翻訳横丁の裏路地

We can do anything we want to do if we stick to it long enough.


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JTFセミナーに登壇します

まだ、四ヶ月も先の話ですが、既に日本翻訳連盟ホームページの翻訳セミナーのコーナーに掲載されましたので、取り敢えず、拙者のブログでも告知しておきます。

以下の日時で、JTF翻訳セミナーに登壇させて頂きます。

日時:12月18日(木) 14:00〜16:40
タイトル:あなたの翻訳は大丈夫? ~翻訳者による品質保証を考える~(仮称)

具体的なセミナー内容は、まだ検討中です。この夏期休暇を利用して、細かく検討して行こうと考えています。

ターゲットは翻訳者さんをメインに考えています。個人で翻訳をやっていると、自分が本来保証すべき翻訳の品質って具体的になんだろう?と系列立てて考える機会はなかなかないものだと思います。私のエージェントとしての視点も絡め、どのような品質保証を意識し、実践したらいいのか?…そんな話を軸に色々と具体的な話が出来たらいいかな?と考えているところです。その手段として、拙作のWildLightも少しだけ触れる事になると思います。

とにかく、参加頂く皆さんに少しでも持って帰って貰えるものを増やすべく、あれこれ検討しようと考えています。乞うご期待!

また、事前に翻訳者さんにアンケートを採り、その情報も活用してセミナーを組み立てようと考えています。このブログで募集する予定ですので、みなさん、ご協力を宜しくお願いします。

では、開催時期が近づきましたら、また告知します。


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翻訳の日本回帰

最近、何社かの翻訳会社の方とお話しする機会があり、話題は自然と単価、と言うか業界の状況についての話しになるのだが、その中で感じているのは「日本回帰」。

コスト下げを狙って新興国の翻訳会社と手を組み、例えば中国の翻訳会社や翻訳者が翻訳を行う事で、翻訳コストを抑えようとする動きが業界的に加速しているのだが、最近では「翻訳の質」と「機密情報流出」の問題から、そういった新興国の翻訳会社、もしくは翻訳者へ翻訳を依頼する事を嫌うクライアントが出始めているようだ。

この世界も、多分、最終的には二極化すると思われるが、コスト、コスト…ばかりではないクライアントの存在を知る事ができたのは嬉しい限り。

クライアントは、翻訳を依頼する翻訳会社には、1)新興国の翻訳会社と提携しているのか?、2)依頼する翻訳は、そう言った提携翻訳会社で行うのか?、3)その場合の品質保証はどのようにやっているのか?、4)情報漏洩/情報セキュリティの対策はどのようになっているのか?…程度は、確認しておいた方が良いと思う。


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大阪(SKIT)に行ってきました。

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既に1週間が経ってしまいましたが、以前の記事で予告した通り、7月20日に開催された関西通翻勉強会「SKIT」に参加するため、大阪へ行って参りました。実は、今回、色々な予定を突っ込んだため、かなりドタバタとせわしない行程になりました。17日夜に大阪入り。18日は大阪某社にて社内向けWildLightセミナーを2回開催。その夜、広島へ移動。19日は一日広島観光をし、夜は広島の通翻クラスタの皆さんと会食。翌20日に大阪へ移動して午後SKIT出席、夜は関西通翻クラスタの皆さんと会食。そして21日に東京に帰ってきました。

SKITでは、井口耕二さんが業界調査データを元にした解析結果をお話になりました。新しい情報もありましたが、ここでは割愛致します。さらなる解析データに基づいた話しは、日本翻訳連盟が主催する今年の翻訳祭にてお話しになると思います。興味がある方は、そちらに参加される事をお勧めします。

私のパートは「翻訳のポカミス」を導入話にして WildLight の話をさせて頂きました。なお、この「翻訳のポカミス」話の概略は、今年のJATアンソロジーの記事にしましたので、発刊されたらお読み下さい。WildLightは、やはりデモを見て頂く事が、自分の翻訳作業においてどう使えるのか?というイメージを膨らませる上で、一番いい方法だなぁと今回つくづく思いました。セミナー後、インストールしました!という報告を何名かの方から頂き、お役に立てて良かったと思っています。

大阪のみなさんとの久し振りの再会で、セミナーの雰囲気もとても良かったのもあり、滑舌が悪いくせに早口に色々と喋りすぎた感があります。つくづく思うのは、セミナーで講師をノセる事の大切さ。より多くの情報を引き出すのに大切なことだなぁと思うのです。少なくとも、私は自分で話してみて思いましたが、そのタイプの人間のようです(笑)。自分も、人のセミナーを聴くときは、何かしらのフィードバックを返しながら聴講しようと思います。

19日夜の広島通翻クラスタの皆さんとの会食では、美味しいお好み焼きをたらふく食べてきました。その席上、ご要望が出たので、簡単ながらWildLightのデモンストレーションをさせて頂きました。やはり、実際の動きを自分の目で見ると言う事は大切のようで、使ってみたい…という感想を持って頂けたようです。

WildLightについては、9月頃に中級編セミナーの開催を計画しています。詳細が決まりましたら改めてアナウンス致しますが、翻訳作業の中で悩んでいる事、苦労している事、やりたい事など、例えば原稿の事前処理、事前加工、翻訳チェック、スタイル統一、用語集作成などの例を挙げてもらい、それを解決、もしくは負荷低減するための辞書作りを学ぶセミナーにする予定です。

 


