翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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書類審査前、不合格です。

フリーランス翻訳者を登録する場合、まず、書類審査から始まるわけですが、その書類審査に至る前段階でマイナス点となる方がいます。

  • 募集要項や募集条件を、ちゃんと読んでない。
  • 送ったメールを良く読んでない。
  • 履歴書や職務経歴書の内容に間違いがある。
  • 自分の落ち度は疑わず、自分勝手な判断でクレームめいたメールや電話をする。
  • 職務経歴書の内容が少なく、翻訳の経験が把握できない。
  • 逆に、的を絞らず過去の翻訳事例などの情報を大量に記載した書類を送付してくる。

送付した文書や説明を読んでいない人を時々見掛けます。読めば書いてあることを質問するとか、指示と全く違うことをしてしまう。そんな出来事から想像してしまうのは、翻訳の仕事を頼んでも「翻訳指示をちゃんと読まないのでは?」とか「ひょっとして日本語の読解力が低いのではないか?」といったこと。これは翻訳学校でも教えられる事らしいので、翻訳者として基本なのでしょう。

履歴書や職務経歴書は、唯一の自己PRツールです。その情報に間違いがあることに気付けないということは、翻訳物の間違いにも気付けないと思われるかもしれません。そもそも、事前に準備してあるのでしょうから、そこに間違いがあるのが不思議です。また、使い回している場合、募集分野などを吟味して、情報の追加削除をした方が好ましいですが、何も考えずにそのまま利用したために募集分野はあまり得意じゃないんだという印象を与えてしまう可能性もあります。また逆に、あまりにも情報があっさりし過ぎていて、翻訳の経験が把握できないというケースもあります。職務経歴書を見ていると、その方の本気度や意識、物事に対する姿勢のようなものが垣間見えるものです。

最悪なのは、何かトラブルがあった時に最初から相手に落ち度があるかのごとく、クレームめいたメールや電話をすることです。これからビジネスパートナーとして良好な関係構築が必要なのに、それを初めから放棄しているように映ります。また概ね、そのような問合せの内容は、自分のすべき確認もせずに自分勝手な判断によるものだったり、自分の単純なミスが原因だったりする場合が多いです。時々あるのは、システム的な問題での連絡です。問題の切り分けや責任の切り分けのできない方や、ITに弱い方に多いようです。普通にやればできることなのにトラブルになる。他の方は出来てるのにできない。そして自己解決できない。それだけで、何かのトラブルで納品できないとか、余計なサポートに時間を費やされるような事態を想像させてしまいます。

どちらにしても、まずは自分が間違っているかもしれないという意識で言葉を選び、連絡をした方がいいでしょう。


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誰の言葉?

以前、同僚達に、機械翻訳や翻訳支援ツールを使用する上でのリスクを説明するのに、以下の話を引用して説明したことがあります。

  • 佐々木希「夜道で襲われて抵抗したんだけど死んじゃったらどうしようかと思った」
  • 吉田沙保里「夜道で襲われて抵抗したんだけど死んじゃったらどうしようかと思った」

引用元は「Pumpkin-NEWS」の2015年1月23日の記事。元ネタは2chらしい。

記事の中では、話される言葉はまったく同じなのに、話者が変わることで読者の捉える意味が変わることを面白おかしく話題にされています。

この比較は、とても面白いと思いました。読者の持つ話者に関する情報により、言葉の解釈が変化している。これは翻訳でいつも注意しているポイントのひとつですよね。作者意図、背景情報、前後関係、想定読者などを考えながら原文を読み解き、訳文に落とし込む。上記の引用文を仮に翻訳した場合、コンテキストを失うことなく、まったく同じ訳文にできるでしょうか?(記事の面白味を残す云々はこの場合無視)。異文化異言語の読者が、話者の背景情報を持っているとは想定できませんから、そこに何かの手当てをする必要があるでしょう。

もしも、この引用文を翻訳支援ツールに入れた場合、どうなるでしょう?当然、ふたつの文は100%マッチになるでしょうから、翻訳メモリーに登録した訳が単純に、このふたりの言葉として適用されるのでしょう。そして、もし過去訳とマッチしてしまった上に「100%マッチは触らないでください」という翻訳会社の指示があれば、その訳が原文のコンテキストを失ったそのままの状態で放置されることになりますね。

