翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


中途半端な職業人意識

たまたま見掛けたある翻訳者さんのブログ記事を読み、腰掛け的職業人意識に違和感を覚えたので、少し記事を書いてみる気になった。

察するに兼業、つまり二足の草鞋で翻訳者をされているようで、いかなる事においても、未だかつてエージェントと交渉と言うものをした事がない様子。特殊な作業の依頼も、その仕事の報酬が不明のまま請け負っているようで、更にはその仕事の報酬が自分の意にそぐわない結果になっても、「生計を立ててる訳ではないので、少なくても良い…」とも取れる記事内容。

要するに依頼される仕事の納期やレートは、エージェントや依頼元の言いなりで請け負っていると言う事でしょう。それに、交渉を嫌がって、理屈の合わない自己完結をしている。

「翻訳」と言う仕事に関わっているだけで満足と言うタイプなのかもしれません。

困ります。こういうのは本当に困ります。

翻訳とその周辺作業を含め、エージェントの言いなりに買い叩かれても文句も言わず、従順にこなしてしまう。

「翻訳」の価値を無闇に下げて貰っては困るのです。ブラックな翻訳エージェントを蔓延らせる原因にもなってるでしょう。

私などから見れば、この方は仕事にプライドを持ってやっているのだろうか?…更には、その先まで思いが及んで、ちゃんとした仕事が出来る人なのだろうか?と勘繰ってしまいます。ある意味、プロ意識の欠如した翻訳者と言う印象を持ちます。

自分が成す仕事の評価は、まずは絶対評価であるべき。そこから相対評価との差を認識して、その穴を埋める為に(一部)交渉すると言う作業が入るのでしょう。加えて、意識と姿勢はビジネスライクであるべきです。

フリーランサーは別にエージェントに雇われてる訳ではありません。個人事業主として、エージェントと相互協力の関係にある訳で、同じ目的に向って協力し合う関係という意識が必要と思います。つまり、ビジネスをする上では(理想的には)対等な立場という意識が必要でしょう。


翻訳勉強会「十人十色」のビデオが公開されています

2012年10月26日に開催された翻訳勉強会「十人十色」のビデオが公開されています。


20121026勉強会(新田さん発表の一部)


20121026勉強会(第一部)


20121026勉強会(第二部)


20121026勉強会(第三部)


JTFの会員数って増えてないの?

日本翻訳連盟(JTF)の日本翻訳ジャーナルをご覧になっている方はご存じだと思いますが、ジャーナルにはJTFの会員数のデータが掲載されています。バックナンバーを読み進んでみると、2011年5月/6月号以降は、毎号に掲載されているようです。

そこで疑問が頭に浮かぶ訳です。

「一体、JTFの会員数って増えてるの?」

そこで、データをまとめてみました。

青文字部分はデータ掲載がなく、翌年号の前年同期比から逆算した数値です。

合計と、個人会員数をグラフ化したものが下のものです。

う~ん…。こうしてみると、合計会員数は、2010年をピークに減少し、2011年からほぼ横ばい状態という感じに見えます。

個人会員数は2011年5月/6月号以降のデータでは、5%程減少した後、なだらかな減少傾向に見えます。唯一、2010年11月/12月号にあった個人会員数データと比較すると、2010年から10%も個人会員が減少している事になります。

一方、グラフにはしていませんが、法人会員はなだらかに増加傾向を見せていて、2010年から14%増加している事になります。

個人会員比率を計算すると、2010年は72%に対し、2012年は67%と5ポイント減少していて、「JTFは法人向け?」という印象を強いものにしているように思います。

興味本位でこのようなデータをまとめてみたのですが、この数字を眺めていると、とても奇妙だなぁと思わずにはいられません。

  • 私が Twitter で作成している通訳・翻訳者のリストを見ると約700名。ネットの一角にこれだけの翻訳関係者がいるのに、その半分にも満たない数の個人翻訳者しか会員になっていない。
  • 超大手の翻訳会社1社の登録翻訳者数より遥かに少ないですよねぇ。これで果たして、翻訳者データベースとしての魅力があるのか?と心配になります。
  • この事は、日本翻訳ジャーナルの2005年7月/8月号の巻頭記事にも同様の懸念が書かれているのですが、当時の個人会員数 260名という数字と現在の個人翻訳者数を比較しても、23%程度しか増加していないのですから、「とても翻訳者データベースと呼べる代物ではありません」(引用)という状況には変わりないのだと推測します。

時々、会費を半額にすればかなり会員数が増えるのに…という話を耳にします。私もそう考えていました。でも、このデータを眺めつつ考えてみると…収入面から考えれば、単純に現状維持する為には640名程度の個人翻訳者が確保できないと、会費による収入が同じにならない訳ですが、日本翻訳者協会(JAT)の会員数が 540名らしいので、この数字を実現するのはかなり難しい事だろうと推測できます。(個人翻訳者の視点で考えれば、JATよりJTFの方が対コストメリットは低いと考えるので)

このデータをまとめつつ、過去のジャーナル記事などを読み漁っていると、とても勝手な個人的感想ですが、JTFに超大型戦艦のような印象を持ってしまいました。


翻訳ジャーナルを便利に読もう

日本翻訳連盟の「日本翻訳ジャーナル」が、PDFファイルなのはご存知の通りです。

ダウンロードしてお読み下さい…とご案内しているものの、ダウンロードして読むには読みづらいと考えておられる方もいるのではないかと、少し心配になりました。

そこで、iPhoneやiPadなど、スマホをお持ちの方ならば、色々なアプリケーションを使って電子書籍のように読んで頂く事ができるので、ここではiPhoneを使った方法をご紹介したいと思います。

まず、iPhoneのSafariを使って、日本翻訳連盟のホームページをアクセスし、日本翻訳ジャーナルのページをアクセスします。

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「ダウンロード」のボタンをタップします。

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すると、翻訳ジャーナルのPDFがダウンロードされますが、画面上を軽くタップすると、「次の方法で開く…」というボタンが出現します。このボタンを押すと、PDFを開く事ができるアプリのリストが表示されます。

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ここで「iBooksで開く」を押せば、翻訳ジャーナルのPDFを iBooks へ登録出来ます。

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Dropbox を選択すれば、Dropbox に保存でき、他のデバイスでも閲覧する事が可能になります。

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iBooks で開いた場合、写真の通り、iBooks の書棚に登録されます。これで電子書籍と同様の操作性で日本翻訳ジャーナルを読んで頂く事が出来ます。

私の使い方は、日本翻訳ジャーナルを Dropbox へ全てダウンロードしていて、PC、iPhone、iPadのどのデバイスからでも閲覧できるようにしています。ちょっと参照したいと思った時に、どのデバイスでも見られるようにする為です。

また、同時に最近の号は、iBooks へも登録してあり、iPhone、iPadで閲覧出来るようにしています。

是非、スマホ等のデバイスを積極的に利用して、翻訳ジャーナルを読んで頂ければと思います。


日本翻訳ジャーナル11月/12月号が公開されました

編集委員をさせて頂いているJTFの「日本翻訳ジャーナル」の11月/12月号が公開されています。

以下のリンクからダウンロードしてお読み下さい。

日本翻訳ジャーナルリンク

私のコーナーは、以前、翻訳横丁の裏路地のUSTREAM放送にも出演頂いた、翻訳コーディネータの青木さんにご寄稿頂きました。