6年ぶりに英日・日英翻訳国際会議(IJET)で登壇してきました。
話を聞きにきてくださった皆様、ありがとうございました。
主催者側の想定を上回る聴講者数だったようです。配布資料が不足する事態になったようで御不便をお掛けしました。席はほぼ満杯で100名ほどの方々に聞いていただきました。
今回の講演は60分という時間に対して内容を詰め込みすぎで、準備していたデモの一部しか紹介できませんでした。例えば、翻訳作業中に多用しているMildLite による用語集作成、Google検索、テキスト辞書検索、AutoHotKeyとEBWin4を使った辞書検索、WildLightを使った誤読を防止するための色付けや、用語の揺れ確認など。そもそも計画段階からすべての紹介は無理だと思っていたので、想定通りの結果なのですが、それにしても残念。デモだけで1時間以上は必要な内容だったので仕方がありませんね。また、どこかで披露したいと思います。
前回は、IJET-23(広島)で「翻訳の品質管理」というセッションにパネリストとして登壇したんですよね。翻訳品質保証の方法に試行錯誤していた時代で、考えていることとやっていることは、その当時と今では雲泥の差があります。当時は翻訳チェックに何か良いツールはないかと模索していた頃で、まだWildLightは誕生していませんでした。
IJETって壮大な翻訳者合宿
私の中では、IJETは大規模な翻訳者合宿だと思っています。IJET-23開催の当時、丁度、翻訳者の間でSNS利用に火が付き、通翻クラスタなる言葉が生まれた頃で、その勢いに乗ってIJET広島は物凄く盛り上がりのある回になりました。セッションも興味深く面白かったですし、何よりも、ネットワーキングの時間がたっぷりとあって、多くの翻訳者と意見交換をしたり、親睦を深めることができたのは素晴らしかった。
学びを得る機会はセッションと並んで、実は、このネットワーキングにもあるのです。この時に多くの翻訳者や翻訳関係者の意見や考え方を生の声で聞き、現場で何が起きていて何に悩んでいるのかを知ることができました。このことが後にUSTREAM放送〜テリラジをやろう!という流れを生み出したのです。また、翻訳チェックの知識蓄積があまりされていない印象を持ったことが、翻訳チェックを掘り下げようという意欲に繋がり、WildLight開発へと繋がっていきました。
今の私は、IJET-23のネットワーキングによって得られたものがベースになっていると言っても過言ではないでしょう。
2.5日の日程と安くはない参加費。でも、国内開催は2年に一度ですから、2年分の投資だと思えば決して高くはありませんよね。ましてや、セッションだけでは得られない多くの学びと人脈がネットワーキングから得られるのですから。
今回のIJET-29は、休暇に余裕がなくてフル参加は断念したのですが、次回の国内開催ではフル参加したいものだと考えています。
最後に、IJET-29を運営されたボランティアの皆様、大変お疲れ様でした。