この例を学びとして捉え、改めて心に決めたことは以下の通り。

  • 翻訳支援ツールを使う翻訳対象は、分野、文書種類などを含め、慎重に検討すること。(無闇に使用を判断してはならない)
  • 顧客が指示しない限り、マッチ率に関係なく、コンテキストが保てないものは修正翻訳必須とし、その対価を支払うこと。(「100%マッチには手を付けるな」といった誤った指示をしないこと)

問題は、翻訳会社が翻訳支援ツールを支援ツールではなく、翻訳ツールと間違って理解し、使っていることではないでしょうか?翻訳支援ツールは、翻訳を「支援」するツールであって、翻訳者の意思を無視して、訳文を勝手に確定するような使い方は明らかに行き過ぎだと思います。


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大阪でもWildLightセミナー

二年振りに大阪へ行きます。ほんまかい(大阪)主催の勉強会でWildLightセミナーをさせていただきます。

日時:5月14日(土)13:00-17:00
場所:神戸大学学友会大阪クラブ@大阪梅田駅前第1ビル11階

タイトル:「翻訳チェックとWildLight活用」(仮称)

詳細と申し込みは、ほんまかいホームページへ。


 

【セミナー概要】
個人翻訳者が翻訳完成物を納品する前に実施すべき品質チェック項目とチェックフローを、翻訳コーディネータの立場から提案し、実際にテリーが実施している翻訳チェックフローを例として取り上げ、そのフローになった理由や皆さんがフロー構築する上で考慮すべきことを説明します。また、それらのチェックでどのようにWildLightを活用しているかをデモで紹介いたします。

関西地区で個人を対象としたWildLightセミナーは、多分、初めてだと思います。興味のある方は、是非、この機会に参加をご検討ください。


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JTF会員になりました。

なんだかんだと言い訳をして会員にならないまま、既に4年も日本翻訳連盟(JTF)のジャーナル委員をやっているという事実を先日再認識し、加えて、2010年に入会した日本翻訳者協会(JAT)には、IJET23絡みで協力して以来、特に何をしているわけでもないのに会員であり続けている事のギャップに、何だかとても違和感を持ったので、金銭的リソースの配分を見直して日本翻訳連盟の会員になりました。

今年度も継続して、時間的・経済的リソースをJTFジャーナル委員として投入するつもりなのですから、あらゆる意味で軸足をJTFに置くべきだと判断するに至りました。

以前は会員になるメリットが云々とあれこれ言っていたけれども、JTFサイトの会員ページを眺めながら思ったのは、少し認識不足だったかもしれないということ。比較すべき土俵が間違っていたかもしれないということ。今後、そういうことを意識しながら中身を見ていこうと思います。

会員になって、2013年度の翻訳白書を頂けたのは、少し嬉しい。既に1冊持っているけれど、職場に置いておきたいと思っていたので、助かります。あとは、バッカイさんとさきのさんのDVDが発売になったら、クーポン券を使って買うつもり。(DVD版購入ページ)


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コラム「翻訳横丁の表通り」終了

日本翻訳連盟の機関誌「日本翻訳ジャーナル」に持っていた私のコーナー「翻訳横丁の表通り」が、今年度をもって終了します。

連載コラム「翻訳横丁の表通り」

2012年度から当コラムを担当させていただき、はや、4年の月日が流れたことに私自身もとっても驚いています。この間、16名もの方にご寄稿いただきました。この場を借りまして御礼申し上げます。

2012年度から私を含めた4〜5名がそれぞれにコラムを持つスタイルになり、日本翻訳ジャーナルの誌面も翻訳者の皆さんに馴染みやすく身近な記事が増えたと思います。そもそも、委員長が打ち出したこのコンセプトに共感し、ジャーナル委員をさせていただくことにしたのですが、とても良い経験をさせていただきました。今後は裏方として関わっていきたいと思います。

今まで私のコーナーをご愛読いただきましてありがとうございました。

新年度からは、さらに進化した日本翻訳ジャーナルになると思います。これからも、皆様のご支援をお願いいたします。