翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


ロジカルシンキング入門を受講してきました。


10月7日に開催された翻訳勉強会「十人十色」主催の第一回セミナー「明日から使えるロジカルシンキング入門」を受講してきました。以前から、豊田憲子先生のロジカルシンキングのセミナーを受けたいと思っていたので、ワークショップを含めて楽しめました。

セミナー内容は Ustream 放送で録画公開されていますので、そちらを参考にして下さい。考え方の概略が理解出来ると思います。

【Ustream録画】翻訳勉強会「十人十色」 明日から使えるロジカルシンキング入門

【参考】配布された資料


機密情報をばら撒くエージェント

先日、翻訳者さん達と話をしていて、恐ろしい話を聞いた。

ある翻訳エージェントが翻訳してくれる翻訳者を探すために、全ての登録翻訳者へ一斉メールにて原稿を送りつけてくると言うのだ。しかも、ファイルはパスワードが掛かっている訳でも無く、簡単に内容を閲覧出来てしまうらしい。

基本的に、情報のコピーは極力増やさず、必ずパスワードを掛けるなどの対応をするのが常識的対応だと思うのだが…。

想像してみて欲しい。1つしか存在しなかった情報ファイルが、メール一斉送信により大量のコピーがばら撒かれる事になる。いくら守秘義務契約を取り交わしているとは言え、わざわざ漏洩し易い環境を作っているようなもの。何かの取扱いミスで何処かに流失するかもしれない…そう言うリスクを増大させている。問題になったら訴えればいいとか、そう言う次元の問題とは全然違うと思うのだが。

こういう機密情報の取扱い方を見れば、そのエージェントの情報に対する意識と考え方が垣間見ることができると思う。更には個人情報の取り扱いがどうなっているのかと言う心配が浮上してきても、それは当然だと思う。翻訳者さん達の個人情報が、どう取り扱われているのか? 気軽にメール添付されて、あちこちに配布されているかもしれない。

他の翻訳エージェントに関する話では、メールのCCに打診する翻訳者さん達のメルアドを入れて送信してきたとか。CCに翻訳者さん達のメルアドがタダ漏れ状態になっている訳だ。

こう言うエージェントには、猛烈に抗議した方がいいと思う。

こんな情報セキュリティー意識の低い翻訳会社に、翻訳を依頼している企業は恐ろしくて仕方ないはず。値段ばかりに気を取られていないで、こういう運用面の安心も評価して貰いたいものだ。


[洒落] 翻訳依頼のべからず集

Twitterに洒落で「翻訳依頼のべからず集」を書き込んだので、こちらにまとめておきます。

こんな事をすると翻訳の値段が嵩み、質へ影響する…と言う項目を上げたつもりです。

まぁ、冗談話として流して下さいませ。

1. 不要な部分まで翻訳依頼するべからず
1. 一頁に文字を詰め込み過ぎるべからず
1. エクセルやパワーポイントを極力使うべからず
1. 原稿が最終版でないのに翻訳依頼するべからず
1. 旧版との比較作業を依頼するべからず
1. 細かいスタイルを指示するべからず
1. 自分の語学力で翻訳文を間違いと判断するべからず
1. 原稿渡せば翻訳出来ると思うべからず
1. 翻訳が短時間に簡単に出来ると思うべからず
1. 貴方達の内部用語まで正しく翻訳されると思うべからず
1. 翻訳途中までを分納出来ると思うべからず
1. 翻訳者増やせば納期短縮出来ると思うべからず
1. 料金上乗せすれば納期短縮出来ると思うべからず
1. 原稿原文が間違っているものを正しく翻訳されると思うべからず
1. 原稿を紙で送ってくるべからず
1. 言葉が出来る程度の人間が翻訳していると勘違いするべからず


JTF翻訳祭のプログラムが公開に

11月28日に開催される日本翻訳連盟(JTF)主催の第22回JTF翻訳祭のプログラムが公開されました。
http://www.jtf.jp/jp/festival/festival_program.html

今年は日本翻訳者協会(JAT)で1トラックを持っており、内容的にも充実していて、目が離せません。

セッション内容を眺めていると、仕事ではなく、私、個人として聴講したいセッションが多過ぎるので、今年は会社の業務として出席せず、個人として参加した方が良さそうです。

また、昨年同様、聞きたいセッションがぶつかり合っていて、その選択に悩みそうです。

私個人的に興味があるセッションは以下のもの。この中から当日の気分で選択して聴講しようと考えています。

【トラック1】
セッション2
パネルディスカッションA
「特許翻訳の動向と展開(仮)」

【トラック2】
セッション1
パネルディスカッションC
「伸びるアジア市場において翻訳の潜在需要を読む」

セッション2
パネルディスカッションD
「翻訳ビジネスの海外展開におけるチャンスとリスク」

セッション4
パネルディスカッションE
「オンライン翻訳の経営戦略と今後の展開」

【トラック3】
セッション1
「翻訳のブラッシュアップ ~翻訳業務におけるネイティブチェックの必要性~」

【トラック4】
セッション2
「これだけ知っとけ行動経済学 ~ブラック翻訳会社に騙されないヒント~」

セッション3
Translation Quality Control – An Irreducible Process

【トラック5】
セッション1
「フリーランス翻訳者のための営業戦略と節税・資産管理術」

セッション3
「【特許翻訳入門】翻訳品質は調査能力で決まる ~PCスキルを駆使した翻訳作業のステップ詳解~」

【トラック6】
セッション3
「翻訳者の原点」

セッション4
「Wordマクロで誰でもできる!翻訳者のためのWordチューニング入門」

こんな風に、聴講したいセッションが多過ぎて悩みます。取り敢えず、ボールドにしたものは、必ず聴講したい。

忘れてはならないのは交流会の存在。数百名もの業界関係者が集う翻訳祭ですので、ネットワーキングの機会としても、とても大切です。

私は、交流会を含めて参加する予定です。皆さんも参加を検討されては如何でしょうか?


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悲しい支援ツール

競争力強化、効率向上、品質向上など様々な理由で、翻訳作業を改善するツールを購入、もしくは自作して使用するのは、至極当然なアプローチだと思います。ましてや新興国の翻訳会社や翻訳者が台頭し、競争が激化している現状ではむしろ積極的に活用を考えるべきだと思います。

その使用は使用者の責任において自由であり、生産性と品質を上げた事により得られた余剰リソースを、別の生産行為(翻訳行為)に投入するとか、販売推進に投入するとかして収益アップへ繋げていく。

翻訳支援ツールもそう言った目的において有効なツールで、導入されている翻訳者さんも多いようです。

ところが、そう言う翻訳者さん達の自助努力を、ツール使用をエージェントが知るや否や、コスト下げを要求して搾取してるケースがあるようで、同じエージェントの立場として怒りを覚えました。

これは、エージェントが投資なしにその投資効果を得ようとしている訳で、搾取以外の何物でもないと思います。そのような意識を持ち発言をするエージェントは、ブラックリストに載せても良いくらいではないでしょうか?

ツール使用によって得られる効果をコストと言う形で求めるならば、エージェントがツールを購入(投資)し、翻訳者の同意の元に供給し、使用して貰うのが本来の姿だと思います。

不本意なコスト下げ要求に遭遇しない為にも、ツールの使用は明かさない(笑)。また、使用の痕跡は残さないように注意を払いたいものです。