翻訳横丁の裏路地

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値引き

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値引きをしたことはありますか? どういうシチュエーションで? どれくらい? そして「なぜ」?

「値引き」の考え方にはいろいろあるでしょうが、私はこんな風に考えています。

値引き額(数字)の意味をどう捉えるかで、考え方は変わってくると思うのですが、多分、普通の感覚としては、これから稼ぎ出す報酬を減らすことだから、もともとないものを減らすだけのことでしょ?と思うのではないでしょうか? でも、そう考えてしまうと値引きという行為が受動的なものになってしまうように思うのです。

値引きする金額の元手は何か?を考えると、ボンヤリした値引きという行為がくっきりとしてくるのですが、それをイメージするために例として、報酬を受け取り、そこから幾ばくかをお金を返すことを値引き行為としてイメージしてみましょう。翻訳物を納品するときに、値引きとして現金を添えて納めるというイメージです。

そんなイメージをしてみると、「値引き」って、気軽な感じで安易にホイホイとできる行為には感じられなくなります。値引きって、お客様(翻訳会社含む)にお金を払っているのと同じなんです。払う側の視点で考えると、得た報酬から幾ばくかのお金を使っていることと同じですね。

さて、何にお金を使っているのか?

そこを考えないとダメだと思うんです。「値引きとは投資である」と私は常々言っているのですが、何を目的とした投資なのか、どういう投資対効果を期待しているのか?を考える必要があると思います。そういう検討があった上で、値引きすべきか否かを判断することになります。

顧客から値引きを迫られたら、その投資は何を目的とし、どういうリターンを期待するのかを考え、拒否するのか受け容れるのか、はたまたリターンを増やすために相手と条件をさらに交渉するのか、そんなことを判断することになります。つまり、ハッキリしない理由(感覚)で値引きに応じるなんて、やってはならないことです。ちゃんと目的と効果を理解した上で判断しましょう。

時々、「知人だから」「友達だから」という理由で値引きをする話を聞きますが、ビジネスとして割り切って受けないことです。ビシネスでやっている以上、私情は持ち込まず、ちゃんと評価して判断しましょう。

 

 

気軽な気持ちで値引きに応じないこと。値引きする目的と理由を自分の中で明確にして、値引きに応じること。

 

作成者: Terry Saito

二足の草鞋を履く実務翻訳者です。某社で翻訳コーディネーター、社内翻訳者をやっていました。 詳細は、以下のURLよりどうぞ。 https://terrysaito.com/about/

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