翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


1件のコメント

無理な仕事を受けないからプロ

「あんた、プロなんだから、これくらいの日程でできるでしょ?」

まぁ、お客様は言ったもの勝ちで何でもおっしゃる。

そこで情けゴコロを出してはダメなんだよね。自分がQCDを保証する自信があるなら受ければ良いけれど、そうでないなら絶対に受けるべきではない。プロだからこそ、徹底的に無理な案件は受けない。

1つの失敗が信頼を失い、仕事を失う。特に品質を甘くしては絶対にダメ。自分も大間違いをした経験があるので、ハッキリ言える。かなり長い間、「品質が悪い」ってレッテルが消えないからね。

しっかりとした自分なりの基準を持ち、毅然とした態度でそれを守る。顧客に説明し説得する。そういう姿勢がフリーランス翻訳者にもエージェントにも必要だと思う。


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翻訳者のためのパソコン超入門セミナー

翻訳を仕事にする以上、道具として、なくてはならないコンピューター。そのコンピューターの基礎をおさらいできるセミナーが東京ほんま会主催で開催されます。

  • 日 時:9月13日(日)13:00~16:30
  • 講 師:小林晋也氏(通称しんハムさん)
  • 定 員:40名

詳しくは東京ほんま会ブログ翻訳者のためのパソコン超入門 東京でも基礎からわか~る ハードウェア・OS編セミナー」をご参照ください。

道具をしっかりと理解して整備し使い込むのは、職人として当然のこと。翻訳の職人である翻訳者をターゲットとして、パソコンの基礎を学習できるセミナーは今までありませんでした(私の知る限り)。翻訳に使う最適なPCを選択するための知識を得るとか、PCのパフォーマンスを引き出すカギを得るなど、知識のおさらいを含め、参加価値のあるセミナーではないかと思います。


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短納期は悪

誰でも「標準リードタイム」を、自分の翻訳速度や納品までに実施する工程数と必要時間から判断し、決めていると思います。

それを割り込むような納期を要求された案件を、短納期案件と言うわけですが、さて、そんな時、どんな対応をされるでしょうか?

翻訳会社の場合は、案件打診から納品・検収までに関わる工程数が多いので、リードタイム圧縮が比較的行い易いという印象があります。しかし、そういう余裕白は改善白でもあり、普通の企業であれば既に改善されていて、可能な限りのリードタイム圧縮がされています。その状況の中、クライアントから自分達の「標準リードタイム」では達成できない短納期を要求された場合、何をするでしょうか?

物事をシンプルにするために細かな実際は無視して、大雑把な話をすれば、「品質を犠牲にする」のです。具体的には、品質保証の難しい「並列翻訳」や品質保証放棄の「工程スキップ」しか逃げる方法はないでしょう。

並列翻訳とは、作業を複数名で分担する事です。つまり複数名で翻訳や関連作業をするわけです。原稿文書の分野・種類によっては、周到な事前準備を行った上に実施すれば、品質のバラツキを顧客が認識できない程度に抑えることが可能なので、まだ許せる対応です。ただ、前述の通り、分野・文書種類限定、かつ十分な事前準備が大前提です。それを無視して実施した場合、全て品質の劣化という形で跳ね返ってきます。

一方、ありがちで安易な方法が「工程スキップ」です。言葉を変えれば「手抜き」です。その矛先になるのは常に「検査」です。商品を形作る作業(この場合、翻訳)は無くせませんが、検査は商品の外観に影響を与えず、顧客に手抜きを認識されづらいからです。極端な方法は、翻訳者から納品された翻訳物をそのままクライアントに納品するのが最短納期です。

良識のある、また品質保証の考え方がちゃんとした会社なら、工程スキップしても品質が担保できる裏付けがない限り、こんな事はしないはずです。

では、翻訳者に「標準リードタイム」を割るような仕事の依頼がきたらどうでしょうか?

