー「翻訳横丁の表通り」

今号の私のコーナー「翻訳横丁の表通り」は、実務翻訳者 中野真紀さんに「こだわりのない翻訳者のこだわり」というタイトルで執筆頂きました。

今号のお勧め記事

2014 年度J T F 定時社員総会基調講演「日本の翻訳産業の実態 ~第4回翻訳業界調査結果報告~」の報告記事が掲載されています。調査結果のアウトラインが分かると思います。

無料でお読み頂けますので、皆さん、是非、お気軽にアクセスしてお読み下さい。

JTF翻訳ジャーナルWeb


1件のコメント

翻訳会社を選別するという意識

今週、某SNSで久し振りの消費税転嫁の話題を読み、その方の翻訳会社に対するスタンスに軽い疑問を感じつつ生活をしていました。昨夜、通翻クラスタの担々麺倶楽部会合(笑)から帰る電車の中で偶然聞いたトミーラジオ(仮称)で、翻訳会社から翻訳者へのフィードバックの話しがされて、それについて考えていたら、先の疑問が再び頭に浮かんだので記事にしておこうと思います。

それは、翻訳者も「翻訳会社を選ぶ」ことにもう少し真剣であっていいのではないか?ということです。言い方を変えれば、取引先評価をちゃんとやって、取引することを決める、取引を停止する、取引を継続するなどの判断と対応を「ビジネス的意識」でちゃんとやるべきだと思うのです。

その評価の対象となるものは、いろいろあるでしょう。例えば、支払いが漏れること無く期日までに行われるか、翻訳依頼時に単価と納期を明確にして指示しているか、発注書を事前に送付してくるか、振込手数料を翻訳会社が負担しているか、消費税を正しく転嫁しているか、法律や規則に違反していないか、道義的に問題ない経営をしているか、コーディネーターの対応はどうか、翻訳の瑕疵を正しく理解したクレームをしてくるか、必要な情報は問い合わせる事無く提供してくるか、質問をすればタイムリーに返事をくれるか…などなど、挙げればキリがありませんが、そういった指標と基準を自分なりに持った上で、翻訳会社の対応を注意深く見て判断し、行動すべきだと思います。

昨年、日本翻訳連盟が行った業界調査が「翻訳白書」として発表されていますが、会社規模が年間売上1000万〜3000万のレンジにある翻訳会社が増加していたと記憶しています。これはある意味、業界慣れしていない翻訳会社がぞろぞろと増えているのではないかと想像するのです。つまり、業界のコモンセンスが崩れ、極端にいうと、思いもよらない姿勢/論理で翻訳者さんへ対応しているところが増えているのではないかと懸念しているのです。

それ故に、翻訳者さんの側も、しっかりと考えて、調べて、学んで、そして翻訳会社を見極める目を持って「翻訳会社を選別」して欲しいと思うのです。

トミラジで話題になったフィードバックの話しは、世間的にフィードバックをしてくれる翻訳会社が少ないね、でも、ちゃんとフィードバックしなくちゃいけないよねという話しだったのですが、それを聞いていて私が考えたのは、「フィードバックをする・しない」だけをとっても、その翻訳会社の姿勢が判断できるということです。また、フィードバックをしてくれる翻訳会社の場合、そのフィードバックの内容を「翻訳会社の評価」の材料に使えると思うのです。(というか、評価材料に使ってやる!くらいの意識でいて欲しい)

時々聞くのは、頓珍漢なフィードバックで対応に苦慮している翻訳者さんの話しです。「翻訳会社」という看板を掲げている以上、翻訳会社は翻訳のプロであるべきです。そのプロが恥も感じずに上から目線で頓珍漢な翻訳の指摘をしてきたとしたら、あなたならどう考えますか?「この翻訳会社は本当に翻訳のことを理解しているのだろうか?」もっと言えば「この翻訳会社は正しく翻訳の価値を評価できないのでは?」「私の翻訳は正しく評価されているの?」と思いませんか?勿論、判断をするということは基準があってのことです。ご自身の判断の基準が間違っている可能性もあります。だから、その擦り合わせが大切なのです。そのプロセスの中で「上から目線」とか「基準の押しつけ」はあってはならないと思うのです。

自分の翻訳が正しく評価され、それに見合った適正な単価で支払いがされ、世間的にも業界的にも正義を持った経営がされている、そして共に必要とされるパートナーとして仕事ができる、そんな翻訳会社を取引先としてより多く持つために、翻訳会社を見極める目を育む意識、翻訳会社を選別する意識に少し注意してみて欲しいなぁと思います。


コメントする

7月20日にSKITで大阪へ

980097_527022874021770_251021612_o

7月20日に開催される関西通翻勉強会「SKIT」に参加させて頂きます。

予定されているプログラムは以下の通り。

  1. 井口耕二さん:「翻訳業界と翻訳者の将来について」
  2. Terry Saito :「翻訳のポカミス対策 〜WildLight の活用〜」

今回の勉強会には、井口耕二さんが参加され「翻訳業界と翻訳者の将来について」のお話をされます。これは、日本翻訳連盟(JTF)が昨年実施された業界調査の内容を、井口さんが翻訳者視点に立って独自の分析をされた結果を元に、業界/翻訳者の現状を明らかにし、将来への方向性を提案される話しになるのでしょう。具体的には、JTF基調講演やIJETで講演された内容に、その後の分析で分かった新たな分析結果も付加されてお話しされるだろうと思われるので、非常に期待をしています。

私が大阪行きを決意したのも、この話を聴きたいのが半分以上あります。

そして「ついでに(笑)」私も少しお話をする時間を頂くことになりました。

今、私の中でホットなネタである「翻訳のポカミス」についてです。エージェントと言う立場で数多くの訳文に触れ、多くの「翻訳ミス」を目にしてきた経験から、それらの特徴と傾向、それらに対する対策の方向性などのお話をするつもりです。そして、翻訳ミス検出へ拙作のワードアドインマクロ「WildLight」をどう活用するかをデモを交えてご紹介します。

夜の部も予定されているそうです。

関西地区の皆様と久し振りにお会いできるのを楽しみにしています。