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訳文基準は品質劣化を生む

翻訳料の計算には、おおまかに二通りの基準があり、原稿の文字数やワード数で計算する「原文基準」と、翻訳後の訳文の文字数やワード数で計算する「訳文基準」です。

日本語英訳の場合を例に取ると、日本語原稿の文字数で計算するのが「原文基準」、翻訳後の英文のワード数で計算するのが「訳文基準」と言う事になります。

訳文基準は、まだIT機器のない時代に、原文の分量把握が難しいため、和訳した原稿用紙の枚数をカウントして料金計算した名残りだと理解しています。(間違っていたら教えてね)

今では簡単に原稿分量を計数できるようになり、業界の翻訳会社の計算方法も徐々に「訳文基準」から「原文基準」へ移行しています。日本翻訳連盟の業界調査報告「翻訳白書」によれば、未だに「訳文基準」を採用している翻訳会社は、2008年調査で約5割だったものが、2013年調査で約4割と減少してきています。

この「訳文基準」ですが、私のように翻訳の品質を考える立場の人間にとっては、誠に好ましくない計算方法なのです。

「訳文基準」の意味は、前述の英訳の例であれば、翻訳された英文のワード数をカウントして報酬を計算すると言うことです。

つまり、ワード数が多ければ多いほど、報酬が増えるのです。

さて、ここで品質の良い英訳(に限らず翻訳)とは何だろう?と考えてみて欲しいのです。簡潔で意味が的確に伝わり、読み易く分かり易い訳文だと思うのです。そうすると、冗長な文章ではなく、キュッと引き締まったコンパクトなものになる筈です。つまり、翻訳の品質を追求すると、概ね短いものになって行く…文字数やワード数が小さくなっていくものです。

「訳文基準」が持つ「文字数やワード数が多い方が報酬が増える」という性質は、翻訳品質の面でマイナスに作用する事になり、翻訳の計算基準として好ましくないと言う事になります。

実際、意図的に冗長な表現を多用して分量を水増ししようとしている訳文に遭遇した話も聞きますし、報酬を増やすためにそうしていると憚らずそういう発言をする翻訳者の話も耳にします。こういう話は翻訳者として悪質だとは思うものの、「訳文基準」の計算方法が持つ性格上、避けては通れないものだと思います。

また、訳文基準は価格の不透明感を顧客に与えるという弊害もあります。原文の大凡の分量から、係数を掛けて訳文分量を見積もり価格提示する訳ですが、完成した訳文分量とイコールになることはなく、常に見積額と請求額に差が生じる事になります。これが原文基準であれば、「見積額=請求額」となり、とても透明感のある価格体系となります。

翻訳会社は、翻訳品質を大切と考えるならば、早急に原文基準へ移行するべきだと思います。

また、翻訳を購入するクライアントは、訳文基準で価格提示している翻訳会社は、翻訳品質に対する意識が希薄かもしれないと言う判断の材料にしてみると良いでしょう。


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二度と翻訳をご依頼頂かなくて結構です。

来週末の準備云々でやる事が山積の今日、TACのセミナーも断念したのに、こんなブログ記事を書いている場合ではないのだが、たまたま Facebook で流れてきたある方のブログ記事を見て、書かずにはいられなくなった。

それは「お客様、もう二度と来ないで下さいね♥  」というタイトルで、帽子山宗(ぼうしやまたかし)さんのブログの記事です。

私の考えている事と全く一緒。これを翻訳業界に落とし込めば、お客様とは、翻訳者から見た翻訳会社、翻訳会社から見たクライアントという事になります。

機会ある毎に私も「お客は選ぶべし」と言っていますが、「お客の選択は、自分の選択と同じ」と考えるからです。

提供する仕事/サービスの価値を正しく評価してくれるお客様を、より多く獲得する手段にもなり、そう言ったお客様には同じ価値観を持った横の繋がりから、自分を選んで頂けるお客様が増える可能性も出てくる。勿論、お客を選ぶ以上、自分の提供する仕事の価値を明確に位置付けする事が大切ですし、その質の向上に日々努力をする必要があります。自惚れだったり、自己満足な価値観では、お客様が付かないのは当り前ですよね。

私の経験から見ても「どうせ、下請け」…そんな意識が世の中には蔓延っています。翻訳者に対しては一部の翻訳会社、翻訳会社に対しては一部のクライアントがそんな意識で対応している。一方的で無理難題。暴言上等。お客様だからとそこを我慢したとしても、提供した翻訳の価値なんて分からず、よって、支払っている報酬が高いと常に感じている。あれこれ理由をつけて支払いは極力抑える。

そういうお客様と継続的に取引したいですか?

お互いがお互いをサポートする事で仕事が成し遂げられる。そういう対等な関係があるべき姿ではないかと思うのです。お金を払う側は、提供されるサービスを受ける対価として費用を支払い、サービスを提供する側は、最高のサービスを提供する対価として報酬を受ける。その双方の評価と価値観がマッチした相手と仕事をする事が、更なる良質なサービス提供へ繋がるでしょうし、単価のアップへと繋がるのだと思います。

私は以前から、顧客要求を手放しで受け容れたり、受け容れる事を当り前とする風潮に疑問を感じています。新人コーディネーターにそういう感覚を見ると「何も考えていない」とさえ思ってしまいます。「お客様は神様です」の言葉の意味を誤解している人が多い。そもそも自分にとっての「お客様」とは何か?というところから考えるべきだと思う。そして、自分の仕事は何か?をよく考える必要がある。自分の提供する仕事が何か。そこにしっかりした考えを持たなければ、本当のお客様が分からない。

翻訳会社を選別すると言う意識」でも書きましたが、相手が我々を仕分けているように、我々も顧客を仕分ける事が必要です。その目を持つことが必要です。つまり、自分の仕事が何かをしっかりと考えることが必要ですね。