来年2012年6月2日~3日に広島で開催される第23回日英・英日翻訳国際会議(IJET-23)のプレイベントが、9月17日(土)に大阪の阪急グランドビルにて開催され、出席して参りました。
プレイベントは以下の二部構成で行われました。
第一部: 講演「フリーランス2.0 〜 新しい情報環境と市場における『振る舞い』」 関根マイク氏
第二部: パネルディスカッション「不況の中できること、すべきこと」
第一部の関根マイク氏による講演内容は、かなり深く広い話を猛スピードでされたので、私自身が正しく理解できていない可能性が否めません。従って、細かくここに記述する事は避けたいと考えます。講演者の意図をしっかりと掴み取るには、やはりご本人の講演を聞く必要があるように思います。(関根さんには、関東地区での再講演を切に希望します。)
なお、第一部の講演内容は有志によってツイートで実況中継がされました。そのまとめは以下のリンクから参照下さい。大きな流れは把握できるものと思います。くれぐれも言っておきますが、関根氏の説明する思想をツイート実況した人間が解釈してツイートしていますので、誤解釈も含まれていると思います。少なくとも私のツイートは歯抜けだらけで肝心な要所をツイートできてなかったりします。全体の流れを汲み、間違いも含まれている可能性を認識し、字面だけに捉われずに大きな流れを把握する材料として下さい。
私の感想ですが、顧客側の翻訳の価値、提供する側のつけるべき付加価値には大いに共感。フリーランスの通訳者・翻訳者のブランディングやプロデューシングの話は、とても刺激的でした。
この講演、実は拝聴している途中で考えたのは、うちの取引先(特に法人化した個人)を出席させれば良かったという事。翻訳業界、通訳業界に関係なく、関根さんの研究アプローチはマネージメントをする人間に大いに役立つと考えるからです。市場の変化、インフラの変化、ツールの変化など、それらに敏感に反応して有効な手を打っていく。私自身、凄く新鮮な視点を授かった気持ちで一杯です。
第二部のパネルディスカッションでは、今回初めてパネリストとして参加させて頂きました。
3名のフリーランス翻訳者の方と私の4名でのディスカッション。私だけ翻訳会社側の立場での参加となるので、事前にテーマについて伝えたいメッセージと想定質問への回答を準備しておきました。
残念ながら第一部の時間が押したため、盛り上がり掛かったところでディスカッション/質疑応答が終了となってしまいましたが、私の立場ならではの回答が出来たのではないかと思います。
会場では言えなかったですが、「不況の中で出来る事、すべき事」として、自己投資も考慮すべきだという話をしたかった。個人には難しい話かもしれないという前提をつけた上でですが。
私が実際に行った事は、仕事が減った事により生まれるリソースの余裕を、将来の売上確保のための分野開拓(別分野の勉強)、技術向上(翻訳技術の勉強、機械翻訳の導入と学習)、業務改善(事務業務の簡素化)などに利用した事です。
ディスカッションの中で、個人翻訳者の方たちの口から「長いお休み」的な印象で話がされていたのは、とても意外に感じました。実際は別のことに時間を使っておられたのだと想像しますが、少なくとも「不況下にあって」仕事が途切れて空いた時間を、単純なる休暇的に使うのは余り関心しません。日頃は忙しくて出来なかった勉強に力を入れるとか、資格取りに挑戦するとか、とにかく余ったリソースを不況の先にある自分の仕事につなげる作業をすべきだと思います。
それが発信したかった事の1つ。
また機会があれば、こういうディスカッションに参加させて頂きたいと思います。