できることは「徹夜作業」か「工程スキップ」くらいではないかと思います。前者は集中力を落としてミスを誘発し、後者は品質保証を放棄する。どちらにしても、品質が犠牲になります。

そもそも、標準リードタイムに加味されている余裕率を超過するような納期は、質を落とさない限り、実施不可能な筈なのです。必要不可欠な工程と時間を積み上げ、リスクを見越した余裕率を加えたものが標準リードタイムのはずだからです。それを割り込む短納期で同じ保証ができるなら、最初からやってるはずです。

つまり、自分都合な短納期の押し付けは、支払うお金の価値に見合わない質の翻訳を購入する事になる。この事は、翻訳を購入するクライアントや翻訳会社は、しっかりと認識すべきです。(一番理解してるはずの翻訳会社が、翻訳者に対してこれをやってたら、本当に愚かです。)


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CAT使用を翻訳会社に言うべからず

翻訳の効率化や品質向上のツールとして、TRADOSなどの翻訳支援ソフト(CAT)を使用される翻訳者さんも多い事と思います。

CAT使用前提の案件を翻訳会社から積極的に請けるつもりがないのなら、取引先翻訳会社に「TRADOS導入しました〜」なんて、言わないほうが無難です。

ご存知のとおり、市場にはTRADOSレートというものが存在し、マッチ率によって翻訳単価が設定されています。TMの取扱いやファジーマッチの取扱いなど、注意して翻訳会社と交渉しないと、投入するリソースに対して低い報酬になってしまうというケースが生まれてしまいます。

翻訳会社にTRADOS所有を知られると、そういった案件の打診や依頼が増えていく可能性が高くなります(断れば済むことですが、断れない性格の方や、そういうことを煩わしいと思う方は避けるべきでしょう)。エージェントの立場で考えれば、「あの翻訳者、TRADOS持ってるって言ってたから、TRADOS案件を頼んでみよう」と考えるのは自然の流れです。

通常案件とTRADOS案件。その仕事の性格はかなり違ったものになるはずで、翻訳者としてどういう翻訳に携わりたいかを良く考えておきたいものです。


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無責任な情報発信は許されるか?

今日、47NEWSに「福島県HP、翻訳ソフト誤訳連発 そばは「side」」(魚拓)という共同通信の記事が出ました。丁度、1年前、「機械翻訳システムの無責任使用」という記事をアップしましたが、やっと、機械翻訳システムを使用したホームページの翻訳内容に、一般利用者からクレームが出ていることが顕在化してきたようで喜ばしい限りです。

記事で触れられているとおり、福島県のホームページでは外国語のページの内容について、以下のような免責のコメントを表示しています。

翻訳の精度による間違い等があったとしても、福島県では一切の責任を負うことができませんので、あらかじめご了承ください。

一方で、47NEWSでは以下のように言及しています。

県は原発事故の風評払拭に向け、海外への正確な情報発信を「喫緊の課題」と位置付けている。ただ、誤訳は農水産物の出荷制限解除など正確さが求められる部分にも及んでおり、県の姿勢が問われそうだ。

つまり、多言語ホームページの扱いがチグハグであるということです。「情報発信を重要と位置付けているが、発信している情報には責任を持たない」ということと同じだからです。以前のブログ記事に書いたとおり、ホームページは「情報発信」を目的としたものです。すなわち、その情報は正確なものでなくてはならないわけです。ましてや公的機関や企業が発信する情報であれば尚更のこと。そういう性格を持ったホームページに対して、「情報には間違いが含まれている可能性があります」という免責文を入れたとしても、公表していること自体に責任が伴うのではないかと思うのです。多少なりとも道義的な責任はあるのではないかと思うのです。

また、情報の正確性を放棄している時点で、情報発信の意味が無くなるわけですから、なぜ、そのような情報発信にお金を払っているのか?という事になります。(この記事の場合は「税金」と言う事になりますね)

我々も、自分達の自治体のホームページが同様の状況にあるようなら、「発信している情報に間違いがある」というクレームをしていくべきなんでしょうね。免責を口実にされたら、「じゃ、なんでそんな意味のないものに税金を投入しているのか?」と問い質していきたいものです。